無線LAN用語解説

無線LAN(Wi-Fi)で使用される専門用語は沢山あり、アルファベットの略語や普段あまり使用しない言葉なども含まれるなど、とても混乱し易いです。
そこで、本ページ内に無線LANに関係する用語をまとめ、参照および確認用としてご用意いたしましたので、ご活用ください。

A B C

A

用語 説明 用語分類
AES(Advanced Encryption Standard)

米国商務省標準技術局(NIST)により制定された、暗号化方式。AESはデータの暗号化と復号化に同じ鍵を使う共通鍵暗号方式を採用している。鍵長が128ビット、192ビット、256ビットから選ぶことができる、ブロック長が128ビットのブロック暗号である。以前より標準暗号として利用されていたDES(Data Encryption Standard)の後継規格にあたる。DESは米国のIBM社が開発し、1977年に当時の国立標準局(NBS/National Bureau of Standards)が政府標準として採用したが、コンピュータの高性能化などにより暗号強度が弱まり、信頼性が低下していったために、NBSの後継組織となるアメリカ国立標準技術研究所(NIST/National Institute of Standards and Technology)が、DESに代わる次世代の標準暗号規格として全世界から公募し、2000年10月に、ベルギーの暗号開発者ヨアン・ダーメン氏とビンセント・ライメン氏が開発した「Rijndael(ラインダール)」という暗号アルゴリズムが現在のAESに採用された。AESは、DESを強化した3DESよりも安全だと言われている。

暗号化

A-MPDU(aggregation MAC protocol data unit)

IEEE802.11nで採用されているフレーム・アグリゲーション(フレーム集約)という技術で、フレームを連結することで通信速度を向上させる。連結には、A-MSDUと、A-MPDUの2つの方式が規定されており、MACヘッダーを含んで連結する方式がA-MPDU。

A-MPDU

無線LAN通信の技術

A-MSDU(aggregation MAC service data unit)

IEEE802.11nで採用されているフレーム・アグリゲーション(フレーム集約)という技術で、フレームを連結することで通信速度を向上させる。連結には、A-MSDUと、A-MPDUの2つの方式が規定されており、MACヘッダーは単一で連結する方式がA-MSDU。

A-MSDU

無線LAN通信の技術

AP

無線LANアクセスポイントの、アクセスポイントを省略して通称APと呼ぶ。アクセスポイントの詳細については、無線LANアクセスポイントを参照。

無線LAN利用で必要となる機器

B

用語 説明 用語分類
bps(bits per second /ビット毎秒)

データ転送速度の単位。1bpsは1秒間に1ビットのデータを転送可能ということ。1k(1キロ)bpsは1000bpsで、1M(1メガ)bpsは1000kbps(=100万bps)。

ネットワークで使用される単位

BSSID(Basic Service Set Identifier)/ESSID(Extended Service Set Identifier)/SSID(Service Set Identifier)

ESSID、SSID、BSSIDなど、複数の用語があり、紛らわしいが、ESSIDは、無線LANで使用されるネットワークの識別子で、各ネットワークに固有に設定するネットワーク名のこと。最大32文字までの英数字を設定可能。ESSIDのことを意味してSSIDという呼び方をする場合がある。
BSSIDは、同様に無線LANで使用されるネットワークの識別子ではあるが、48ビットの数値で、通常は無線LANアクセスポイントのMACアドレスと同じものとなる。

無線LANネットワークの識別子

C

用語 説明 用語分類
Captive Portal/キャプティブ・ポータル

認証方式の1つで、ネットワーク利用時にWebブラウザを経由して認証を行う認証方式。Web認証などの機能をこのように呼ぶ。Web認証の詳細については、Web認証を参照。

認証方式

D E F

D

用語 説明 用語分類
dBi (DeciBel isotropic)

無線LANアクセスポイントに付属のアンテナについて、アンテナ利得で使用される単位のこと。完全無指向性アンテナ(isotropic antenna)を基準とするdBiと、半波長ダイポールアンテナを基準とするdBd(またはdBとも表記)がある。アンテナ利得の詳細については、アンテナ利得を参照。

