アプリケーションデリバリコントローラ ArrayAPVシリーズの導入事例
株式会社マツモト様アルバム製作や各種プリントサービスを支えるネットワークの安定稼働に「ArrayAPV」が貢献。
卒業アルバムや一般商業印刷、インターネットを通じたフォトブックや各種プリントサービスを手がける株式会社マツモト。同社は、アルバム製作などのデータ入稿用のISP回線と、オンラインサービス事業のISP回線を統合。ISP回線とWebサーバの負荷分散に、アプリケーションデリバリコントローラ「ArrayAPVシリーズ」を採用しました。日立ソリューションズグループ(日立ソリューションズ、日立ソリューションズ西日本)による導入事例のご紹介です。
この事例に関するソリューション・商品
従来からの課題
将来的なビジネス拡張にも柔軟に対応できるネットワーク環境の整備が課題
國弘 英之 氏
同社は、主力のアルバム製作事業のデータ入稿用途や、オンラインサービス事業での利用と併せてISP回線を合計7回線契約、管理していました。
「主力のアルバム製作事業では、全国の卒業アルバム、記念アルバムの製作を手がけています。この写真入稿では当社のWebサービス上へアッ プロードしていただく運用をしていました」(竹内氏)
「オンラインサービス事業では、フォトブックや各種プリントサービスを提供しています。 従来はアルバム製作事業とオンラインサービス事業のISP回線はそれぞれ別系統となっており、管理も別々になされていました。オンラインサービス事業では、会員向けの写真プリントサービス『ギガフォトレージ』などの新しいサービスを立ち上げましたが、それに伴い、回線コストや運用負荷が更に大きくなっていました。 このため将来的なビジネス拡張に柔軟かつ低コストで対応できるネットワーク環境の整備が課題でした」(國弘氏)
オンラインサービス事業のWebサーバの負荷分散には、この10年ほど「Array」のロードバランサが使われていました。一方、ISP回線の負荷分散には、専用の回線負荷分散装置を利用していました。
「既存のロードバランサのサポート終了を機に、ISP回線を含めてネットワーク環境全体の見直しを検討しはじめました」(國弘氏)
導入の経緯
ロードバランサと回線負荷分散装置の統合により、コストを抑えつつ質の高いサービスが提供できる点が決め手
竹内 啓悟 氏
「ロードバランサの更改モデルの選定開始は2014年9月頃からです。既存の『Array』の保守が終了する約1年前から、日立ソリューションズ西日本から提案をいただきました」(竹内氏)
「提案内容は、単なるロードバランサのリプレースではなく、アルバム製作事業とオンラインサービス事業のネットワークを統合し、これまでロードバランサ2台と回線負荷分散装置4台で冗長化されていた6台構成を、『ArrayAPV2600』の2台構成に集約、統合できるという内容でした。これにより、複雑なネットワーク環境をシンプルに統合でき、コスト削減も実現できると考えました」(國弘氏)
「ArrayAPV2600」は最大スループットが4Gbpsあるため、これまでボトルネックになっていた回線負荷分散装置とロードバランサを統合でき、かつ、サービス品質も保つことができる点が決め手となりました。
「新しくサービスを拡大したときに、『Array』のチューニングなど細かい調整が発生するシーンが出てきます。これまでの実績から、日立ソリューションズグループの問い合わせの対応のよさ、サポートの手厚さは評価していたので、そこに信頼が置けたこともポイントとなりました」(國弘氏)
導入時の取り組み
適切な移行計画によってオンラインサービスを停止せずに新環境への移行に成功
「ビジネスに直結した基幹サービスを担うロードバランサということで、新環境への移行に際しては、サービスを停止せずに移行する点に特に気を使いました。移行先の環境として、新たに導入する「Array」側に4回線を用意し、1サービスずつ動作検証を実施しながらサービス移行を行いました」(國弘氏)
