セキュア無線LANシステム Arubaシリーズの導入事例
大阪経済法科大学様快適でセキュアなネットワークインフラを、管理者の負担を軽減して実現。
「経済と法律の専門知識と幅広い教養教育を通じて、実践の中から真理を探求する実学の精神をもった人材を育成する」という建学の理念を掲げ、2011年に創立40周年を迎えた大阪経済法科大学。2012年春、近鉄八尾駅前に開校した八尾駅前キャンパス[オーバル]を含むネットワークのインフラを、西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)+日立ソリューションズのプロジェクトで構築した事例のご紹介です。
この事例に関するソリューション・商品
従来からの課題
ネットワーク利用環境に、いくつかの課題。
朴 恵一 氏
ICT(情報通信技術)キャンパスの重要性に早くから着目し、実現に取り組んできた大阪経済法科大学では、1997年からギガビットイーサネット(GbE)を構築。LANケーブルでPCを接続すれば、教職員、学生ともに、ネットワークを利用できる環境になっていました。以降、技術の進化・変化とともに進むコンテンツの多様化・大容量化に対応するため、システムのリプレースなどにより改善に取り組むものの、見直しを考えなければならない状況になっていました。
- より快適で、セキュアなネットワークインフラが必要。
学生がノートPC、スマートフォン、タブレット端末などを持ち込んで自由にネットワークを使える無線LAN環境の不足や、接続時の認証をきめ細かに実施できないなど、将来を見据えると十分とは言えない環境でした。 - ネットワーク管理者の負担が増大。
学生用サーバ、教職員用サーバ、それぞれへのアクセスは、スイッチでのIPアドレスの設定で制御。そのために、ネットワーク管理者がIPアドレス単位でのアクセスリストを細かく設定し、手作業で更新を行わなければならず、大きな負担になっていました。 - トラブルへの対応が遅い。
過去に一度、ネットワークがループ状態に陥ってダウン。原因の発見と復旧に、ほぼ1日を要してしまいました。ネットワーク管理者は、こうしたトラブルへの対応も、懸案事項の一つと考えていました。
「そんな頃、既存の花岡キャンパス内に学生ホール棟という建物を、近鉄八尾駅前に八尾駅前キャンパスを新設することが決まりました。これを機に、見直しと改修を図り、ネットワークの強化を図ることにしました。(朴氏)」
選定のプロセス
サービス力、適用3製品、コストパフォーマンス…提案をトータルに高く評価。
三木 昌彦 氏
新たなネットワークを構築するにあたり、大きなテーマとして掲げたのは、以下の4つ。
- 学生、教職員、ゲストを含むすべての人が、快適かつセキュアにネットワークを利用できるICTキャンパスの実現。
バックボーンの増強や、これまで不十分であった無線LAN環境の充実、認証技術の導入などを実施。1つのアクセスポイントにつき約50台のPCが電波を共有できる教室など、用途に合わせた環境を整える。 - 花岡キャンパス、八尾駅前キャンパスのネットワークを一体のものとして構築。
2つのキャンパスにおいて、接続技術、操作方法、認証方法などを同一の仕組みにする。 - サーバルームは1ヵ所とし、一元的に管理。
情報管理センター6名(うちネットワーク担当2名)で、効率的に運用できるネットワークとして構築する。 - “止まらないサービス”として提供。
花岡キャンパス、八尾駅前キャンパスともに、トラブルによるサービス停止を回避する。そのために、冗長化に最大限配慮したネットワークを構築する。
これらをもとに、ソリューション企業3社に提案を依頼。プレゼンテーションを受け、NTT西日本のプランが選定されました。
「NTT西日本の提案は、ネットワークの品質やセキュリティ対策など、必要な要件をすべて満たしていました。構築や運用に関するサービス力、“セキュア無線LANシステム Aruba” “イーサネットスイッチ APRESIA” “ネットワーク認証アプライアンス NetAttest” という3製品の適用、コストパフォーマンス…そういったすべての要素を含め、トータルに高く評価しました。(朴氏)」
「3製品に関しては、花岡キャンパス 学生ホール棟から八尾駅前キャンパスまで含めた総合的なビジョンを伺っていましたので、これを前提に選定し、提案に盛り込みました。APRESIAなら、10Gbpsのインターフェイスを備え、しかも日本のメーカーの製品なので安心感があります。セキュリティや性能・品質に定評のあるAruba、RADIUSプロキシ機能を備えるNetAttestとの組み合わせなら、スムーズに連携できることも実証されていました。大阪経済法科大学様のご要望にお応えする、安定的なシステムを構築できると考えたのです。(NTT西日本 三木氏)」
導入時の取り組み
無線LANに関する知識・ノウハウ・スキルを持つ日立ソリューションズがサポート。
内海 直弥 氏
まずは、第1段階である花岡キャンパス 学生ホール棟から着手。
「新たなネットワークの構築でしたので、いろいろなやりとりの中で、少しずつ設計仕様を、練りあげていきました。定例会議というカタチで毎週1回から2回。八尾駅前キャンパスのネットワーク構築も含めると、最終的には150回以上会議の場を設け、丁寧かつ慎重に進めていきました。(朴氏)」
花岡キャンパス 学生ホール棟のプロジェクトが進み、第2段階として八尾駅前キャンパスに着手しました。
「日立ソリューションズは、特にAruba製品等、無線LANに関する知識・ノウハウ・経験が豊富。非常に高いスキルを持っているし、開発元とのつながりも強い。お客様にいちばん安定的なネットワークを構築できる存在として、プロジェクトに加わっていただくことが最適であると考えたのです。(NTT西日本 内海氏)」