無線LANで使用する単位

E

用語 説明 用語分類
EAP-PEAP (Protected Extensible Authentication Protocol) /PEAP (Protected Extensible Authentication Protocol)

IEEE802.1x認証に対応している認証プロトコルのEAP(Extensible Authentication Protocol )に対応し、認証を行うサーバー側で電子証明書を発行して、無線LAN端末側は証明書を使用せず、その代わりにユーザー名とパスワードを使用して認証を行う認証方式。EAP-TTLSと認証手順および認証方式がほぼ同じだが、EAP-PEAPは、Windows7には標準搭載している。

認証方式

EAP-TLS
(Extensible Authentication Protocol-Transport Level Security)

IEEE802.1x認証に対応している認証プロトコルのEAP(Extensible Authentication Protocol )に対応し、無線LAN端末およびサーバーの双方で電子証明書を交換して相互に認証を行う認証方式。相互に電子証明書を発行するため無線LAN端末のみが認証情報を送信する方式とは異なり、電子証明書の発行および管理の負担とコストがかかるが、サーバー側の偽装を検知し、改ざん防止が可能なため、セキュリティが強化できる。

認証方式

EAP-TTLS(Extensible Authentication Protocol-Tunneled Transport Layer Security)

IEEE802.1x認証に対応している認証プロトコルのEAP(Extensible Authentication Protocol )に対応し、認証を行うサーバー側にのみ電子証明書を準備し、無線LAN端末側は証明書を使用せず、その代わりにユーザー名とパスワードを使用して認証を行う認証方式。無線LAN端末側に証明書をインストールする必要がなく、クライアント証明書の管理を行う必要がないため、手軽な方式ではあるが、ユーザーは、ユーザー名とパスワードを覚える必要があり、万が一ユーザー名とパスワードが盗まれた場合、不正アクセスされる危険性がある。Windows7の場合、EAP-TTLSを利用するには、別途有償のサプリカントソフトウェアを無線LAN端末側にインストールする必要がある。

認証方式

ESSID
(Extended Service Set Identifier)/SSID(Service Set Identifier)/BSSID(Basic Service Set Identifier)

ESSID、SSID、BSSIDなど、複数の用語があり、紛らわしいが、ESSIDは、無線LANで使用されるネットワークの識別子で、各ネットワークに固有に設定するネットワーク名のこと。最大32文字までの英数字を設定可能。ESSIDのことを意味してSSIDという呼び方をする場合がある。
BSSIDは、同様に無線LANで使用されるネットワークの識別子ではあるが、48ビットの数値で、通常は無線LANアクセスポイントのMACアドレスと同じものとなる。

無線LANネットワークの識別子

G H I

G

用語 説明 用語分類
GREトンネル(Generic Routing Encapsulation tunnel)

さまざまな種類があるトンネルプロトコルの1つで、Arubaのコントローラーアクセスポイント間で張っているトンネルである。トンネルおよびトンネリングとは、特定のトラフィックを別のプロトコルのパケットでカプセル化(包み)、および伝送することで、通信を行う技術のこと。無線LANユーザーのデータはアクセスポイントからコントローラーへGREトンネルの中を経由して運ばれる。GREトンネルは、RFC1701および 2784で定義されている。

ネットワーク通信の技術

I

用語 説明 用語分類
ICSA(International Internet Computer Security Association)

セキュリティ関連を中心とした調査や研究、各種製品の互換性や信頼性などのテストおよび認定などを行うアメリカの機関のこと。
当初は、NCSA(National Computer Security Association)という名称で1989年に設立されたが、その後1998年1月に現在の名称に変更。1998年5月には日本法人のICSA Japanが設立された。
ArubaOS搭載のコントローラーは、ICSAの認定を受けており、Policy Enforcement Firewall (PEF)機能、RFProtectスペクトラム・アナライザ機能、無線侵入保護などの統合機能や、Wi-Fiクライアントの動作を最適化するためのAdaptive Radio Management(ARM)などをサポートする。

