組み込みデータベース Entierの導入事例
ブラザー工業株式会社様・株式会社エクシング様「JOYSOUND×UGA」初の共通対応機種検索機能付き情報端末「キョクナビ」Entierの採用で、「歌いたい」曲を高速に検索。
プリンタや複合機など情報通信機器を中心にグローバルで事業を展開するブラザー工業株式会社様(以下、ブラザー工業)と、同社のグループ会社で「JOYSOUND×UGA」などの通信カラオケシステムの企画・販売事業を展開する株式会社エクシング様(以下、エクシング)。両社は2011年5月にリリースした通信カラオケ用の検索リモコン「キョクナビ(JR-300)」に、株式会社日立ソリューションズ(以下、日立ソリューションズ)の組み込みデータベース「Entier(エンティア)」を採用。楽曲の高速検索を提供することで『歌いたい曲を速く簡単に探したい』というユーザのニーズに対応。さらにメンテナンスにおける楽曲更新の時間短縮により、業務の効率化を実現している。
この事例に関するソリューション・商品
歌いたい曲が簡単かつスピーディに探せるカラオケ楽曲検索
柴田 智 氏
通信カラオケ「JOYSOUND」を展開するエクシングは2010年7月、「UGA」のブランドで通信カラオケを展開していた株式会社BMBと合併し、新生エクシングとしてスタートを切った。カラオケボックスに強みを持つ「JOYSOUND」と、飲食店で多くの導入実績を誇る「UGA」。この2社が合併したことで、新生エクシングのカバー領域は一気に拡大する。そこで、両ブランドのカラオケ機器で共通利用できる楽曲検索リモコンの開発を決め、2011年5月、「JOYSOUND×UGA」初の共通カラオケ検索リモコン「キョクナビ(JR-300)」をリリースした。
『合併により「JOYSOUND×UGA」として製品のラインナップは豊富になりました。「キョクナビ(JR-300)」は、その共通ナビとして新生エクシングのメッセージをお客様に打ち出す重要なモデルです』と、マネジャーとしてカラオケ機器の開発を統括する柴田氏は強調する。
「キョクナビ(JR-300)」は、曲の検索効率を重視した画面設計を採用。「歌手名」「曲名」などの定番検索項目ばかりでなく「最近の番組/映画ソング」など新たな検索項目を追加し、曲がスピーディに見つかる工夫を凝らした製品だ。
楽曲データベースの管理を担当する五十川氏は『現在のカラオケ利用者は、歌いたい曲が簡単かつすぐに見つかることを重視するため、楽曲検索時のレスポンスは最も重視すべきポイントです。今回の合併で楽曲コンテンツ数やコンテンツ量が増加しても、対応可能なデータベースの構築が重要と考えていました』と背景を語った。
フリーワード検索の機能と、効率的なメモリ利用を評価してEntierを採用
樋口 哲也 氏
同社が「キョクナビ(JR-300)」を開発するにあたり、複数の組み込みデータベースを検討する中から選んだのが日立ソリューションズの「Entier」だ。データベースの開発を担当した樋口氏は選定の決め手について『候補には、海外製のデータベース製品も含めて複数ありました。性能やメモリ使用量など全て比較した中でも、複数のキーワードを指定するフリーワード検索の高速性は大きなポイントでした。また、曲数が増えると端末のメモリ容量も増加せざるをえませんが、「Entier」なら少ないメモリリソースの中で管理できることから、コストを増やすことなく高速性が確保できると判断しました』と振り返る。
データベースの高速化は、検索ばかりでなく、カラオケ機器のメンテナンスにもメリットをもたらす。「JOYSOUND×UGA」では、カラオケ機器の楽曲データベースを最新版に更新し、カラオケ検索リモコンにも差分情報を転送している。五十川氏は『最新版にするための更新期間が長い場合でも、「Entier」の採用で更新にかかる時間を大幅に短縮することができました』と強調する。
課題共有によるスムーズな開発体制
五十川 学 氏
開発のポイントについて樋口氏は、『今回のキョクナビは、カラオケ機器として初めてOSにAndroidを採用しました。初めての挑戦ということもあり、性能面などいろいろと懸念点もありましたが、開発にあたり日立ソリューションズのサポートエンジニアと早くから課題を共有し評価を繰り返すことで、課題解決に取り組み、フリーワード検索機能の実装もスムーズに進み、データベースの開発は大きなトラブルもなく終えることができました』と語った。また、柴田氏は『日立ソリューションズからは、当社からの技術的な質問に対しても、検証を確実に実行したうえで迅速な回答をいただきました。また、データベースのプロの視点から、的確なアドバイスをいただき感謝しています』と、開発過程を振り返った。
作業効率の向上
「Entier」導入によるデータベースの高速化は、カラオケ機器出荷の際に実施するマスターデータベースの更新作業にも貢献している。五十川氏は『標準形式の楽曲データベースを「Entier」形式のマスターデータに変換する作業もデータベースの高速化の成果が現れました。Entierでは、PCでのデータベース構築やデータの確認など実施できるため、作業効率が向上しました』と語った。
今後の展開について、ブラザー工業とエクシングでは「キョクナビ(JR-300)」対応の機種を拡充していく考えだ。そして、「Entier」を活用したデータベースの高速化と、新たな検索機能の追加によりユーザビリティのさらなる向上を目指す。柴田氏は『カラオケ利用者が直接操作するカラオケ検索リモコンは、カラオケサービスそのものの印象を決定付ける重要なツールです。そのためにもレスポンスに優れたカラオケ検索リモコンを継続して提供し、ユーザに「JOYSOUND×UGA」なら探したい曲がすぐに見つかる、楽しく遊べるといったイメージを持っていただきたいですね』と、将来展望を語った。
ブラザー工業株式会社
本社所在地 | 愛知県名古屋市瑞穂区苗代町15-1 |
---|---|
代表者 | 小池 利和 |
主な事業内容 | プリンター、複合機、電子文具、家庭用ミシン、工業用ミシン、工作機械、通信カラオケなどの開発、製造、販売 |
URL | http://www.brother.co.jp/ |
株式会社エクシング
本社所在地 | 愛知県名古屋市瑞穂区塩入町18-1 |
---|---|
代表者 | 神谷 純、吉田 篤司 |
主な事業内容 | カラオケ事業、モバイルコンテンツ事業、ネットワークアンドコンテンツ事業 |
URL | http://www.xing.co.jp/ |
この事例に関するソリューション・商品
導入事例ダウンロード
本事例の内容は2011年8月4日公開当時のものです。
最終更新日:2011年8月4日