日立ソリューションズは、社会生活や企業活動を支えるソリューションを提供し、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。
2021年3月16日
神戸市
株式会社日立ソリューションズ
日立ソリューションズのプライバシー情報匿名化ソリューションを活用
兵庫県 神戸市(市長:久元 喜造)は株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:星野 達朗/以下、日立ソリューションズ)とともに、オープンデータの推進に向けて、より価値の高いデータ提供を可能にするため、個人を特定できないような匿名化したデータを作成する実証実験を行い、分析への使用の有用性を確認しました。
実証実験で採用した日立ソリューションズの「プライバシー情報匿名化ソリューション」の技術は、データの利用価値を保持したまま、高い匿名性を実現するk-匿名化 を行い、パーソナルデータを個人情報保護法に則って安全に利活用できるよう支援するものです。神戸市は日立ソリューションズの協力のもと、統計情報から作成した個票形式のサンプルデータに、同じ属性を持つデータが複数件存在するようにk-匿名化を施し、k-匿名化後のデータを利用して基本的な人口や人口動態を分析し、有用な結果が出ることを確認しました。
また、今回の実証実験でk-匿名化を行ったデータの1つをより活用しやすい統計情報に集計し、オープンデータ として公開しました。
図:オープンデータ化による市民サービスの向上のイメージ
総務省では、地方公共団体などが保有しているデータを有効活用し、住民サービスの向上や政策立案に役立てることを推奨しています。また、地方公共団体オープンデータ推進ガイドラインによると、政府、独立行政法人、地方公共団体等が保有する公共データについては国民共有の財産であるとの認識に立ち、オープンデータとして積極的に公開し、利活用を促進していくことが求められています。
神戸市では、さまざまなデータをBIツールで分析し、部局・分野横断的に活用することで、サービス向上に生かしてきました。また、オープンデータの整備にも力を入れてきました。
一般的に、集計された統計情報より1件1行の個票形式の方が分析に適していますが、個人を特定できない状態に匿名化することは時間的、技術的に困難な状況でした。
そこで、神戸市は日立ソリューションズの協力を得て、統計情報から作成した個票形式のデータに匿名化を施し、分析精度に影響がないことを検証することにしました。
匿名化したデータを利用して分析した結果が、匿名化していないデータの分析結果と比較して、割合などの傾向を把握するのに十分な精度であることを確認する。
2. 期間 2020年7月31日~2020年10月15日・日立ソリューションズが、データの匿名化を実施する環境の構築を行い、神戸市と共同で住民基本台帳に基づく統計情報から作成した個票形式のサンプルデータについて、匿名化処理を実施
・匿名化処理の実行基盤として分散処理技術「Hadoop」を利用し、大量データを高速・効率的に処理
・日立ソリューションズが独自に開発したデータ匿名化ソフトウェア「Privacy Data Anonymizing Platform」を利用したk-匿名化処理を実施
・k-匿名化処理だけではk値を満たすことが難しい特異なデータについては、データ項目をカテゴライズするなど工夫し、k値を満たすデータを作成
・作成したデータについては、住民基本情報の分析に適したデータであることを神戸市が評価し、詳細なデータ分析ではなく割合などの傾向を分析するには、十分な精度であることを確認できました。
・実証実験でk-匿名化を行ったデータについて、より活用しやすい統計情報として全く同じ属性を持つものを集計し、オープンデータとして公表しました。
神戸市では、今回の成果も参考にオープンデータ化を進めていき、さらなる市民サービス向上に取り組んでいきます。また、日立ソリューションズでは、クラウド上でのデータ利活用やオープンデータ化が今後も進んでいくことを見据えて、プライバシー情報匿名化ソリューションのさらなるサービスの拡充を進めていきます。
神戸市では、オープンデータの蓄積・公開を推進し、市民・事業者とICTを活用して地域課題を解決するオープンガバメント社会の構築を支援しています。
神戸市オープンデータポータル「Open Data Kobe」
URL: https://data.city.kobe.lg.jp/
プライバシー情報匿名化ソリューションとは、企業・組織内に蓄積されたパーソナルデータを匿名化して、安心・安全に利用しやすくするためのソリューションです。パーソナルデータを利活用する際、氏名などの一部の情報を削除するといった単純なマスキングなどだけでは、まだデータから個人が特定されるリスクが残ります。株式会社日立製作所が開発した独自技術に基づくk-匿名化を施すことで、データの匿名性を高めるだけでなく、分析に必要な情報をできる限り残すことができ、安心かつ有効にデータを利活用できます。
本ソリューションは、データ匿名化ソフトウェア「Privacy Data Anonymizing Platform」と、パーソナルデータから個人が識別されるリスクなどを評価する支援サービスから構成されます。
担当部署:経営企画本部 広報・宣伝部
担当:廣納(ひろのう)、安藤
E-mail:koho@hitachi-solutions.com
※ 本文中に記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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