機関/組織

IEEE802.11a

現状の無線LANでIEEE802.11シリーズの6つの規格のうちの1つ。5GHz帯の周波数帯を利用しているため、電波干渉がしにくい。理論値で最大54Mbpsの通信速度。

無線LAN規格

IEEE802.11ac

現状の無線LANでIEEE802.11シリーズの6つの規格のうちの1つ。通信の更なる高速化や電波の混雑による干渉という無線LAN特有の問題の解消も見込め、注目度の高い規格。通信速度は理論値で最大867Mbps~6.93Gbpsで、5GHz帯の周波数帯を利用する。

無線LAN規格

IEEE802.11ax

現状の無線LANでIEEE802.11シリーズの6つの規格のうち最新の規格。これまでの無線LAN規格が最大通信速度の向上を主眼に置いていたのに対し、11axは多数の端末が高密度に存在する環境下での平均通信速度の向上やIoT機器向けの省電力化等も考慮、多様な環境下での無線通信の最適化を目的として策定された規格となる。通信速度は理論値で最大9.6Gbpsで、2.4GHz/5GHz帯の周波数帯を利用する。
Aruba製品も現状で最新の11ax規格に対応している。

無線LAN規格

IEEE802.11b

現状の無線LANでIEEE802.11シリーズの6つの規格のうちの1つ。理論値で最大11Mbpsの通信速度と、現状の無線LAN規格の中で最も遅く、利用の多い2.4GHz帯の周波数帯を利用しているため、電波干渉も起こりやすい。

無線LAN規格

IEEE802.11g

現状の無線LANでIEEE802.11シリーズの6つの規格のうちの1つ。11bと互換性がある。利用の多い2.4GHz帯の周波数帯を利用しているため、電波干渉が起こりやすい。理論値で最大54Mbpsの通信速度。

無線LAN規格

IEEE802.11n

現状の無線LANでIEEE802.11シリーズの6つの規格のうちの1つ。理論値で最大600Mbpsの高速な通信ができるのが特徴。2.4GHz対応なら11b、gと互換性があり、5GHz対応なら11aと互換性がある。

無線LAN規格

IEEE802.1x認証 (IEEE802.1x authentication)

無線LANを利用するクライアントと、無線LANアクセスポイントの双方でIEEE802.1xプロトコルを使用し、認証には、RADIUSサーバーを利用することで、無線LANの利用において認証機能を付加すること。
802.1x認証を利用すれば、未認証のクライアントから送信されたパケットをネットワークに流さず、不正アクセスを排除できる。802.1x認証では、アクセスポイント はオーセンティケータと呼ばれ、クライアントはサプリカントと呼ぶ。アクセスポイントは、クライアントからの認証要求を一度終端し、認証データをRADIUS プロトコルを使って認証サーバーへ転送する。クライアントから見ればアクセスポイントが認証を行なっているように見えるが、実際に認証を行なっているのはネットワーク上にある認証サーバー。アクセスポイントで一度終端するメリットは、クライアントが認証済みか未認証か、および、認証に成功したか失敗したかをAP が把握でき、認証要求以外のパケットを有線ネットワークに転送すべきか否かを確実に判断できること。さらに、認証サーバーを使うことによって、どこのアクセスポイントへアクセスしても、同じログイン情報が利用できる。802.1x の認証では、EAP(Extensible Authentication Protocol)が用いられ、そのタイプにはEAP-TLSEAP-TTLSPEAP などがある。

認証方式

M N O

M

用語 説明 用語分類
MIMO(Multiple Input Multiple Output)

複数のアンテナを組み合わせてデータ送受信を行う高速無線通信技術。例えば、2x3MIMOは送信アンテナ2つ、受信アンテナ3つ、という意味。

無線LAN通信の技術

P Q R

P

用語 説明 用語分類
PEAP(Extensible Authentication Protocol Protected Extensible Authentication)/EAP-PEAP (Protected Extensible Authentication Protocol)