ネットワーク構築では、IPアドレス単位での制御の仕組みを整理し、Active Directoryによる複数サーバでのドメイン制御を導入。冗長化については、2つのキャンパスを結ぶWAN回線にメインとバックアップの2種類を敷設し、それぞれの両端にAPRESIAを2台ずつ配置。各フロアをつなぐネットワークをリング構成で構築。さらには、APRESIAの超高速リダンダント機能 MMRP-Plusの活用や、Arubaの無線LANコントローラ、NetAttestを、それぞれ2台配置するなど、あらゆる側面から、“止まらないサービス”を実現するネットワークとして構築していきました。
その背景で日立ソリューションズは、Aruba、APRESIA、NetAttestに関する詳細設計、設定、チューニングなどを担当。同時に、構築時の細かな事象をひとつひとつ解決。
「無線LANの干渉や負荷分散など、いろいろな課題に直面しましたが、双方からアイデアを出し合いながら解決していく良い関係でプロジェクトを進めることができました。(NTT西日本 古道氏)」
「そういった状況については、会議のときに確認しながらプロジェクトが進みました。進捗状況や課題が整理されていたので、安心して任せることができました。(朴氏)」
導入後の効果
ICTキャンパスを実現。ネットワークの管理・運用も情報管理センターから集中管理。
古道 智 氏
導入により、“花岡キャンパス”には基幹1Gbps、支線100Mbpsの回線を、“八尾駅前キャンパス”には基幹10Gbps、支線1Gbpsの回線を配備。ノートPC、スマートフォン、タブレットなどの端末があれば、学生は八尾駅前キャンパスのすべて、花岡キャンパスの主要エリアから実習、履修登録、eラーニングなどが行えるICTキャンパスを実現しました。
また、ネットワークの管理・運用の面では、“花岡キャンパス”の情報科学センターからの集中管理を実現。新たに設けた監視装置から2つのキャンパスのスイッチの稼動状況、ポートの状態まで、容易に把握できるようになりました。
「遠隔地からのリモート監視、障害の自動検知は、問題の切り分けや対応力強化につながります。Arubaについて言えば、ログから詳細な情報を得ることができます。多様かつ詳細に制御できるパラメータもあります。大規模ネットワークを想定しているからこそ、何かあったとき、どこでどんな事象が起きているのか、細かい状況が分かるんですね。 これからは、何らかのトラブルが発生したとしても、以前のように原因の発見と復旧に手間取ることはないと思います。安心感が高まり、管理担当者の負担も軽減された点は、非常に良かったと思っています。(朴氏)」
今後の展望
ネットワーク機器のリプレースや無線LANエリアの拡大を検討。
現状のネットワークの安定運用・管理に努めつつ、今後は花岡キャンパスのネットワーク機器のリプレースや無線LANエリアの拡大についても検討されています。
「今回、NTT西日本さん、日立ソリューションズさんには、早い段階から一緒に話し合い、こちらの要望に対して対応していただいて、イメージどおりに構築することができ、大変満足しています。今後もさまざまな機会で、ご提案をしていただければと思っています。(朴氏)」
大阪経済法科大学
他の大学に先駆けて展開してきた「経法相互乗り入れ」制度、自分の興味や進路に応じて学べる多彩なコース制、海外にも及ぶ体験学習である「フィールドスタディー」、難関国家資格を含む複数の資格を取得できる「一人多資格」の学習体制、中国やアジア諸国をはじめ世界各国の大学との強固なネットワークを生かした国際交流など、ユニークで特色ある教育を展開。教育研究や社会との連携などにおいて、建学の理念を実現するため、あらゆる可能性を追求しています。
花岡キャンパス | 大阪府八尾市楽音寺6-10 | |
---|---|---|
八尾駅前キャンパス | 大阪府八尾市北本町2-10-45 | |
開学 | 1971(昭和46)年4月 | |
学長 | 藤本 和貴夫 | |
専任教員数 | 71名(2012年5月1日時点) | |
在学生数 | 2,082名(2012年5月1日時点) | |
URL | http://www.keiho-u.ac.jp/ |
パートナー企業プロフィール
西日本電信電話株式会社 大阪東支店
本社所在地 | 大阪府大阪市中央区馬場町3-15 |
---|---|
事業内容 | 西日本地域における地域電気通信業務、地域電気通信業務に附帯する業務(附帯業務)、他 |
設立 | 1999(平成11)年7月1日 |
代表取締役社長 | 村尾 和俊 |
従業員数 | 5,300名(2012年3月末時点) |
URL | http://www.ntt-west.co.jp/ |
私たちが担当しました
今回の八尾駅前キャンパスは新設ということもあり、建設途中での現場調査など色々と苦労もありましたが、NTT西日本様にお客様との調整やプロジェクト全体の取り纏めを的確に対応頂いた結果、お客様のイメージ通りに構築をすることができました。
今後もお客様のご要望を満たすご提案ができるよう、NTT西日本様と共にご協力させて頂く所存です。
株式会社日立ソリューションズ
プラットフォームプロダクト本部 ネットワークプロダクト部 井波 沙絵
プラットフォームソリューション本部 関西・中部プラットフォームソリューション部 技師 原 尚稔
プラットフォームソリューション本部 関西・中部プラットフォームソリューション部 伊藤 輝
関西営業本部 社会システム営業部 主任 林 雅治
この事例に関するソリューション・商品
導入事例ダウンロード
本事例の内容は2012年8月27日公開当時のものです。
最終更新日:2012年8月27日