「SDN(Software Defined Networking)」が注目を集め、サーバやストレージに続きネットワークの仮想化を検討する企業が増えている。製品・ソリューションとしては、SDN対応のスイッチやルータなどに目が行きがちだが、通信品質の確保に欠かせないロードバランサも忘れてはいけない。今回は、物理アプライアンスからのリプレースを検討する企業のために、イチオシ仮想ロードバランサをご紹介。
そこで注目されるのが物理アプライアンスの機能をソフトウェアとして提供する仮想ロードバランサだ。まだまだ認知度の低い仮想ロードバランサだが、物理アプライアンスと比較した仮想ロードバランサの優位性・価値について整理しておきたい。
大きなメリットは初期コストの安さ。買い切りライセンスやサブスクリプションライセンスなど様々な製品が登場しているが、サブスクリプションライセンス型製品では、初期コストを抑え、数万円の月額料金で導入できる。もともと高額製品な上に、可用性を考慮し複数導入し冗長構成とするのが一般的で、数千万円クラスの投資も珍しくない物理アプライアンスに対し、仮想ロードバランサなら1ライセンスで冗長構成も可能だ。
更に、物理アプライアンスで毎年発生する高額な保守費用も不要で、中長期のトータルのランニングコストも圧倒的に少なくて済む。ホスティングサービスなどを提供するデータセンタ事業者は、より低料金でサービスを提供できるようになり、競合優位性を確保するうえでも断然優位だ。
前述の通り、物理アプライアンスは拡張・変更のたびにコストだけでなく工数が発生し、手間と時間を要する。Webサービスを展開する企業や自治体にとって、サービス利用予測を立てるのは極めて難しく、リリース後に負荷分散の設定変更や、ロードバランサ自体の拡張(増設)を迫られるケースが少なくないが、仮想アプライアンスであれば、増設も含め設定変更だけで対応できる。
物理アプライアンスの場合、将来を見越して多少オーバースペックで導入するのが一般的で、過剰投資になりがち。一方、サブスクリプション型の仮想ロードバランサなら、需要状況に応じていつでもアップグレードorダウングレードできるため、今必要なスペックで導入できる。
ユーザーニーズが刻々と変化し提供するサービスの短命化が進む今日、ホスティングサービスなどを提供するデータセンタ事業者やWebサービスを展開する企業や自治体にとって、必要な期間だけ利用できることは大きなメリットだ。
2010年前後に導入した一昔前の物理アプライアンスのリプレースを検討する企業にとって、最新ロードバランサの多機能ぶりには驚かされるに違いない。例えば、国内売上実績15年連続No.1※を誇るArray Networks社の「ArrayAPVシリーズ」の場合、単純なサーバ負荷分散だけでなく、SSLアクセラレーションからISP回線負荷分散、HTTP2トランスレーションまで多岐に及ぶ。
同シリーズの仮想ロードバランサ「Array vAPV」では、これら機能のほとんどをソフトウェアで実現しており、「SHA-2」や「ECC」など新しい暗号化方式に対応、より高いセキュリティレベルのWebシステム構築を実現する。VMware vSphere Hypervisor / Citrix Xen / Open Xen / Microsoft Hyper-V / KVM といった主要なハイパーバイザーをサポートしており、サーバ仮想化によるプライベートクラウドを実現している企業なら、もはや次のリプレースは仮想ロードバランサを検討しない手はない! ※2001年~2015年/出典:アレイ・ネットワークス株式会社