IEEE802.1x認証に対応している認証プロトコルのEAP(Extensible Authentication Protocol )に対応し、認証を行うサーバー側で電子証明書を発行して、無線LAN端末側は証明書を使用せず、その代わりにユーザー名とパスワードを使用して認証を行う認証方式。EAP-TTLSと認証手順および認証方式がほぼ同じだが、EAP-PEAPは、Windows7には標準搭載している。

認証方式

Q

用語 説明 用語分類
QoS(Quality of Service)

ネットワーク上で、ある特定の通信用にネットワーク帯域を予約することで、一定の通信品質を保証する技術。有線LANの場合と同様に、無線LANでIP電話などの音声通話(VoWLAN)を利用する場合、他のトラフィックと混在する環境では、音声パケットの処理を優先させないと品質の良い通話ができない。Arubaのモビリティ・コントローラーでは、独自のQoS機能と、IEEE802.11e規格を使ったQoSの、2種類がサポートされている。

ネットワーク技術

S T U

S

用語 説明 用語分類
SDM (Spatial Division Multiplexing)

空間分割多重のこと。MIMOでは、伝送速度を向上させるために空間多重方式を採用している。空間多重では、無線LANアクセスポイントの送信アンテナ数毎に複数の情報信号 (信号ストリーム) を同時に送信することで、無線空間上にストリームを多重化して伝送し、スループット能力を向上させている。空間多重方式の中でも細かく分類するとさまざまな方式があるが、主には、空間分割多重 (SDM) 方式と、送信ビーム毎にストリームを送信する、固有ビーム空間分割多重(Eigenbeam-Space Division Multiplexing/E-SDM) などがある。

ネットワーク技術

SSID(Service Set Identifier)/BSSID(Basic Service Set Identifier)/ESSID(Extended Service Set Identifier)

ESSID、SSID、BSSIDなど、複数の用語があり、紛らわしいが、ESSIDは、無線LANで使用されるネットワークの識別子で、各ネットワークに固有に設定するネットワーク名のこと。最大32文字までの英数字を設定可能。ESSIDのことを意味してSSIDという呼び方をする場合がある。
BSSIDは、同様に無線LANで使用されるネットワークの識別子ではあるが、48ビットの数値で、通常は無線LANアクセスポイントのMACアドレスと同じものとなる。

無線LANネットワークの識別子

T

用語 説明 用語分類
TKIP(Temporal Key Integrity Protocol )/WPA-TKIP (Wi-Fi Protected Access Temporal Key Integrity Protocol)

無線LANの暗号化方式の規格であるWPAで使用されている、暗号化プロトコルの1つ。TKIPは、脆弱性が指摘されているWEPと同じ暗号アルゴリズムであるRC4(Rivest Cipher 4)を使用してはいるが、WEPの弱点を補っているため、暗号強度はWEPよりも高い。TKIPがWEPから強化された主な点は、暗号鍵の生成に使用されるIV(Initialization Vector/初期化ベクトル)を48ビットとWEPの2倍の長さに強化することで暗号鍵の解読を困難にした点、暗号化に使用される一時鍵の更新を行うことで暗号鍵の漏洩および解読対策を行った点、MACアドレスを暗号鍵の生成に使用するため無線LAN端末ごとに異なる暗号鍵を生成することで安全な通信を行うことができる点、などがポイントとして挙げられる。

暗号化

V W X

W

用語 説明 用語分類
Web認証/ウェブ認証 (Web Authentication)

無線LANで使用されるWeb認証は、ユーザーが、Internet ExplorerなどのWebブラウザを使い、ユーザー名とパスワードを入力して認証を行う認証方式のこと。認証前のクライアントには、Webブラウザでの通信を行えるようにIPアドレスを割当て、認証されないクライアントのアクセスは全てブロックする。Web認証は、企業内での無線LAN利用に限定されず、ホテルや駅などの公共のエリアをはじめとするWi-Fiスポットなどでも広く利用されている認証方式で、機器のバージョンやOSなどを限定せずに、Web ブラウザの経由で認証が可能。認証時のログイン情報を入力できない、無線LAN対応のIP電話機やバーコードスキャナなどは、利用対象外となる。

