次世代マルウェア対策製品 CylancePROTECT®の導入事例
ミツイワ株式会社様AI活用のマルウェア対策で業務効率を向上。自社事例をもとに、顧客へのサービス拡充を実現
情報機器の販売とシステムインテグレーションを手がけるミツイワ株式会社は、業務効率の面で課題があった従来のマルウェア対策ソフトウェアを、次世代マルウェア対策製品「CylancePROTECT」にリプレース。毎日、昼休みに実施されていた定期スキャンが不要になることによって、業務への影響を削減し、従業員がいつでもPCをフル活用できる環境を整えました。CylancePROTECTの販売代理店として活動する同社は、この成果を好事例とし、顧客への提案力を強化しています。
この事例に関するソリューション・商品
背景と課題
セキュリティ対策の仕組みに業務効率の面で課題があった
室永 洋一 氏
東京・渋谷に本社を置くミツイワは、国内約30カ所の事業所で情報機器の販売やシステムインテグレーションを展開しているIT企業です。2016年にはセキュリティビジネス推進部を新設し、セキュリティ関連事業に関する提案力を強化しています。
「今は、基本的なセキュリティ対策は既に導入済みの企業が多く、次のフェーズに進もうとしている段階。当社のセキュリティビジネス推進部は、『新しいアプローチ手法』『新しい製品・サービス』『新しいターゲット領域』というスローガンのもと、セキュリティ対策の在り方や方向性をお客様に寄り添いながら一緒に考える『Mitsuiwa Security Direction』を提供しています」(室永氏)
当然のことながら、このようなセキュリティ関連事業に取り組むミツイワは、自社のセキュリティ対策も強固に整備していました。社内のPCを守るために使われていたマルウェア対策ソフトウェアは、十分なセキュリティ強度を確保するという目的は達成されていたのですが、使い勝手については解決すべき課題がいくつか存在していました。
「毎日昼休みに全PCで定期スキャンを走らせていたので、完了するまではPCの動作速度が遅くなったり、最悪の場合はまったく使えなくなることもあり、業務に影響が出てしまうため、各部署から情報システム部に問い合わせが入ることがしばしばありました。業務推進のために、セキュリティ対策がハードルになるのは問題でした」(西川氏)
また、運用管理側の負担も大きかったといいます。
「システム基盤の維持管理をする情報システム部では、サーバーにマルウェア対策ソフトウェアの最新パッチを随時適用しなければならず、作業に手間がかかっていました。クライアント側も、マルウェア対策ソフトウェアの最新パッチを先に適用しておかないと Windows 10 の半年ごとの大型アップグレードが実施できないことがあり、移行が進まないという障害になっていました」(立川氏)
選定と導入
使い勝手のよさを評価しCylancePROTECTを全社導入
西川 高正 氏
AIを活用した次世代マルウェア対策製品「CylancePROTECT」なら、従業員にもシステム管理者にも負担をかけずに、未知のマルウェアからエンドポイントを防御できる――。そうした情報を同社がキャッチしたのは、2017年のことでした。西川氏と立川氏は、早速、日立ソリューションズとコンタクトを取って、プリセールスSEによる説明を依頼。使い方のレクチャーで良い感触を得て、評価のためのテストに取り掛かることにしました。具体的には、情報システム部とセキュリティビジネス推進部にある数台のPCにCylancePROTECTの評価版をインストールして、それまでのマルウェア対策ソフトウェアとの違いをチェックしました。
「CylancePROTECTは、AIを活用して作成したデータモデル(数理モデル)を利用し、ファイルの特徴からマルウェアを判定できます。従来のマルウェア対策ソフトウェアとは異なり、データモデルが最新でなくても未知の脅威判定ができるため、これまで実施していたようなパッチ適用をしなくても、検知できるようになりました。また、定期スキャンでPCの動作が遅くなることもなく、使い勝手がよいことを確信しました」(西川氏)
さらに、Windows 10 への移行がスムーズに行える環境へと整備できることも分かりました。
「これまでは Windows 10 へのアップグレードは、マルウェア対策ソフトウェアをアンインストールしてから適用する必要がありましたが、CylancePROTECTなら、PCにインストールした状態のままで適用できるので、OS移行の手間をかなり省くことができます。運用管理側にも従業員側にもメリットがあると思いました」(立川氏)
このような評価をもとに、ミツイワはCylancePROTECTの導入を決定。2018年6月から2カ月をかけて導入の準備をした上で、既存のマルウェア対策ソフトウェアからCylancePROTECTへの全社一斉の切り替え作業を8月にスタートさせました。
