宝印刷株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:堆 誠一郎/以下、宝印刷)は、上場企業等のディスクロージャー支援サービス「X-Editor」と財務諸表をXBRL(*1)化するための「XBRLツール」の次世代システム提供基盤に、マイクロソフト株式会社(本社:東京都渋谷区、代表執行役 社長:樋口 泰行/以下、マイクロソフト)のクラウド コンピューティング プラットフォームMicrosoft(R) Windows(R) Azure(TM) Platform(*2)を採用しました。システム構築にあたっては、株式会社日立システムアンドサービス(本社:東京都港区、執行役社長:林 雅博/以下、日立システム)が検証段階から技術支援を行いました。
*1:XBRL(eXtensible Business Reporting Language)は、XMLをベースにした各種財務報告書の情報を取り扱うグローバル標準フォーマットです。
*2:Windows Azure Platformは、マイクロソフトのデータセンターをベースに、お客様にインターネット経由でコンピュティングリソースを提供するクラウド コンピューティング プラットフォームで、クラウド オペレーティングシステムであるWindows Azureとクラウド データベースであるSQL Azureなどが含まれます。お客様は、必要に応じて必要な分だけコンピューティングリソースを利用する事が可能なだけでなく、現在利用中の自社運用(オンプレミス)環境にあるサーバーやソフトウェアとクラウドをシームレスに組み合わせて運用する事が可能です。
今回のシステムでは、マイクロソフトがWindows Azure Platformに関する技術情報を提供するとともに、日立システムが提供する企業内システムとクラウドコンピューティングを最適に組み合せる「ハイブリッドインテグレーション」を適用し、企業システムをWindows Azure Platform上に構築するためのノウハウを提供することで、Windows Server(R)上で動作する.NETベースの既存アプリケーションを短期間でクラウド上に実装することができました。また、お客様のニーズに沿ってデータベースは国内の自社運用型システムに配置したまま、利用ピークが限られるアプリケーション部分をクラウド上に配置するハイブリッド方式のクラウドシステムを構築しています。これは、オンプレミスとサービスをシームレスに組み合わせ、お客様にとって最適なシステムを「ソフトウェア+サービス」の考え方に基づき具体化したシステムです。
「X-Editor」および「XBRLツール」は、上場企業等が金融庁の電子開示・提出システムEDINETを通じて電子提出することが義務づけられている有価証券報告書等の作成を、オンライン上で編集から完成までサポートする宝印刷のディスクロージャー支援サービスです。同サービスでは、報告書作成に関わる処理が四半期ごとに大きなピークを迎える事から、ピーク時に合わせた大規模な設備が必要となり、そのためのコストや工数が増加していました。
そこで、宝印刷は、マイクロソフトのクラウドベースでの企業向けオンラインサービスMicrosoft Business Productivity Online Suite(BPOS)の販売および導入支援で豊富な実績を有する日立システムとともに、クラウド コンピューティング プラットフォームの導入により、こうした課題を解決し、提供するサービスの品質向上を図ることを目的に、2009年8月より検証システムの開発を進めてきました。
検証システムは、スケーラビリティと柔軟性を備えたプラットフォーム サービスであるWindows Azureと、管理性に優れカスタマイズ可能なWindows Serverベースの自社運用システムを組み合わせたハイブリッド方式のクラウドシステムを構築する事で、システム運用に関わるコストおよび工数を削減した事に加え、処理量の変動に柔軟に対応したシステム資源の利用による効率的な運用を可能にしました。これにより、「X-Editor」および「XBRLツール」は、従来どおり高いセキュリティを保ったまま、利用ピーク時のレスポンス改善など、サービスレベルの向上が可能であることを実証しました。
今後も、宝印刷は、情報の拡大とスピードに対応したディスクロージャー支援サービスの発展への寄与を通して社会へ貢献していくべく、「e-Disclosure」ソリューションを推進していきます。
日立システムとマイクロソフトは、ITの側面から宝印刷の掲げる「e-Disclosure」ソリューションの実現を支援していきます。
参考:X-Editorシステム概念図
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