Web認証の動作概要は以下のとおり。
(1)クライアントにIPアドレスを付与
(2)クライアントから送信されるHTTP/HTTPSパケットを受領後、ポータル画面の出力を促すパケット(リダイレクトなど)を返信
(3)返信されたパケットの内容に従い、ポータル画面へアクセス
(4)ユーザー名とパスワードの入力を行うポータル画面を表示
(5)認証成功時はネットワークへのアクセスが許可され、認証失敗時は(2)の状態に戻る

認証方式

WEP(Wired Equivalent Privacy)

無線LANの通信における暗号化方式の1つ。無線 LAN アクセスポイントと、無線LANクライアント間で、同一のWEP キーを設定し、通信する。暗号鍵の一致により無線LANの通信が可能。WEPの暗号強度はあまり高くなく、暗号鍵を容易に突き止められやすいなど、さまざまな脆弱性も指摘されている。脆弱性対策として、その後、新たな暗号化の技術であるWPAが登場した。

暗号化

WPA(Wi-Fi Protected Access)

Wi-Fiアライアンス(無線LAN規格の推進などを行う団体)が2002年10月に発表した、無線LANの暗号化方式の規格。WPAの登場前に暗号化で幅広く利用されていたWEPの脆弱性を補い、セキュリティの強度を向上した暗号化方式である。WPAでは、WEPで指摘されていた脆弱性対策として、暗号鍵を一定時間毎に自動的に変更する「TKIP」(Temporal Key IntegrityProtocol)という暗号化プロトコルを採用し、暗号鍵の解読を困難にするなどの改善が加えられ、またクライアントごとにユーザーを認証する機能も持っている。

暗号化

WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)

Wi-Fiアライアンス(無線LAN規格の推進などを行う団体)が2004年9月に発表した、無線LANの暗号化方式の規格。WPAをベースに、より強力な暗号化方式のAES(Advanced Encryption Standard)に対応するように改良された。

暗号化

WPA-PSK(Wi-Fi Protected Access Pre-Shared Key)/
WPA2-PSK(Wi-Fi Protected Access 2 Pre-Shared Key)

無線LANの暗号化方式の規格であるWPAおよびWPA2で利用される、暗号鍵のこと。パーソナルモードと呼ぶ場合がある。認証サーバー経由での認証を行うのではなく、暗号鍵を、無線LANアクセスポイントおよび無線LAN端末に事前に設定することで、無線LAN端末の認証を行う。暗号鍵は、パスフレーズと呼ばれ、無線LANアクセスポイントおよび無線LAN端末の共通のパスワードとして、無線LANアクセスポイントに設定し、無線LAN端末が無線LAN利用時に手動で入力する。
ただし、無線LAN端末数の利用が多い大規模なネットワーク環境においては、設定や管理の負担がかかるために、IEEE802.1X対応の認証サーバーを使用し、無線LAN端末の認証を行うことがある。これをエンタープライズモード(WPA/WPA2 Enterprise)と呼ぶ場合がある。

暗号化

WPA-TKIP (Wi-Fi Protected Access Temporal Key Integrity Protocol)/
TKIP(Temporal Key Integrity Protocol )

無線LANの暗号化方式の規格であるWPAで使用されている、暗号化プロトコルの1つ。TKIPは、脆弱性が指摘されているWEPと同じ暗号アルゴリズムであるRC4(Rivest Cipher 4)を使用してはいるが、WEPの弱点を補っているため、暗号強度はWEPよりも高い。TKIPがWEPから強化された主な点は、暗号鍵の生成に使用されるIV(Initialization Vector/初期化ベクトル)を48ビットとWEPの2倍の長さに強化することで暗号鍵の解読を困難にした点、暗号化に使用される一時鍵の更新を行うことで暗号鍵の漏洩および解読対策を行った点、MACアドレスを暗号鍵の生成に使用するため無線LAN端末ごとに異なる暗号鍵を生成することで安全な通信を行うことができる点、などがポイントとして挙げられる。