切り替えの対象となるPCは、約30事業所の約1,000台。各部署の従業員が、自分のPCを自分で切り替えられるように、環境を整えました。既存のマルウェア対策ソフトウェアをアンインストールするコマンドと、CylancePROTECTをインストールするためのコマンドを記述したスクリプトを情報システム部が作成し、それをダウンロードしてマウスのクリックで起動してもらうようにしたのです。併せて、切り替えの作業手順を詳しく説明したマニュアルも作成し、社内に配布しました。
「マニュアルとスクリプトを用意しておいた結果、切り替え作業はほぼ1カ月で完了しました。2018年9月にはCylancePROTECTが全社のPCで本稼働しました」(立川氏)
成果と今後
社内の業務効率が向上。顧客への提案力も強化
立川 真大 氏
社内のPCをマルウェアから守るための仕組みをCylancePROTECTに替えることによって、ミツイワは「定期スキャン時のPCの動作速度低下」と「パッチ管理に要する運用管理工数の増大」の2つの課題を解決できました。
「毎日の定期スキャンがなくなった結果、昼休みの時間帯でもPCを快適に使えるようになりました」(西川氏)
これによって、情報システム部に問い合わせやクレームが寄せられることもなくなり、別の運用にリソースを割けるようになりました。
「また、サーバーやクライアントへのパッチ適用に関する管理という手間のかかる作業が不要になりました。さらに、CylancePROTECTの稼働状況や検知情報はポータルサイトのダッシュボードでいつでも見ることができるため管理しやすく、発生中のセキュリティ脅威もリアルタイムで発見できます」(立川氏)
副次的な成果として、モバイルPCを社外でも安全に使えるようになり、セキュリティレベルが向上しました。CylancePROTECTならパターンファイル更新も定期スキャンも発生しないので、オフライン環境でもマルウェアからの防御を実現でき、動作速度への影響もありません。顧客訪問や出張が多い営業担当者も不安なくモバイルPCを使えるので、業務効率の向上も期待できます。
さらに、CylancePROTECTの販売代理店でもあるミツイワは、こうした社内での活用事例の成果をもとにセキュリティ関連事業を展開しています。CylancePROTECTの標準的なサービスメニューと併せて、ミツイワ独自のサービスとして「ミツイワサポート&サービス(MSS)」も提供することが可能。「マルウェアを検出したというメッセージがポータルサイトのダッシュボードに表示されたが、どう対処すればよいかが分からない」といった顧客からの支援要請に、専門のオペレーターが電話やメールで迅速に対応しています。
「導入決定から本稼働までわずか3カ月という極めて短期のプロジェクトでしたが、無事に完了できたのは、日立ソリューションズの支援のおかげです。不明点は親身にサポートしてくれたので、トラブルなしで切り替えができたと感謝しています。Windows 10 への移行に伴う一時的なライセンス追加など、問い合わせに対するレスポンスも速く、非常に助かっています」(西川氏)
日立ソリューションズはこれからも、業務効率向上にもつながるセキュリティ対策の最適化を支援していきます。
ミツイワ株式会社
情報機器、ネットワーク機器、通信機器などのハードウェア・ソフトウェアを販売するほか、システムインテグレーションサービスやシステム運用サポートサービスも提供。セキュリティ関連事業の領域では、『Mitsuiwa Security Direction』というブランドでアセスメントサービスも実施している。さらに、新たな事業領域として、自動化/ロボットソリューション、3Dプリンティングソリューション、エネルギーソリューションなどにも力を注いでいる。
本社所在地 | 東京都渋谷区渋谷3-15-6 | |
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設立 | 1964年7月25日 | |
従業員数 | 806人(2019年4月1日現在) | |
事業内容 | ICTサービス・電子デバイス製品などの提供 | |
URL | https://www.mitsuiwa.co.jp/ |
この事例に関するソリューション・商品
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本事例の内容は2019年9月13日公開当時のものです。
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最終更新日:2022年6月7日