顧客管理・課金・請求ソリューション BSSsymphonyの導入事例
MXモバイリング株式会社様MVNO事業を展開するMXモバイリングに顧客管理・課金・請求ソリューション「BSSsymphony」を導入。 決済業務の作業日数を約50%削減し、業務効率を大幅に向上
丸紅グループで情報通信関連の事業を展開しているMXモバイリングでは、MVNO*1 の協業先企業へ格安SIM*2 の提供をはじめ、MVNO協業先企業が企画する携帯電話サービスの運用やエンドユーザーへの課金・請求などの業務を受託しています。
同社では事業の成長とともに、これらの受託業務の負荷が増大していました。その対策として、豊富な機能を持つ「BSSsymphony」を導入。課題解決とともに次のビジネス展開のための基盤整備を実現しました。
*1 Mobile Virtual Network Operatorの略で、仮想移動体通信事業者のこと。大手キャリア事業者のような通信設備を自社でも持つ事業者から通信サービスを利用する権利を借り受けて、加入者にサービスを提供する事業者。
*2 電話番号を特定するための固有のID番号が記録された、携帯やスマートフォンが通信するために必要なICカードのこと。
この事例に関するソリューション・商品
従来からの課題
新規に取り組んだMVNO事業の伸展とともに、課金・請求業務の課題に直面
平賀 祐史 氏
MVNOは携帯電話会社から通信回線を借り独自ブランドの携帯電話サービスとして展開するもので、MXモバイリングはMVNO協業先企業との役割分担において、携帯電話サービスの業務やエンドユーザーへの課金・請求などの業務を担当しています。MXモバイリングでは2015年からこの事業を立ち上げ、取材時には複数の協業先企業がそれぞれのブランドで展開するMVNOサービスの業務を受託しています。
事業は順調に拡大した反面、エンドユーザーへの課金・請求業務の負荷が増大するという課題に直面しました。月初の決済業務に必要なデータの作成作業に10日前後を要し、残業や休日出勤が増えたほか、協業先企業ごとに業務フローが異なり、それも業務の負荷となっていました。
「当時利用していたパッケージシステムを機能追加や改修することで対応していましたが、限界を感じていました。当初はこのシステムを改修しながら継続使用する方針でしたが、社内で論議を重ねるうち、業務環境の改善や新規事業をさらに伸展させるためにも、柔軟性や拡張性の高い基盤を構築すべきではないかという結論に至りました」(平賀氏)
こうして2016年3月にシステムのリプレイスが決断されました。
導入の経緯
業務改善に直結する多彩な自動化機能、拡張性、そして「実績」が採用の決め手に
小山 倫明 氏
リプレイスにあたって継続的な課金・請求の管理システムを探したところ候補に該当したのが2製品、そのうちのひとつが「BSSsymphony」でした。そこからMXモバイリングが求める機能を精査した結果、次のような点で「BSSsymphony」が評価されました。
まず、請求の月次処理である請求集計処理と未収チェックが自動でできるという点。それまではデータ作成などで10日ほど要した作業が短縮できるだけでなく、自動化されることで業務のスケジューリングがしやすくなるという声がありました。
また、MXモバイリングでは各協業先企業の業務フロー標準化を社内で検討していましたが、その業務フローが「BSSsymphony」のものと似ていました。特に締め処理が自動的に実行される点が業務の効率化に役立つと評価されました。
さらに、データベースからのデータ参照が可能な点も高評価を得ました。既存システムではCSVエクスポートが主だったため、社内システムとの連携用に多くの時間をかけてデータ加工していました。「BSSsymphony」では、データベース構造をお客さまに公開しているため、必要な情報を柔軟に取り出し、加工作業の手間を省けるようになりました。
これら充実した機能のほか、協業先企業が増える際もパッケージシステムを機能追加や改修なしで対応できる優れた拡張性も高評価でした。
「『BSSsymphony』は多くの採用実績があるため、説得力がありました。さらに、我々の質問や問い合わせに対して日立ソリューションズの担当はレスポンス良く、誠意を持って対応してくれました。そうしたことも採用の理由となっています」(小山氏)
導入時の取り組み
日立ソリューションズとの緊密な連携により開発を進行
今回の導入で工夫した点に、アプリケーションサーバーの構成があります。今回のように管理する対象(テナント)が複数となる場合、使用されるアプリケーションサーバーも複数台必要となります。「BSSsymphony」はひとつのサーバーにひとつのアクセスドメイン名を割り当てる仕様となっているためアクセスドメイン名が複数になり、業務スタッフが他のテナント管理画面参照のたびにドメインを切替える必要が出るなどユーザビリティに影響が出ます。この問題を解決するため、アプリケーションサーバーの前段に、ドメイン振り分けを行うためのリバースプロキシサーバーを導入してはどうかと、小山氏より提案がありました。日立ソリューションズは開発元だったためテスト環境の用意から各種検証まで迅速、柔軟に対応し、小山氏のアイデア実現をサポートしました。