暗号化

WLAN

Wireless LAN を省略した言い方で、無線LANのこと。

 

あ行

用語 説明 用語分類
アクセスポイント(Access Point)

無線LANアクセスポイントと同じ。

無線LAN利用で必要となる機器

アドホックモード(ad hoc mode)

無線LANの通信方式の1つで、無線LANアクセスポイントを介さずに無線LAN対応端末同士が直接通信を行うモードのこと。同時に複数台の端末との通信も可能。アクセスポイントを介して通信を行うモードは「インフラストラクチャモード」で、この利用方式が一般的に多い。

無線LAN通信の技術

アンテナ利得/アンテナゲイン(antenna gain)

利得とは、アンテナの電波の放射性能を判断するための基準となる数値のこと。数値が大きいほど性能が良いが、指向性(特定の方向への電波放射)が強くなり、幅広い電波放射が難しくなる。

無線LANで使用する単位

用語 説明 用語分類
ウェブ認証/Web認証 (Web Authentication)

無線LANで使用されるWeb認証は、ユーザーが、Internet ExplorerなどのWebブラウザを使い、ユーザー名とパスワードを入力して認証を行う認証方式のこと。認証前のクライアントには、Webブラウザでの通信を行えるようにIPアドレスを割当て、認証されないクライアントのアクセスは全てブロックする。Web認証は、企業内での無線LAN利用に限定されず、ホテルや駅などの公共のエリアをはじめとするWi-Fiスポットなどでも広く利用されている認証方式で、機器のバージョンやOSなどを限定せずに、Web ブラウザの経由で認証が可能。認証時のログイン情報を入力できない、無線LAN対応のIP電話機やバーコードスキャナなどは、利用対象外となる。

Web認証の動作概要は以下のとおり。
(1)クライアントにIPアドレスを付与
(2)クライアントから送信されるHTTP/HTTPSパケットを受領後、ポータル画面の出力を促すパケット(リダイレクトなど)を返信
(3)返信されたパケットの内容に従い、ポータル画面へアクセス
(4)ユーザー名とパスワードの入力を行うポータル画面を表示
(5)認証成功時はネットワークへのアクセスが許可され、認証失敗時は(2)の状態に戻る

認証方式

か行

用語 説明 用語分類
カバレージ/カバレッジ(coverage)

無線LANネットワークでは、無線LANの電波の受信範囲、対象範囲、カバーする範囲のことを意味する。

 

用語 説明 用語分類
キャプティブ・ポータル/Captive Portal

認証方式の1つで、ネットワーク利用時にWebブラウザを経由して認証を行う認証方式。Web認証などの機能をこのように呼ぶ。Web認証の詳細については、Web認証を参照。

認証方式

用語 説明 用語分類
高速ローミング/ファースト・ローミング (Fast Roaming)

高速なローミングを行うことで、無線IP電話機で音声通話(VoIP)を行う際、無線ネットワークが切断されるといった問題を回避し、ユーザー側がストレスなく利用できる。高速なローミングを実現する規格としては、IEEE802.11r がある。ローミングの際に再認証を行わなくて済むようアクセスポイント間で情報交換する仕組み。

ネットワーク通信の技術

コントローラ/コントローラー(Controller)

無線LANアクセスポイントを一元管理、設定するための機器。アクセスポイントとコントローラーは、有線LANにより直接接続か、既存のイーサネット/IPインフラ経由での接続が可能。コントローラーのモデルは、サポートするAPの数、イーサネットまたはギガビットポートの収容数や、プロセッサースピードなどを基準に選択する。Arubaの場合、モビリティ・コントローラーとも呼ぶ。

無線LAN利用で必要となる機器

さ行

用語 説明 用語分類
指向性アンテナ (directional antenna)

無線LANネットワークの電波のカバレージ範囲を特定の方向に定めることが可能なアンテナのこと。

無線LAN利用で必要となる機器

集中管理型 (centralized management system)

