日立ソリューションズは、社会生活や企業活動を支えるソリューションを提供し、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。

ニュースリリース

2020年3月30日
株式会社日立ソリューションズ

国内初、イーサリアムのブロックチェーン基盤である「PegaSys Plus」を販売開始

コンセンシス社と協業し、人手を介さず安全な取引を可能にする分散型アプリの開発を効率化

 株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:星野 達朗/以下、日立ソリューションズ)は、ConsenSys AG.(本社:スイス、Founder and CEO: Joseph Lubin/以下、コンセンシス社)の企業向けイーサリアム(Ethereum)*1のブロックチェーン基盤「PegaSys Plus(ペガシスプラス)」について、国内初の販売代理店契約を締結し、4月1日から販売開始します。
 日立ソリューションズとコンセンシス社は協業し、「PegaSys Plus」を活用した分散型アプリケーション開発環境の導入から構築、運用、教育までをトータルにサポートするソリューションを提供していきます。

*1 ブロックチェーン上で、取引記録を実現させる分散型アプリケーションを構築するプラットフォーム

■ 背景

企業がデジタルトランスフォーメーションを加速させる中、分散型台帳技術とも称されるブロックチェーンが、ビジネスモデル変革の手段として注目を集めています。近年では、金融をはじめ、医療・産業・流通・小売など、さまざまな分野で実証実験が始まり、実用化に向けた期待が高まっています。
 ブロックチェーンは、ユーザー同士の取引データを分散して管理する仕組みです。記録を共有し、検証し合うので、記録改ざんや不正取引を防ぐことができ、また、取引記録を集中管理する大規模コンピューターが不要なため、運営コストが割安なのが特徴です。
 一方、ブロックチェーン技術を支える基盤はオープンソースが中心であり、さまざまな種類が乱立している状況で、それぞれの基盤が抱える課題も多く、実際にビジネスに適用する際も課題が存在します。
 そこで日立ソリューションズは、グローバルで実績があるイーサリアムプロトコルをベースに、アプリケーション開発を支援する企業向けのブロックチェーン基盤として、コンセンシス社の「PegaSys Plus」を販売することにしました。

■ 「PegaSys Plus」について

 分散型アプリケーションの構築環境を提供するイーサリアムブロックチェーンプラットフォームです。企業ユースで必要な信頼性、使いやすさ、セキュリティを備えています。

1. パブリックとプライベートブロックチェーンネットワークの両方に対応した企業向け基盤

 「PegaSys Plus」は、Hyperledger Besu*2に基づいて構築された商用ライセンスのイーサリアムクライアントです。本番環境でクライアントをより適切に管理できるように設計され、セキュリティ構成、イベントストリーミング、高度な監視などの追加のエンタープライズ機能を提供します。

2. データベースを暗号化し、セキュリティを確保

 ブロックチェーンの内部データベースを暗号化して、保存中のデータを保護します。暗号化キーは、キーストアまたはボールト*3(Hashicorp Vaultなど)に安全に保持されます。これにより、ハッカーが改ざんを試みた場合、たとえデータにアクセスできたとしても、暗号で保護されているため読みとることができません。

3. ネットワークの通信状況をリアルタイムに把握でき、取り引きの信頼性を確保

 リアルタイムでメトリック*4を監視および測定して、ネットワーク内の検証ノード*5の状態を表示します。ノードがブロック*6を最後に生成したときやパフォーマンスの低下などのメトリックを測定することで、リアルタイムに状況を把握し、ビジネスに影響を与える前に問題を解決できます。

4. イベントをリアルタイムで追跡し、ネットワークの可用性を確保

 ネットワークに到着したトランザクションがブロックに含まれた時、またはドロップした時など、ブロックチェーンでイベントが発生するとリアルタイムで追跡し、チームメンバーに特定のイベントを通知します。ストリーミングプラットフォームを使用して、websocket*7ベースのイベントを監視し、スケーラブルで信頼性の高いイベントトラッキングを可能にします。

*2 企業が開発しやすいように、プライベートなコンソーシアムネットワーク(Permissioned Blockchain network)とパブリックネットワークどちらにも対応し、Proof of WorkやProof of Authorityが利用可能なJavaで実装したイーサリアムクライアント

*3 機密情報を管理するためのソフトウェア。機密情報を統合的に一貫して管理しアクセスコントロールするもの

*4 コンピューターネットワークにおける通信相手までのパス(経路)の距離

*5 ネットワークにつながっているコンピュータ機器

*6 取引のデータ(履歴)を「トランザクション」と呼び、そして、複数のトランザクションをまとめたものを「ブロック」と言う

*7 Webにおいて双方向通信を低コストで行うための仕組み、プロトコルの一種

■ 「PegaSys Plus」を活用した分散型アプリケーションの特長

「PegaSys Plus」を活用することで、ブロックチェーンのメリットを活かした取引基盤を構築することができます。この基盤上では、デジタル資産(使用権があるデジタル化されたデータ)の取引や金融商品のデジタル化、ポイントや電子クーポン、サプライチェーンマネージメント、所有権や履歴、または原本証明など、さまざまな分野での取引に関する業務を効率化することができます。
 「PegaSys Plus」は、他のオープンソースのブロックチェーン基盤とは異なり、コンセンシス社の製品サポートを受けることができるブロックチェーン基盤であるため、安心して利用できます。
 分散型アプリケーションは、ブロックチェーンのすべての参加者側で動作し、自動的に検証されるため不正な取引が行えません。人手を介さずピアツーピアの取引を可能にします。
 日立ソリューションズは、「PegaSys Plus」の導入から、分散型アプリケーションの開発、構築、運用、教育までをトータルに支援するソリューションとして提供していきます。

■ コンセンシス社 Founder and CEO Joseph Lubin氏からのエンドースメント

 "I'm thrilled to be able to announce the partnership between Hitachi Solutions and ConsenSys. We think Japan has the potential to be one of the fastest growing blockchain markets in the world over the coming years, and I am eager to drive that growth with Hitachi. We are committed to bringing our stack of products to Japan and working with the best partner possible to make Japan a global leader in the space."
(和訳)
 「日立ソリューションズとの協業の発表に胸を躍らせております。日本は今後数年間で、世界で最も急速に成長するブロックチェーン市場の1つになる可能性があると考えており、日立ソリューションズとその成長を促進させていくことを熱望しています。当社の製品を日本へ提供し、素晴らしいパートナーとして協力していくことで、日本がこの分野のグローバルリーダーなれるように専心していきます。」

■ 価格

個別見積

■ 販売開始時期

2020年4月1日

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<報道機関からのお問い合わせ先>

担当部署:経営企画本部 広報・宣伝部
担当:安藤、廣納(ひろのう)
TEL:03-5479-5013  
E-mail:koho@hitachi-solutions.com

※ 記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

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