日立ソリューションズは、お客様の全体最適の視点で豊富なソリューションを組み合わせて提供する『ハイブリッド インテグレーション』を実現します。

ニュースリリース

2012年7月12日
株式会社日立ソリューションズ

医療機関向け骨粗しょう症体質リスク検査サービスを提供開始
国立長寿医療研究センター予防開発部長監修の遺伝子検査による体質判定で、予防指導を支援

株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:林 雅博/以下、日立ソリューションズ)は、独立行政法人 国立長寿医療研究センター研究所予防開発部(所在地:愛知県大府市)の研究成果を基に開発した「骨粗しょう症体質リスク検査サービス」の提供を、医療機関や健診センター向けに11月1日から開始する予定です。本サービスは、日本人女性を対象に、遺伝子検査と問診による閉経後の骨粗しょう症発症リスクの判定と体質に合った予防方法を提示し、医師の骨粗しょう症予防指導を支援します。

骨粗しょう症は、日本国内において推定患者数が女性800万人、男性200万人、合計1,000万人*1と言われています。女性は、男性に比べて骨量が少ないうえに、閉経後にホルモンのバランスが崩れて骨粗しょう症になる割合が高く、患者全体の8割を占めています。また、要介護になる原因の第5位*2に挙げられる骨折は、骨粗しょう症の合併症として起こることがあり、骨粗しょう症は高齢者に多い病気として、老後のQOL(Quality of Life:生活の質)の低下原因の一つと言われています。

*1:出典「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」  *2:平成22年国民生活基礎調査

日立ソリューションズは、遺伝子検査を活用した病気予防やQOLの向上を目指し、医療機関や健診センター、企業の健診部門などに向け「骨粗しょう症体質リスク検査サービス」の提供を開始します。本サービスは、日本人女性を対象に、遺伝子検査による体質診断と生活習慣から骨粗しょう症発症リスクを判定し、さらに個人の体質に合った予防方法を医師に提示します。医師は検査キットで受診者の口腔粘膜サンプルを採取し、本サービスを利用して遺伝子検査を行います。検査終了後、医師は本サービスにて問診項目を入力することで、骨粗しょう症リスク判定結果と体質に合う予防方法を閲覧し、この表示内容を基に受診者に詳細なアドバイスを提示することができます。また、医師は受診者の生活習慣の改善結果を、問診入力によりリスク判定に反映させることで、予防指導を継続的に実施することができます。

図:「骨粗しょう症体質リスク検査サービス」概要
図:「骨粗しょう症体質リスク検査サービス」概要

■ 骨粗しょう症体質リスク検査サービスの特長

1. 精度の高いリスク判定

国立長寿医療研究センター予防開発部の研究成果を基にリスク検査を行います。遺伝子型と生活習慣の両面から、高い精度でリスクを判定することができます。

2. 医師指導の下で受診するサービス

受診者の体質に合った骨粗しょう症予防方法を提示することができるため、医師はよりきめ細やかな健康指導をすることが可能です。また、生活習慣の改善によりリスクが軽減されることを分かりやすく提示できるため、受診者の骨粗しょう症予防に向けた動機づけを高めることが可能です。

3. 個人情報と遺伝子情報を別々に管理し、高いセキュリティを確保

検査キットのIDとパスワードでログインすることで、検査結果を閲覧することが可能です。遺伝子情報の検査結果は本サービスのセンター内で管理し、個人情報は医療機関で管理されるため、遺伝子情報から個人が特定されることはありません。

■ 骨粗しょう症体質リスク判定について

「骨粗しょう症体質リスク検査サービス」は、骨粗しょう症に関係する7つの遺伝子型と生活習慣から骨粗しょう症体質リスクを判定します。遺伝子には、体質リスクに関係する遺伝子と生活習慣に関係する遺伝子があり、骨粗しょう症に関係している遺伝子型から骨粗しょう症になりやすい体質なのかを調べるだけでなく、体格・体力・食事などを見直すことで効果的に予防できる遺伝子を調べることにより、医師による生活習慣の改善の予防指導を支援します。たとえば、カルシウム摂取量が骨粗しょう症に影響を与える遺伝子を持っている人は、検査時にカルシウム摂取量が低かった場合、骨粗しょう症体質リスクは高く判定されますが、医師の指導によりカルシウム摂取量を増やすことでリスクが低くなる可能性があります*3。本サービスの問診項目に生活習慣の改善を入力することによりリスク判定を更新することができます。

*3:体質リスクは一つの遺伝子型だけではなく、それぞれの遺伝子型を総合して判定します。

■ 国立長寿医療研究センターの骨粗しょう症に関する研究について

国立長寿医療研究センターでは、下方 浩史部長(予防開発部部長)と安藤 富士子教授(客員研究員、愛知淑徳大学 教授)が15年間にわたり骨粗しょう症に関するコホート研究*4を行っており、2,400人について、200以上の遺伝子多型を解析し、個々の生活習慣と骨粗しょう症の発症について関連性を調査しています。本サービスは両氏の監修の下、研究成果に基づいて開発しました。

*4:特定の要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し、研究対象と
なる疾病の発生率を比較することで要因と疾病発生の関連を調べる観察的研究

なお、今回の発表に際し、国立長寿医療研究センター予防開発部よりエンドースメントをいただいています。

国立長寿医療研究センター予防開発部のエンドースメント

今まで、骨粗しょう症などの生活習慣病へのかかりやすさを判定するような遺伝子検査のサービスは数多く提供されてきましたが、特定の疾患にかかりやすいと判定された場合に、ではどう対処したらいいのかを示すようなものは皆無でした。本サービスは疾患のかかりやすさを判定するだけでなく、ではどうしたらいいのか、最適な答を用意できます。筋力を増加させれば骨粗しょう症が予防できる体質、カルシウム摂取量を増やせば効果的に骨粗しょう症を予防できる体質、やせすぎが特に危険な体質などを判定することができます。さらに現在のリスクだけでなく、将来にわたっての5年後、10年後、あるいは70歳、80歳になったときのリスクを推定し、また、それらのリスクが、生活習慣を変えることでどう変わるかの推定も可能です。個人個人に合ったオーダーメイドの指導が可能になります。

国立長寿医療研究センター 下方浩史 予防開発部長

■ 価格

未定

■ 販売開始時期

2012年11月1日

■ 検査結果(サンプル)

<商品・サービスに関するお問い合わせ先>

URL: https://www.hitachi-solutions.co.jp/inquiry/   Tel:0120-571-488

<報道機関からのお問い合わせ先>

担当部署:CSR統括本部 ブランド・コミュニケーション本部 広報・宣伝部
担当:槇田、関口
TEL:03-5479-5013  E-mail:koho@hitachi-solutions.com

※ 記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

AdobeReader

PDFファイルをご覧いただくには "Adobe Reader"が必要です。
最新版はAdobe社のWebサイトよりダウンロードできます。(無償)