アクセスポイントの他に、アクセスポイントを一元管理/設定するコントローラーが構成に含まれる。運用管理が簡単で管理者の負荷が低減するというメリットがある。Aruba製品では、コントローラーアクセスポイントの組み合わせが、これに該当する。

無線LANネットワークの分類

周波数帯/周波数帯域 (frequency band)

無線LANで使用される電波の周波数帯の多くは無線局免許が不要。現状IEEE802.11シリーズの4つの規格で利用されている周波数は、大きく分けて2つあり、2.4Ghz帯および5Ghz帯となる。IEEE802.11aは5GHz帯、IEEE802.11b/gは2.4Ghz帯の利用。IEEE802.11nは、2.4GHz対応なら11b、gと互換性があり、5GHz対応なら11aと互換性がある。
2.4Ghz帯の周波数は、電子レンジ、Bluetoothなどと同時に使用すると、電波が干渉し合い、通信速度の低下やネットワークが切断される場合がある。

 
自律型/自立型 (stand-alone system)

アクセスポイント単独で無線LANの電波を発して、動作することを指す。コントローラーは構成には含まれない。Aruba製品では、小規模向けのインスタント・アクセスポイントのモデルがこれに該当する。

無線LANネットワークの分類

シングルラジオ(Single Radio)/シングルバンド(Single Band)

1つの無線LANアクセスポイントで1つの無線周波数帯に対応していること。

 
スマートデバイス(smart device)

計算処理だけではなく、あらゆる用途に使用可能な多機能端末のこと。一般的には、iPhoneやAndroidフォンなどのスマートフォンや、iPadなどのタブレット、スレートPC(持ち運び型のパソコンの一種。板状のデバイスの前面がすべて液晶画面で、キーボードなどが付属せず画面に指やペンなどで触れて操作するタイプのもの)などの端末を総称する呼び名として用いられている場合が多い。用途としては、Webサイトの閲覧、ネットワーク経由での音声通話や通信によるコミュニケーション、文書の作成および閲覧、多様なアプリケーションの活用などがある。

無線LAN利用で必要となる機器

た行

用語 説明 用語分類
チャネルボンディング (Channel Bonding)

IEEE802.11n規格で採用されている技術。無線LANで使用する周波数帯域で、隣接する2つのチャネル(20MHz幅ずつ)を束ねて通信する技術のこと。従来は、1チャンネル分の20MHz幅で通信していたが、チャネルボンディングにより2チャンネル分の40MHz幅で通信することで、1度に2倍の量のデータを送受信できるため、伝送速度を2倍以上にすることが可能。

無線LAN通信の技術

用語 説明 用語分類
テザリング(tethering)

スマートフォンを無線LANアクセスポイントとして動作させることで、場所を選ばずにノートパソコンやスマートデバイスなどを、ネットワークに接続させることができる機能。携帯電話の通信網を利用して、ネットワークに接続する。

 
デュアルラジオ(Dual Radio)/デュアルバンド(Dual Band)

1つの無線LANアクセスポイントで2つの無線周波数帯に対応していること。

 
電波干渉 (RF interference/radio frequency interference)

無線LANアクセスポイントや、ワイヤレスマウス、電子レンジなどをはじめとする無線電波を発生する機器同士で、電波がぶつかり、お互いに影響を与える現象のこと。無線電波で同一の周波数帯を利用すると、電波干渉が発生する。電波干渉が発生すると、無線ネットワークの通信速度が通常落ちたり、無線ネットワークの接続ができなくなることがある。

 

は行

用語 説明 用語分類
ビーコン信号 (beacon signal)

アクセスポイントがクライアントに対して、その存在を通知する信号。ローミングを行う際に、クライアントは接続するアクセスポイントをビーコン信号をもとに決定する。

 

用語 説明 用語分類
ファースト・ローミング/高速ローミング (Fast Roaming)

高速なローミングを行うことで、無線IP電話機で音声通話(VoIP)を行う際、無線ネットワークが切断されるといった問題を回避し、ユーザー側がストレスなく利用できる。高速なローミングを実現する規格としては、IEEE802.11r がある。ローミングの際に再認証を行わなくて済むようアクセスポイント間で情報交換する仕組み。

