日立ソリューションズは、社会生活や企業活動を支えるソリューションを提供し、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。
2023年8月30日
株式会社日立ソリューションズ
環境先進国ドイツのAIを用いた製造業向け製品ライフサイクルソフトウェア「Makersite」を国内初提供
株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:山本 二雄/以下、日立ソリューションズ)は、製造業の脱炭素に向けて、課題抽出から、製品・企業・サプライチェーンにおけるCO2排出量の把握や予測、ESGにおけるサプライヤーの評価まで、先進的で実績ある欧米や日本の5つの製品・サービスでトータルに支援する「サプライチェーン脱炭素支援ソリューション」を、8月31日より提供開始します。
その一環として、製品やサプライチェーンのCO2排出量を高精度かつ詳細に自動報告や分析をすることで、大規模な脱炭素化を支援する「Makersite」を提供するMakersite GmbH(本社:ドイツ シュトゥットガルト、Founder and CEO:Neil D’Souza)と日本初の販売代理店契約を締結しました。
企業は本ソリューションで、SCOPE1~3 を含め、製品や企業、サプライチェーン全体でのLCA 、GHG* プロトコルへの準拠状況の報告、CO2排出量の算出が可能になります。企業の業態に合わせてカスタマイズし、複雑な計算に対応できるシステムや、テンプレートで簡単にカーボンフットプリントを算出できるツールなど、予算や目的に応じて選択できます。さらに、サプライチェーンの調達・生産能力を加味した供給量、売上や利益の目標値と合わせたCO2排出量をシミュレーションできます。
加えて、専門家がグローバルスタンダード基準で、サプライヤーをESGの観点から評価するサービスや、課題の抽出から優先順位付けまでをバックキャスティングで行うコンサルティングサービスも利用できます。
日立ソリューションズは、日立グループのグリーン戦略の一環として本ソリューションを提供し、Lumada ソリューションとの連携により、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の実現に貢献していきます。
図:サプライチェーン脱炭素支援ソリューションの概要
日本政府は、2050年までにCO2排出量を全体としてゼロにするカーボンニュートラルをめざすことを宣言し、2023年に発表した「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書統合報告書」では、「パリ協定での気温上昇を1.5℃又は2℃に抑える目標を達成できるかは、今後10年の排出削減水準によって決定する」 と報告しました。このような背景のもと、規制改革や規格・標準化、金融市場を通じた需要創出など、さまざま提言や取り組みが加速しています
国際的にも、金融安定理事会(FSB)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォースは、2022年に発行したTCFD ガイダンス3.0において、「すべての組織に対してスコープ 3 GHG 排出量の開示を強く奨励する」と示しました。SCOPE3は、自社で使用したエネルギー以外のサプライチェーンのCO2排出量を示す指標であり、企業は原料調達、製造、物流、販売、廃棄、使用などのサプライチェーン全体の算定・報告を行う必要があります。
このような中、グローバルにサプライチェーンを構築し、事業を展開する製造業は、国内のCO2排出量の約3分の1を占めており、早急な対策が経営課題になっています。その一方で、企業への制約は法的な拘束力を持たないソフトローが主体であり、企業は何から手を付けるべきかを判断できない状況です。
日立ソリューションズはこれまで、製造業を中心に、サプライチェーンにおける供給量や売上、利益、CO2排出量をシミュレーションし、予測できる「グローバルSCMシミュレーションサービス」を提供し、企業よりさまざまな課題をヒアリングし、調査してきました。また、JEITA(電子情報技術産業協会)が事務局を務めるGreen×Digitalコンソーシアムにも参画し、業種を超えてCO2排出量削減に向けた実証実験やフレームワークの策定に貢献しています。
これらの知見とノウハウを活用し、日立ソリューションズは、製造業のカーボンニュートラルの実現をトータルに支援するソリューションを提供することとしました。
1.お客様の課題や予算に応じて、システム構築から簡単に操作できる計算ツールまで、柔軟に提供
製造業において豊富な実績を有する日立ソリューションズの技術者が、お客さまの課題や予算に応じて、適切な製品・サービスを提案します。既存システムとの連携やデータ移行など、導入作業も支援します。また脱炭素をどのように進めるべきかを悩んでいる企業に対し、未来の社会や業界動向を考慮し、バックキャスティングで課題を抽出し、優先付けする「SX/DX未来創造型ワークショップ」を提供します。
2.SCOPE1から3まで、製品や企業、サプライチェーンの単位でCO2排出量を算出・シミュレーションし、削減効果の評価やカーボンプライシングを支援
「Makersite」では、電力、燃料、熱、廃棄物などを各部門、拠点から収集して環境情報データベースで一元管理して可視化することができます。AIを活用した原材料情報の分析機能を適用することで、材料別のCO2排出量や標準的なコスト情報を取得することも可能です。
また、「グローバルSCMシミュレーションサービス」では、サプライチェーン全体のCO2排出量上限(排出枠)を制約条件として定義し、排出枠の範囲内で全体売上・利益が最大となる販売・供給計画を立案できるため、カーボンプライシングの活用に向けた試算も可能です。
さらに、製品あたりCO2排出量の計算を支援するコンサルテーション及び表計算ツールからなる「カーボンフットプリント算定支援」も提供します。
3. サステナビリティの観点からサプライヤーを評価
EcoVadisのサステナビリティ評価は企業のサステナビリティパフォーマンスを0から100で評価し、4つのテーマ(「環境」・「労働と人権」・「倫理」・「持続可能な調達」)から21 のサステナビリティ基準を用いて評価します。評価を受審したサプライヤー企業は自社の改善点や強みを確認することで、レジリエンスの強化や企業価値の向上を図ることができます。
