日立ソリューションズは、社会生活や企業活動を支えるソリューションを提供し、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。

ニュースリリース

2024年1月10日
株式会社日立ソリューションズ

SDVに向けたモデルベース開発用のテスト自動化製品の最新版を提供開始

既存のHILS、実車とMILS、SILSのテスト結果を自動比較し、上流工程でフロントローディングを実現

 株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:山本 二雄/以下、日立ソリューションズ)は、SDV*1に向けて欠かせない、車載ソフトウェアのシステム開発手法であるモデルベース開発のテスト工程を効率化する「モデルベース開発ソリューション」の「時系列データ自動テストソフトウェア」最新版を1月11日から提供開始します。
  これまで本製品は、MILS*2環境やSILS*3環境において、熟練者が目視で確認していたテスト結果を既存のテスト結果と自動比較し、テスト工程の工数削減と品質向上を実現してきました。
  最新版では、実機相当テストのシミュレーションができるHILS*4環境のテストにおいても、時間の推移とともに変化する加速度、車速、トルク*5などの時系列データの理想値とテスト結果を、相関係数と許容誤差を用いて自動比較することが可能になります。
  これにより、HILSや実車で検証済みの既存のテスト結果と、新たに開発するモデルのテスト結果を自動比較し、品質劣化の確認や対象モデルの継続的な改善が可能です。上流工程で本ソフトウェアを実行することで、フロントローディング*6により設計工程における問題点やリスクを早期に摘出し、さらなる工数削減と品質向上を実現します。
  日立ソリューションズは、今後も車載ソフトウェアの開発を通じて、より安全で快適な人と車が調和するスマートモビリティ社会の実現を支援することでSX(サステナビリティトランスフォーメーション)に貢献していきます。

図1:「モデルベース開発ソリューション」の「時系列データ自動テストソフトウェア」最新版の特長
図1:「モデルベース開発ソリューション」の「時系列データ自動テストソフトウェア」最新版の特長

*1 :SDV(Software Defined Vehicle)ソフトウェアによって自動車の機能がアップデートされることを前提に設計・開発された車

*2 :MILS(Model In the Loop Simulation)関数単位や処理ブロック単位での検証(テスト)用に使われるシミュレーション環境

*3 :SILS(Software in the Loop Simulation)実機相当テストをPC上でシミュレーションする環境

*4 :HILS(Hardware in the Loop Simulation)実機を仮想的に再現した環境

*5 :エンジンやモータの性能の指標とされる回転させる力の大きさ

*6 :開発工程において、できる限り早い段階で問題点やリスクを洗い出し、初期段階から品質を高めること

■ 背景

自動運転システムや電気自動車、コネクテッドカーなどの市場規模が飛躍的に拡大しており、車載ソフトウェアは大規模かつ複雑化しています。設計の不備などを早期に発見し修正することができるモデルベース開発は、SDVに向けて、車載ソフトウェア開発の効率性、柔軟性、品質向上に欠かせない手法です。
  開発工程では、まず、MILS環境において、制御開発(制御設計、モデリング、制御テスト)のシミュレーションやシステムの挙動を確認し、SILS環境でソフトウェア開発(ソフトウェア設計、コーディング、単体テスト)の動作確認を行います。その後、HILS環境(実機環境)で検証(結合テスト)を行います。HILS環境は、ハードウェアとソフトウェア統合による通信遅延などの問題も発見できますが、高価なため企業の保有台数が少なく、従来上流工程のMILSやSILS環境のテストで下流工程のテストを減らすことが一般的でした。SDVでは頻繁にソフトウェア変更が発生するため、HILS環境を含めたテスト効率化が喫緊の課題でした。
  日立ソリューションズは、長年にわたり車載機器や組み込みシステム、通信基盤のソフトウェア開発を支援してきた豊富な実績があります。また、MILSやSILS環境のテストにおいて、目視で行っていたデータ変化を自動分析する「時系列データ自動化テストソフトウェア」を提供してきました。そこで培ってきたノウハウを生かし、車載ソフトウェアの開発やテストのさらなる効率化を支援するため、HILSで行っていたテストにも対応できる製品の最新版を販売します。

■「モデルベース開発ソリューション」最新版の特長

1. HILS環境のシミュレーションテストの自動化を実現し、工数削減と品質向上を実現

  MILSとSILS環境の自動テストによる評価をHILS環境にも対応しました。熟練者が目視で確認してきた、時間で変化する加速度、車速、トルクなどの波形の一致性を自動で比較して評価できるものです。ハードウェアの性能や通信遅延などの影響も含めて評価できるため、属人的な工程を削減し、さらなる工数削減によるテスト効率化を実現します。

2. 既存の実車で検証済みのテスト結果と次期開発のテスト結果を自動判定し、手戻り防止と効率向上を実現

  HILS環境のテスト結果の自動判定に対応したことで、開発の基盤となる車両の実車で検証済みのテスト結果と次期開発のMILS、SILS、HILSのテスト結果を自動判定し、品質劣化がおきていないか、上流工程で評価できるようになりました。早期の問題発見やソフトウェアの柔軟な変更が可能となり、開発プロセス全体の工数削減とコスト低減が期待でき、市場投入までの期間短縮にも貢献します。

図2:「モデルベース開発ソリューション」の時系列データ自動テストソフトウェア最新版のイメージ
図2:「モデルベース開発ソリューション」の時系列データ自動テストソフトウェア最新版のイメージ

■ 稼働環境

Windows10(64ビット版、32ビット版)

■ 提供開始日

1月11日

■ 価格

個別見積

■「モデルベース開発ソリューション」について

■ 出展情報

展示会名:「オートモーティブ ワールド2024」 第1回 SDV EXPO 車載ソフトウェア開発展
会期:2024年1月24日(水)~26日(金)
会場:東京ビッグサイト(東ホール展示棟 E47-37)
URL:https://www.automotiveworld.jp/tokyo/ja-jp/about/sdv.html

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<報道機関からのお問い合わせ先>

株式会社日立ソリューションズ 経営戦略統括本部 経営企画本部 広報部 [担当:多田、安藤]
〒140-0002 東京都品川区東品川4-12-7
E-mail:koho@hitachi-solutions.com

※ 記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

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