ネットワーク通信の技術

ま行

用語 説明 用語分類
無指向性アンテナ (omnidirectional antenna)

四方八方に平等な無線LANネットワークのカバレージを提供可能なアンテナのこと。

無線LAN利用で必要となる機器

無線IP電話 (Wireless IP phone)

無線LANを利用したIP電話のこと。ネットワークは無線LANを利用するので、携帯電話や一般的な固定電話と比較して、通話料がかからず、通信コストが削減できるというメリットがある。

無線LAN利用で必要となる機器

無線LANアクセスポイント(Wireless LAN access point)

ノートパソコンやスマートデバイスなどの無線LAN対応端末について、端末自身にLANケーブルの接続を行わずに(無線で)ネットワークに接続するための機能を提供する機器のこと。アクセスポイントからは無線電波を発し、無線電波経由でネットワーク接続を行う。

無線LAN利用で必要となる機器

無線LAN規格 (Wireless LAN standard)

無線LANは、現状IEEE802.11シリーズで6つの規格があり、周波数の帯域や特長の違いからIEEE802.11aIEEE802.11acIEEE802.11axIEEE802.11bIEEE802.11gIEEE802.11nの規格がある。各無線LAN規格の特徴は各用語を参照。

 

用語 説明 用語分類
メッシュ型ネットワーク (mesh network)

無線LANアクセスポイント同士が相互通信を行い、LAN配線無しでも無線ネットワークを形成することができる技術。メッシュネットワークは、有線の通信インフラの設営が環境的に難しい場所や状況に適しており、例えば、工場などの敷地が広い環境などでの利用が想定される。規格としては、IEEE802.11s がある。

無線LAN通信の技術

用語 説明 用語分類
モバイルWi-Fiルーター (mobile Wi-Fi router)

手のひらに収まる程度の小さな携帯型のネットワーク機器。携帯電話網やWiMAXなどの通信網経由で無線LANを利用可能とするルーターとして機能し、通常バッテリーを内蔵している。モバイルWi-Fiルーターを利用することで場所を選ばずにノートパソコンやスマートデバイスなどを、ネットワークに接続させることができる。

 
モビリティ (mobility)

無線LANの利点は、ユーザーがクライアントを持って自由に移動しながら通信できるという点で、Arubaのコントローラーでは、この移動性(モビリティ)を保証し、モビリティ・コントローラーとも呼んでいる。単体のアクセスポイントを設置しただけの無線LAN環境では、ユーザーは移動のたびに認証が必要であったり、一貫したアクセス制御が行えないなどの問題がある。一方で、Arubaのモビリティ・コントローラーでは、ユーザーの場所、認証結果、権限、通信状況などを一元管理し、ユーザーが異なるアクセスポイントに移動しても、一貫した制御が行える。制御は認証結果に基づいて行えるため、ユーザーがどのような権限を持っているのか定義しておけば、ネットワーク全体に渡って適用される。大規模な環境で複数のモビリティ・コントローラーを利用している環境であっても、1つのモビリティドメインとして扱い、ユーザーにモビリティを提供する。モビリティ・コントローラーは、LANケーブルを排除しただけの無線LANではなく、シームレスなモビリティ環境を企業ネットワークに提供するシステム。

 

ら行

用語 説明 用語分類
ローミング (roaming)

無線LANを利用しているクライアントが場所を移動し、接続していたアクセスポイントとの通信が途切れた際に、接続設定をし直さずに、自動的に他のアクセスポイントに接続が切り替わる動作のこと。アクセスポイントはクライアントに定期的にビーコン信号アクセスポイントがクライアントに対してその存在を通知する信号)を送信し、クライアントはビーコン信号をもとに、ローミングさせるアクセスポイントを決定する。ローミングを有効にするためには、対象のアクセスポイントSSIDは同じ設定というのが前提。

無線LAN通信の技術

セキュア無線LANシステム Arubaシリーズ コンテンツ一覧

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