また、既存システムからのデータ移行には大きな労力を必要としました。既存システムからCSVエクスポートし、それを「BSSsymphony」にインポートできるデータ構造に再加工する必要があり、この作業に約1か月を費やしました。
「その際、このデータは『BSSsymphony』ではどう使うか、どのように加工すればいいか、日立ソリューションズから丁寧にアドバイスがあり、非常に助かりました」(小山氏)
また業務スタッフに対するトレーニングとして日立ソリューションズがデモ機を提供し、本番稼働前に「BSSsymphony」の仕組みや機能を理解するための機会が設けられました。これによりスムーズな本番稼働につなげています。
システム構築は2016年10月から開始され、翌2017年3月に本番稼働を迎えています。
導入の効果
充実した自動機能により、請求処理に関する作業日数が半減
新システムの稼働開始後は、自動化機能により月初処理は仮締め状態で集計され、そのデータに若干の修正を行うだけとなりました。従量課金データの処理では当月1日にならないと着手できなかった作業が、新システムでは前月の本締め終了後の月半ばからと前倒しされました。さらに収納/未収は自動でチェックされ、未収の場合は翌月の請求に上積みされるようになりました。
「『BSSsymphony』により、多くの業務が自動化、効率化され、月初に10日かけて行っていた締め作業が4〜5日と約半分の日数で可能となりました。残業や休日出勤も大幅に減少しています」(平賀氏)
業務フローも改善されました。従来はフローに合わせてシステムを改修していましたが、導入を契機に『BSSsymphony』の業務フローに合わせたことにより、協業先企業ごとに異なっていた業務がひとつに統一されました。今後、協業先企業が増えても標準的な業務のもと効率的に管理業務が行えます。
また、MVNO事業は携帯電話会社と回線利用の契約管理を行う業務もあり、この面でも業務改善が進んでいます。エンドユーザーの解約などの手続きを携帯電話会社と行う必要がありますが、こうした情報も「BSSsymphony」から容易に取り出すことができ、業務が効率化されています。
今後の展望
新たなビジネスに挑戦するための基盤を実現
「当社では新規事業の方向性として、コンシューマー向けのストックビジネスのモデルに注目しており、MVNO事業はそのひとつです。この事業領域では継続的な課金・請求管理の基盤が不可欠ですが、『BSSsymphony』の導入により次代を担う基盤が実現できたと考えています」(平賀氏)
MVNO事業だけでなく、今後別の新しいサービスを企画・開発したときにも「BSSsymphony」は課金・請求のための基盤として活用できます。
「このシステムなら柔軟性も拡張性もあるので、新しいビジネスにもきっと対応できるはずです。MVNO以外にも、例えば自社でエンドユーザーにサービス提供する、BtoCの新規事業などの対応も容易です。これら新しい事業へも、日立ソリューションズの提案やサポートがあれば安心して挑戦できそうです」(小山氏)
MXモバイリング株式会社
情報通信関連事業の会社として2013年に丸紅グループ入り。NTTドコモ等の通信事業者の一次代理店業務をはじめ、法人向けの通信関連ソリューション、さらにAppleの製品修理に関する正規サービスプロバイダー、ブロードバンド回線販売などの事業を展開しています。その中でも携帯販売事業では、全国に販売網を展開するなど全国トップクラスの業容を誇ります。
また、強みである情報通信関連の各種ノウハウを生かした新規事業の開発にも積極的に取り組み、今回ご紹介したMVNO受託事業のほかにもB to CやB to B to Cといったさまざまなスキームのビジネスに挑戦しています。
本社所在地 | 東京都江東区豊洲三丁目2番24号 | |
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業務開始 | 1972年12月 | |
従業員数 | 社員4,041名(2017年4月現在) | |
事業内容 |
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URL | https://www.mxmobiling.co.jp/ |
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本事例の内容は2017年8月22日公開当時のものです。
最終更新日:2017年8月22日