伊藤忠フィナンシャルマネジメント株式会社様 Microsoft Dynamics 365 CRMシステム構築サービスの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

Microsoft Dynamics 365 CRMシステム構築サービスの導入事例

伊藤忠フィナンシャルマネジメント株式会社様

支払業務担当者の「ノウハウ」を一元管理し、業務の効率化と標準化に貢献。

伊藤忠商事の100%出資子会社として、伊藤忠商事及びグループ会社の財務、経理業務を手がける伊藤忠フィナンシャルマネジメント。
同社は、顧客(取引先)別、部署別に、異なる支払チェック条件を一元管理し、支払業務担当者の業務効率化、標準化を推進するための「ナレッジ管理」の基盤として、統合型CRMである「 Microsoft Dynamics CRM 」を採用。
経理業務管理システム「KP NAVI」を構築しました。

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課題
導入後
支払指示書の点検業務を行うにあたって、顧客(取引先)別、部署別に異なる支払チェック条件が存在するが、各担当者が個別の運用で対応し、業務が属人化していた。
支払チェック条件や引き継ぎ事項の業務ノウハウが一元管理され、業務が効率化された。
支払チェック条件に関する業務ノウハウは、Excelファイルなどで管理されていたが、検索性や閲覧性の点で限界を感じていた。
担当者がどの部署のどのような支払いを担当しても、直ちに支払チェック条件に関する情報が参照でき、作業がスピードアップした。
既存のフォルダ管理では支払いに関する情報やプロセスの一元化・共有化が難しく、業務の平準化につながるローテーションがやりにくい状況であった。
支払いに関する情報やプロセスの一元化・共有化により、引き継ぎ負荷が軽減され、適切なタイミングで人材ローテーションを行えるようになった。

従来からの課題

業務の属人化を廃し、担当者のノウハウを一元管理する仕組みを模索

竹内 氏営業経理サービス部門 支払業務部長 兼 総括チーム長
竹内 功 氏

伊藤忠商事は、取り扱う商品・商材ごとに独立採算のカンパニー制をとっており、伊藤忠フィナンシャルマネジメントの支払業務部では、6つの営業カンパニーの「支払を実行する際の点検、承認業務」を担当しています。

「各カンパニーから起案された支払指示書の点検業務を行うにあたり、顧客(取引先)別、部署別に異なる支払チェック条件が存在します。従来は、カンパニーごとに担当者が個別の運用で対応していました。しかし、情報やプロセスの一元化・共有化ができていないため、支払チェック条件確認における手戻りや、業務引き継ぎに大きな労力を要していました」(竹内氏)

「従来は、特殊な支払チェック条件に関するノウハウを、担当者が作成した Excel や Word のファイルに記載し、これを共有サーバーで管理していました。しかし、支払チェック業務は時間との勝負。従来の管理方法では、検索性や閲覧性の点で限界を感じており、すぐにデータを参照でき、活用できる統合的な仕組みが必要でした」(筒井氏)

「人材育成の面で、人材ローテーションを積極的に行っていく中で、誰が支払案件を担当しても、同じように業務ができる体制を整備しなければなりません。そこで、各々が持っている知識や経験を明文化し、共有するためのシステムの検討を開始しました」(竹内氏)

導入の経緯

経理業務を管理するシステムとして、CRMを活用 ベンダー選定のポイントは、導入後のサポート

髙木 氏営業経理サービス部門 支払業務部 サブリーダー
髙木 庸子 氏

システム検討は2015年10月頃から開始されました。

「データベース管理システムなどの複数のツールを検討する中で、伊藤忠商事のIT企画部に相談したところ、『情報の共有化』という用途でCRMツールがよいというアドバイスを受け、『 Microsoft Dynamics CRM 』を推奨されました。普段使い慣れた Excel や Word と同じ Microsoft のサービスとして習熟コストが低い点に魅力を感じました」(竹内氏)

「2016年3月末までに導入プロジェクトを完了する必要があり、短期間で導入できる、柔軟性の高いソリューションを選ぶ必要がありました。また、マイクロソフト製品は、伊藤忠商事としてエンタープライズ契約のアカウントを持っており、その点でも『 Microsoft Dynamics CRM 』は安心して導入できると考えました」(筒井氏)

「複数のベンダーによるコンペを経て、提案内容や価格、期間、導入実績などを総合的に勘案して日立ソリューションズに決めました。今回のプロジェクトは失敗が許されません。その中で、日立ソリューションズのデモは、私たちがやりたいことに的確に応える内容でした」(竹内氏)

「こちらは、システムに関しては素人です。担当SEとのやり取りでも、こちらの要望をきちんと汲んでくれないと、スムーズにプロジェクトが進まないと感じていました。また、稼働後のサポート体制を考えたときに、長くやっていけるパートナーかどうかという点も重視しました」(髙木氏)

導入時の取り組み

パッケージで実現できない部分をどこまでベストに近づけるか、すり合わせに注力

選定は2016年1月中に終わり、2016年2月から開発プロジェクトが開始されました。

2016年4月には本稼働が決まっているタイトなスケジュールの中、プロジェクトは、週2回ペースで打ち合わせを実施し、アジャイルプロセスで進めました。

「現業に加え、プロジェクトの時間を捻出するための調整が大変でした。プロジェクトメンバー以外にもヒアリングの機会を設ける必要があったので、朝早く来て仕事の調整をするなど、時間捻出のためのやりくりをしました。日立ソリューションズの担当SEは、スケジューリングの面で柔軟な対応をしてくれ、心強かったです」(髙木氏)

