福岡倉庫株式会社様 次世代マルウェア対策製品 CylancePROTECTの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

次世代マルウェア対策製品 CylancePROTECT®の導入事例

福岡倉庫株式会社様

海外引越サービスの個人情報保護をAIベースの次世代マルウェア対策で強化

海外引越サービスに強みを持つ福岡県の物流企業、福岡倉庫株式会社は、迷惑メール内のURLリンクや添付ファイルなどから感染するランサムウェアにも対応できるエンドポイントセキュリティ対策をめざして、AIベースの検知エンジンを搭載した次世代マルウェア対策製品「CylancePROTECT」を採用しました。従来のパターンマッチング方式の製品に比べてマルウェアを高精度に検知できるようになったと同時に、お客様にもコンプライアンス体制の充実度を訴求できるようになりました。

メインイメージ
課題
導入後
ランサムウェアなど、巧妙な迷惑メールをきっかけとする脅威へのセキュリティを強化したかった
AIを活用した検知方式によって高精度にマルウェアを検知
日々のウイルススキャン時にPCの動作が遅くなり、業務に影響が出ていた
日々のウイルススキャンが不要になり、業務への影響を削減

背景と課題

海外引越サービスで個人情報をやり取り。英文迷惑メールの対処に課題

丸山 氏総務部 情報システム課 課長
丸山 昭満 氏

福岡倉庫株式会社は九州を代表する物流企業として、倉庫、輸送、引越の3サービスを軸に事業を展開しています。特に強みを持つのが、昭和30年代に始めた海外引越サービス。現在では、米国・ヨーロッパ・アジアを中心に年間約1万件を取り扱うまでの規模に成長しています。

このようなビジネスを手がける福岡倉庫にとって、メールをきっかけとしたセキュリティ脅威への対策は長年の課題となっていました。

福岡倉庫がこれまでに取ってきた主な対策は、「セキュリティ対策機能付きのメールサービスの利用」「社内へのファイアウォールの設置」「サーバーとPCへのウイルス対策製品の組み込み」など。エンドポイントとなるPCについては、ウイルススキャンを定期的に実行するように設定してあります。

「当時使っていたのは、パターンマッチング方式のウイルス対策製品ですが、年間のウイルス検知件数は全社で2件と多くはありませんでした。ただ、現場からは『受信したメールが迷惑メールかどうか』という問い合わせの件数が増え迷惑メールが巧妙化されているのは感じていました。さらにランサムウェア流行のニュースを耳にするにつれて、パターンマッチング方式では守り切れないのではないかという危惧を感じました」(高島氏)

PCへの高い負荷も課題でした。従来の対策ではウイルススキャンが開始するとPCの動作が遅くなり、業務に影響が出ていました。

「海外引越サービスの場合、現地代理店を介して、お客様のパスポートのコピーやeチケットなどの個人情報をメールでやり取りすることになります。プライバシーマークを取得している当社としては、お客様に安心して利用いただける運用・環境を提供し続けるのに現状の製品で問題がないのかと考えていました」(丸山氏)

選定と導入

管理コンソールの使いやすさとランニングコストの低さを評価

高島 氏総務部 情報システム課 主任
高島 紀修 氏

エンドポイントセキュリティ対策の再検討に取りかかった福岡倉庫が「CylancePROTECT」の存在を知ったのは、2017年12月のことでした。以前から取引があった日立ソリューションズ西日本(以下、日立ソリューションズグループ)から、パターンファイルに依存しないAIベースの次世代マルウェア対策製品として紹介されたのです。

「マルウェア対策までAI化されるようになったのか、と衝撃を受けると同時に、パターンマッチング方式はもう古くなっているのだという思いを強くしました」(高島氏)

テスト用の無償ライセンスを使った検証作業が始まったのは、2018年5月。実際のネットワークを使って「CylancePROTECT」も含めた複数の製品のテストを1カ月ずつ実施し、マルウェアの検知率と使い勝手を比較しました。

「他社の製品では実際にはマルウェアではないファイルが多く検知され、パラメータによるセーフリストへの登録が困難でしたが、『CylancePROTECT』はそのようなことはありませんでした。また、管理コンソールの表示が日本語になっていて使いやすく、機能も充実しており当社で検証を行ったどの製品よりも当社にマッチしていると判定しました、検証に際して日立ソリューションズグループからは手厚く支援していただきました」(高島氏)

「サポート費用を含めたランニングコストが評価で比較した他製品より低かったのも、ポイントでした。そこで、2018年9月に『CylancePROTECT』導入を情報システム課から部長経由で経営層に上申しました」(丸山氏)

