組み込みデータベース Entierの導入事例
日立コンシューマエレクトロニクス株式会社様組み込み機器向けデータベース/ファイルシステム Entierが、「Wooo」の付加価値と開発効率の向上に貢献。
「ワケ録」機能など新機能の追加を短期間に低コストで実現。
日立コンシューマエレクトロニクス株式会社では、 2010年4月に発売を開始したハイビジョンテレビ「Wooo」 XP05シリーズに、 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(以下、日立ソフト)の組み込み機器向けデータベース/ファイルシステム“Entier”を採用。 録画した番組を分かりやすく自動分類する新機能“ワケ録”の開発効率の向上を図るとともに、 今後さらに大量化するコンテンツやネットワークへの対応など、テレビの機能拡張を支える要素技術として期待を寄せている。
- ますます溜まる録画番組をいかに分かりやすく提示するか
- 組み込みデータベース採用の目的は新機能“ワケ録”の開発期間短縮
- “Entier”選択のポイントは大量のコンテンツへの適応性とサポート体制
- これからのテレビの進化を後押しする大きな可能性が
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この事例に関するソリューション・商品
ますます溜まる録画番組をいかに分かりやすく提示するか
内藤 康 氏
地上デジタルへの移行、エコポイント制度の導入などを背景に、ここ数年出荷台数が急増しているテレビ市場。激化する競争の中で、いかに他社製品との差別化を図るか。基本性能である画質や音質の充実はもちろん、より便利で使いやすいテレビであるための高付加価値化が、その重要なポイントとなっている。
「その付加価値の一つとして、当社では2003年からHDD内蔵の録画機能付きテレビを販売してきました。最近では他社でも同様の機能が付いた製品を販売していますが、録画テレビというカテゴリーの先駆者として現在も高いシェアを誇っています」と内藤氏。
また、そうした実績をベースに野添氏は「デジタル化に伴って放送される番組数が増え、一方でHDDの大容量化や長時間録画機能などによって録画できる番組の量も増えています。こうして保存される大量のコンテンツを、いかに分かりやすく整理してユーザー提示できるかは、これからのテレビに求められる重要な機能になります」と、新シリーズに搭載された新機能“ワケ録”開発とEntier採用の背景を説明してくれた。
組み込みデータベース採用の目的は、新機能“ワケ録”の開発期間短縮
野添 賢彦 氏
“ワケ録”とは、番組を録画するとそのタイトルやジャンルに応じたフォルダを自動的に作成し、分類できる機能。内蔵HDDに録画された多くの番組も、整理された状態で一覧表示されるので、見たい番組を簡単に探すことができる。この大量データの管理に、Entierが活用されているという。
「この新機能を実現させるだけなら、データベースを使わないでつくるという選択もありました。それでも採用を決めた一番の目的は、開発期間の短縮ですね」と野添氏。さらに「Entierを採用した効果は、今回のシリーズだけでなく、今後機能を拡張していく段階でさらに違いが見えてくる」と、将来を見据えた判断であることも語ってくれた。
“Entier”選択のポイントは、大量のコンテンツへの適応性とサポート体制
山本 貴之 氏
それでは、同じような機能を持つ他社の組み込みデータベースと比較して、Entierを選んだポイントはどこにあったのか。
「他社の商用データベースと比較した技術的な部分では、HDDに格納された大量のコンテンツを、少ない稼働メモリリソースの中で管理でき、しかも十分な性能を発揮できたことが大きな選択ポイントでした。もちろんフリーソフトとも比較しましたが、そこはEntierのサポート体制が決め手でしたね」と山本氏。
さらにソフトウェアの設計・実装を担当した内田氏からは「特に性能に関する問題個所を解決しやすかったことが、一番印象に残っています。地味な点かもしれませんが、実際にEntierを使ってみると驚くほど詳細なチューニングレポートを取得できるんです」という評価の声が。Entierを使うことで、アプリケーションの変更無しに200項目以上という詳細なデータベースへのアクセスレポートを取得できる。このレポートを日立ソフトのサポートエンジニアと共有することで「気づけなかった問題点を発見できたり、その対策方法を相談できたりと、レポートに基づいた精度の高いサポートで、ほとんどすべての問題を開発の初期工程で解決できました」と、開発作業の過程を振り返った。
今までの開発手法では、プログラムをほとんど実装してみないと性能の問題を発見しにくかったが、Entierを使った開発手法では、簡単な実機上での評価プログラムとPCで動作する付属の開発支援ツールを組み合わせて使うことで、データベースへのアクセス性能を初期工程で検証でき、開発作業の手戻りを最小限に抑えられたのだという。
これからのテレビの進化を後押しする大きな可能性が
内田 尚和 氏
「基本は、あくまでも画質と音質です。そのうえで私たちが描き、めざしているのは、テレビがあれば何でもできるという世界です」と、これからのテレビづくりの方向性を語る内藤氏。
「そうした多機能化が進む中で、操作性や快適性にかかわるEntierを採用した意味がより大きくなってくるはず」という。
また、野添氏は「これまでのテレビの開発は、録画やネット接続など、できることを増やすことがゴールでしたが、これからはそのできることをより簡単にすることがゴールになってきます。それを実現するための要素技術として、データベースの必要性はより大きくなってきます」と、今後の機能拡張に際しての期待を語ってくれた。
多チャンネル化によるコンテンツの増大やネットワークへの対応など、テレビが求められる進化の実現と、他社との差別化のために、Entierの果たす役割はさらに広がりそうだ。
日立コンシューマエレクトロニクス株式会社
本社所在地 | 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 新大手町ビル |
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電話 | 03-4232-5000(代表) |
代表者 | 渡邊 修徳 |
主な事業内容 | 薄型テレビおよび業務用液晶プロジェクター等の開発・製造・販売 |
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本事例の内容は公開当時のものです。