製品名 | 製品概要 | 適用範囲 | 提供企業 |
---|---|---|---|
EcoAssist-Enterprise-Light | さまざまな環境情報を、海外を含む多拠点から収集し、環境情報データベースで一元管理 | 環境情報データベース | 株式会社日立製作所 |
【NEW】 Makersite |
AI活用 LCA脱炭素プラットフォーム | LCAおよび製品あたりCO2排出量計算 | Makersite GmbH (ドイツ) |
【NEW】 Ecovadis |
サプライヤー企業のサステナビリティ評価と管理 | サプライヤー管理強化・改善 | EcoVadis SAS (フランス) |
グローバルSCMシミュレーションサービス | 近未来および将来のCO2排出量シミュレーション | 削減に向けた未来予測、削減効果評価 | 株式会社日立ソリューションズ |
【NEW】 カーボンフットプリント算定支援 |
製品あたりCO2排出量(カーボンフットプリント)計算支援コンサルテーションおよび表計算テンプレート提供 | 製品あたりCO2排出量計算 | 株式会社日立ソリューションズ |
【NEW】 SX/DX未来創造型ワークショップ |
企業内に対し脱炭素やDX実現に向けた情報提示・価値創造を行うワークショップを提供 | 取り組みに悩む企業の課題の整理 | 株式会社日立ソリューションズ |
BOM情報から得られる製造業者の原料、プロセス、サプライヤーに関する一連の情報を、AIにより不足する情報を補った上で、画面上に展開します。また、LCA(ISOやPEF
など)およびスコープ3の温室効果ガス(GHG)プロトコルの国際基準に準拠し、排出量を計算できます。さらに、サプライヤーや原料の変更による排出量のシミュレーションや、販売目標や供給量に基づいたCO2の予測も行うことが可能です。”I am extremely excited about our partnership with Hitachi Solution, as it signifies a significant step forward in our mission to decarbonize the manufacturing industry. Together, we are providing holistic support solutions that enable businesses to gain a comprehensive understanding of their CO2 emissions in products, organizations, and supply chains. By leveraging our advanced analytics and decision-support capabilities, we empower companies to make informed decisions and drive sustainable practices looking at not just CO2, but cost, compliance and risks.”
(和訳)
「日立ソリューションズとのパートナーシップは、製造業の脱炭素化という我々のミッションにおいて大きな前進を意味するものであり、大変嬉しく思います。私たちは、製品、組織、サプライチェーンにおけるCO2排出量を企業が包括的に理解できるよう、総合的に支援するソリューションを提供していきます。私たちの高度な分析と意思決定支援能力を活用することで、企業が十分な情報に基づいた意思決定を行い、CO2だけでなく、コスト、コンプライアンス、リスクも考慮した持続可能な活動を推進できるようにします。」
EcoVadisは持続可能なサプライチェーン実現のためのソリューションとして、サプライヤー企業のベンチマーク化と改善点を分析するサステナビリティ評価から、サプライベースのリスクを迅速に測定するIQ Plus、スコープ3の脱炭素化を促すカーボンアクションモジュール、サステナビリティ促進について学べるEcoVadis アカデミーまで、これらを包括的なソリューションとして提供します。サステナビリティ評価は、専門のアナリストがエビデンスに基づき、実用性と信頼性の高いスコアカードとして環境・社会・倫理リスクに関する詳細な知見を提供します。すべての企業規模に対応し200以上の業種と175ヶ国で活用されています。
「グローバルサプライチェーンの持続可能性に関する評価を行う第三者機関として、サプライヤー企業の管理強化や改善は、企業にとって重要課題であると認識しています。世界のサプライチェーンの7割を占める中小企業で、CO2排出量に関する報告が行われているのは2割に満たないという現状において、日立ソリューションズとのパートナーシップは、サプライチェーンにおける情報公開の底上げ及びエンゲージメントに大きく貢献するものと期待しております。」
製品あたりCO2排出量(カーボンフットプリント)を簡易的に算定するためのMicrosoft Excelのテンプレートです。日立ソリューションズは業種や企業ごとの状況に合わせてカスタマイズし、提供します。導入教育を行い、企業の担当者が業界のルール変更などに対応し、自分たちで柔軟に運用できる環境構築を支援します。
個別見積
URL:https://www.hitachi-solutions.co.jp/smart-manufacturing/sp/products/carbon_neutrality/
・グローバルSCMシミュレーションサービス
URL:https://www.hitachi-solutions.co.jp/globalscm/
・ 環境情報管理ソリューション「EcoAssist-Enterprise-Light」
株式会社日立ソリューションズ 経営戦略統括本部 経営企画本部 広報部 [担当:大鳥、安藤]
〒140-0002 東京都品川区東品川4-12-7
E-mail:koho@hitachi-solutions.com
※ 本文中の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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