「プロジェクトチームは、実際システムを使うユーザーの立場からいいものを作ろうと考え、該当業務を担当する女性社員を中心に、各部門の支払担当からメンバーを選出。総勢10名程度のチームを組成しました」(竹内氏)

「ユーザーとしてやりたいことと、システム上、できることのすり合わせに苦労しました。担当SEにこちらの業務を細かく説明し、画面レイアウトや操作性など、パッケージで実現できない部分をどこまでベストに近づけるかに時間をかけました。女性ばかりのプロジェクトメンバーで、細かい要望が多かったにもかかわらず、担当SEはきちんと受け止めてくれて、こちらの要望をシステムに反映してくれました」(髙木氏)

 「システムの開発時には、新システムにデータを移行する作業に苦労しました。支払チェックでは、たとえば、『請求書が原本ではなくコピー』『仕入先とは違うところに支払う』など、特殊な条件がある取引があります。こうした特殊条件を誰でも参照できるよう、新システムにデータを移行していくのですが、たくさんの特殊条件を定型フォーマットに登録するため、システムエラーが出ることが多く、大変でした」(筒井氏)

こうした苦労を経て構築された、経理業務を行う担当者向けのナレッジ管理システム「KP NAVI」は、2016年4月に無事本稼働を迎えました。

導入後の効果

人に聞きまわるのでなく「ストレートに知りたい情報にリーチする」を実現

「これまで、6カンパニー分の支払いには『円貨支払』『外貨支払』のそれぞれに Excel のファイルがあり、さらにそのファイルは2、3枚のシートに分かれ、その中から知りたい情報を探していました。しかし、『KP NAVI』を開けば、どこのカンパニーのどのような支払いを担当しても、情報がすぐに参照できるため、検索スピードが劇的に向上し、作業効率が高まりました」(髙木氏)

「当部は約20名の女性社員で支払の点検、承認業務を行っています。ライフイベントによる勤務形態の多様化も進んでおり、『KP NAVI』で情報を共有化し引き継ぎの負荷を軽減することによって休暇を取りやすい職場環境の整備や活躍の支援という課題に取り組んでいます」(竹内氏)

「移行済みの既存のデータに加え、これから実務を通じて新規に発生したノウハウ(注意すべきポイント等)を『KP NAVI』に蓄積していくので、『KP NAVI』の情報量が増え、さらに業務効率が上がると期待しています。一方で古くなったデータの削除や、業務委託を受けている伊藤忠商事の組織改変に応じて『KP NAVI』で管理しているデータの新組織への紐付け変更対応が今後の課題と認識しています」(筒井氏)

今後の展望

検索機能に加え、業務のステータス管理機能も活用していきたい

「次の活用ステージとして、業務の適用範囲の拡大を考えています。たとえば、経費の支払事後点検という業務があり、営業カンパニーが使った経費を定期的に経理部門が事後点検することになっています。こうした業務にも様々なノウハウがあるため、履歴、記録をノウハウとして蓄積し、組織としての業務の一貫性を保つ意味で、『KP NAVI』を活用していきたいです」(竹内氏)

「営業カンパニーが起案する支払指示書と帳票処理を受け付けた際の『受付台帳』もシステム化したいです。現状は、受付台帳は手作業で管理していますが、『 Microsoft Dynamics CRM 』の強みの一つである、業務フローの管理機能を生かし、将来的に受付台帳の機能も取り込みたいです」(筒井氏)

「日立ソリューションズには、『 Microsoft Dynamics CRM 』の適用業務の拡大に伴う、さらなるサポートに期待します。『 Microsoft Dynamics CRM 』に関する教育の実施や技術的なサポート、アドバイスに加え、我々が次にやりたい方向性に対するサポートにも期待しています」(竹内氏)

「短いプロジェクト期間ではありましたが、日立ソリューションズの協力のおかげで、どうにか稼働にこぎつけることができました。担当SEには、嫌な顔をせず最後までつきあっていただき、ほんとうに感謝しています」(髙木氏)

「日立ソリューションズは、プロジェクトのスケジュール管理をしっかりしていただいたことに加え、品質を高めることにもできる限りチャレンジしてくれました。担当SEに、本稼働1週間前に追加の要望を出したこともありましたが、期限内に間に合う代案の提示など、臨機応変に対応していただいたおかげで、最終的に我々が実現したいという形で『KP NAVI』を稼働することができました」(筒井氏)

伊藤忠フィナンシャルマネジメント株式会社 プロジェクトチームの皆様後列左 総括チーム 兼 支払業務部 筒井 利昌 氏伊藤忠フィナンシャルマネジメント株式会社 プロジェクトチームの皆様
後列左 総括チーム 兼 支払業務部 筒井 利昌 氏

伊藤忠フィナンシャルマネジメント株式会社

伊藤忠フィナンシャルマネジメントは、伊藤忠商事の100%出資子会社として、同社及びグループ会社の財務・経理の実務を受託・遂行するプロフェッショナルカンパニーです。「商社新時代をリードする全社員総活躍企業」をめざす伊藤忠商事グループにあって、当社は教育研修やキャリアビジョン制度、業務ローテーション等を通じて人材の専門性と多様性をさらに高め、今後もグループの成長と発展に貢献していきます。

本社所在地 東京都港区北青山2丁目5番1号 伊藤忠ビル 伊藤忠フィナンシャルマネジメント株式会社
設立 1983(昭和58)年4月
従業員数 348名(2016年4月1日現在)
事業内容 伊藤忠商事及びグループ会社の営業活動をサポートする財務・経理業務の受託、遂行等
URL https://www.itochu-fm.co.jp/

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本事例の内容は2016年7月19日公開当時のものです。

最終更新日:2024年4月17日