「Array」が稼働開始したのが2015年7月。移行期間は、同11月頃までで約4カ月間かけて行われました。「Array」の導入から稼働、移行まで、日立ソリューションズグループの一貫したサポートにより、移行作業はスムーズに進行しました。
「実際の移行フェーズでは、当初の計画から移行順序が変わったり、急なスケジュール変更などもありましたが、こちらの無理なお願いにも柔軟に対応していただき、早期に安定稼働を実現することができました」(國弘氏)
導入の効果
ネットワークを集約してもパフォーマンスの問題はなく、今後の拡張を見据えたリソース確保も実現
「ArrayAPV2600」の主な導入効果は、「ネットワークのシンプル化」「ISP回線費用の削減」「ネットワーク管理、保守に関する負荷軽減、人的コストの削減」などのポイントが挙げられます。
「弊社のサービスでは写真データの入稿など、下りだけでなく上りのトラフィック量も多いのですが、7回線を4回線にしても適切に負荷分散を行うことで効率よくISP回線を利用できており、パフォーマンスの劣化はありません。むしろ体感的にはパフォーマンスは早くなった印象で、うまく回線を集約できたと思います」(竹内氏)
「現在、サービス全体では約3万人のアクティブユーザーがいらっしゃいます。アルバム製作など、需要の季節変動が大きいサービスでは、ピーク時期にトラフィックが急増します。そのため、必要に応じてスケールアップできるよう準備していますが、今のところピークに合わせて回線を増強したり、『Array』を調整したりする必要はなく、十分なパフォーマンスが出ており、今後の新サービス拡張に向けたリソースも確保できました」(國弘氏)
保守、サポートの体制は、ハードウェア保守とテクニカルサポートを日立ソリューションズグループで行っています。
「アプリケーションは我々が内製しているので、不具合はすぐに把握できます。ネットワークの不具合などは、まず日立ソリューションズ西日本に相談し、必要な情報の提供や、解析を実施してもらっています。緊急性が高い状況の場合は、対処について提案をいただくような体制です」(國弘氏)
「ハードウェアの監視機器を併用することにより、機器に対する異常なアクセスや回線の不具合、電源断、サーバダウンなどを検知したときはEメールで通知が飛んでくる障害検知の仕組みが確立できており、『Array』の不具合は今のところなく、安定稼働しています」(竹内氏)
今後の展望
クラウド化など、将来を見据えた提案、情報提供を引き続きお願いしたい
「今後は、全社ビジネスの観点からはクラウドの活用は不可避となるでしょう。今のところサーバのクラウド環境移行などの具体的な計画はありませんが、将来的な検討課題と認識しており、サービス品質やセキュリティなどが重要になってきます。日立ソリューションズグループには、現在のサポート、信頼性の高いサービスを引き続き提供して欲しいです」(竹内氏)
「今後も引き続き、ネットワーク機器に関する相談をすると思うので、パフォーマンス改善を含め、将来を見据えた提案、情報提供をいただきたいです。これまでと同じようなサポートをお願いしたいです」(國弘氏)
株式会社マツモト
1932年に松本写真工芸所として創業したマツモトは80余年の歴史を有します。印刷デジタル化の波の中で2003年からはネット事業に参入、お客様一人ひとりに合わせてパーソナライズされた印刷物を提供する「ワン・トゥ・ワンマーケティング」に取り組んできました。今後も、時代の流れにマッチした企業体質への変換をはかり、お客様に高付加価値な印刷サービスを提供していきます。
本社所在地 | 福岡県北九州市門司区社ノ木1-2-1 | |
---|---|---|
創業 | 1932(昭和7)年 | |
従業員数 | 222名(2016年4月30日現在) | |
事業内容 | アルバム・カタログ・ポスター・DM等 各種カラー印刷の企画・製作印刷等 |
|
URL | http://www.matsumoto-inc.co.jp |
この事例に関するソリューション・商品
導入事例ダウンロード
本事例の内容は2016年10月4日公開当時のものです。
最終更新日:2016年10月4日