全社員249人のPCへの導入に要した期間は、2018年10月から11月までの2カ月弱。万一を考えて、各部署から何人か選んだ社員を対象にパイロット導入して、実務に支障が生じないことをチェック。問題がなければ、残りの社員にも一斉に導入するという2段階の進め方です。

また、「CylancePROTECT」を配布する作業はソフトウェア資産管理ツールの配布機能を活用して自動化しました。情報システムとセキュリティの管理部門である情報システム課では、日立ソリューションズグループのシステムエンジニアの支援を受けながら、2人のスタッフが「検知モードと隔離モードのポリシー作成」「検知されたものが本当にマルウェアであるかどうかの確認」「セーフリストへの登録」などの作業を担当しました。

「全社への導入から2カ月ほどは検知モードで運用しました。評価時には検知されなかったソフトウェアでもバージョンが違うと検知されたため、セーフリストへの登録を行いました」(高島氏)

成果と今後

コンプライアンス体制を強化。海外での会社の信用度も高まる

すべての確認作業が完了して、福岡倉庫が「CylancePROTECT」を隔離モードに切り替えたのは、2019年1月15日。検知モードの期間を長めに取ったこともあって、それ以後は順調な運用が続いています。

導入によって得られたセキュリティ対策面での成果として、高島氏は「検知率の向上」と「毎日のウイルススキャンの廃止」を挙げます。

「かつては年間2件ほどしか検知されていなかったマルウェアが、『CylancePROTECT』を導入してからは月間3件程度検知できており、検知率の高さを感じています。従来のウイルス対策ソフトでは検知が難しかったアドウェアも洗い出せるようになったのがその要因だと感じています。『使い方によっては危険』『バージョンによっては危険』といったファイルに関しても検知が行われることで、ソフトウェア利用のポリシーを徹底できるようになりました。また、毎日昼休みにスケジュール実行させていたウイルススキャンが不要になりましたので、急ぎの仕事が入ってPCを急に使わなければならないときでも、すぐに対処できます」(高島氏)

また、丸山氏は、経営的な観点から、コンプライアンス体制の強化によって同社の信用度が向上したことを高く評価しています。

「以前使っていたパターンマッチング方式のウイルス対策製品と比べると費用は増えています。しかし、『CylancePROTECT』にはそれを正当化するだけのメリットがあるというのが当社の評価です。経営トップも導入に非常に前向きでしたし、検知率が高いのでセキュリティレベルは確実に向上しています。また、世界的に知られたマルウェア対策製品ですから、『CylancePROTECT』を使って個人情報保護の体制を整備しているとお客様へ胸を張ってご説明させていただいております」(丸山氏)

セキュリティレベルのさらなる向上に向けて、福岡倉庫はこれからもさまざまな対策を計画しています。

関係会社については、すでに2社が「CylancePROTECT」を導入済み。今後も1社への採用を決めており、近く稼働する予定です。また、ネットワーク周りについては通信パケット内容の可視化によって、外部からの直接アクセスをチェックする仕組みを検討中です。社内に設置されているファイアウォールで取得された情報を見える化できるソリューションを軸に選定作業を進めています。

「日立ソリューションズグループから十分な支援をいただいて、とても助かりました。中規模の物流企業である当社にとって、セキュリティ対策で先行している大手企業に学ばなければならないことはたくさんあります。そうした知見や最新の情報を日立ソリューションズグループの経験豊富なエンジニアに教えていただけました。情報システム課のスキルも上がってきました。今後、他の業務システムについても、支援をお願いしたいと思います」(丸山氏)

日立ソリューションズグループは、グローバルなやり取りが増えるビジネスのセキュリティ向上を今後も支援していきます。

福岡倉庫株式会社

九州を代表する福岡県の物流企業。倉庫、輸送、引越の3サービスを軸に、倉庫業、通関業、運送事業、国内外引越梱包業などに携わる。事業を運営するうえでのポリシーは、「安心の品質管理(ISO 9001適合証明取得済み)」「環境への配慮(ISO 14001適合証明取得済み)」「徹底した個人情報管理(プライバシーマーク取得済み)」の3つ。昭和30年代に始まった海外引越サービスは年間約1万件の取り扱い実績を持ち、同社の強みとなっている。

本社所在地 福岡県福岡市東区多の津2-9-8 福岡倉庫株式会社
設立 1948年10月18日
従業員数 249人(2018年2月時点)
事業内容 倉庫業(普通・危険品・保税・農水省指定倉庫)、通関業、港湾運送事業、貨物自動車運送事業、貨物自動車利用運送事業、国内外引越梱包業、産業廃棄物収集運搬業、前各号に付帯する一切の事業
URL http://www.fukuokasoko.com/

導入事例ダウンロード

本事例の内容は2019年3月28日公開当時のものです。

最終更新日:2022年6月7日