FutureStage 商社・卸向け販売管理システム/財務会計・管理会計システムの導入事例
株式会社小泉様基幹システムを「FutureStage」に刷新し、業務効率の向上と業績のタイムリーな把握、ペーパーレス化を実現。
住宅設備機器の総合商社である株式会社小泉。同社は、基幹システムの老朽化やサーバーの保守サポート切れを契機に、Speed(スピード化)、Paperless(ペーパーレス化)、社是であるAnytime、Anywhere、Anything(いつでも、どこでも、何でも揃う)をテーマに、基幹システムを刷新。
新システムに、日立ソリューションズの「FutureStage 商社・卸向け販売管理システム」を採用しました。
この事例に関するソリューション・商品
従来からの課題
サーバーの老朽化に伴う保守契約打ち切りとパフォーマンスの劣化を解決するために
田中 久喜 氏
住宅設備や管材、建材、電材などを主な商材として取り扱う総合商社として、業界のリーディングカンパニーである株式会社小泉(以下、小泉)。住生活の向上に貢献できる企業をめざした取り組みとともに、最近では、シンガポールチキンライスのブランド「威南記(ウィーナムキー)」の日本展開に関するフランチャイズ契約を締結し、1号店が2015年9月銀座に出店を予定するなど、幅広く事業を展開しています。
同社の基幹システム刷新の背景には、サーバーの老朽化がありました。
それまで約10年間、使用していた基幹システムのサーバーの保守切れが迫っていました。また、老朽化に伴うパフォーマンスの問題もあり、今後のビジネス拡張を考えたときに、ハードの入れ替えだけではなく、基幹システム自体を刷新した方がよいと判断しました」(田中氏)
2014年6月にサーバーの保守打ち切りが決まっている状況下で、2011年末頃より本格的にベンダー選定を開始しました。
「システム刷新そのものは、それ以前から検討の俎上に乗っていましたが、2012年に入ってからベンダー選定を本格的に開始し、いくつかの開発会社にお声がけをし、提案をいただきました」(加藤氏)
導入の経緯
SEとのコミュニケーションに関する信頼や、顧客への真摯な姿勢が選定の決め手
加藤 秀明 氏
新システムに求める要件については、Speed(スピード化)、Paperless(ペーパーレス化)、社是であるAnytime、Anywhere、Anything(いつでも、どこでも、何でも揃う)の3点が挙げられます。
「それらの頭文字を取って、新基幹システムは『SPAシステム』と呼んでいます。まず、『スピード化』については、受注から納品までのビジネスのスピードを上げ、ビジネスチャンスを広げたいと考えました。具体的には、各グループ会社、営業所で別々に付与されていた商品や取引先コードの全社統一、EDI(Electronic Data Interchange)やBI(Business Intelligence)ツールとの連携による情報分析機能の強化です。また、『ペーパーレス化』は、ワークフローの導入による、承認のスピード化も併せて実現したいと考えました。そして、『いつでも、どこでも、何でも揃う』は、会社支給のモバイル端末を通じ、外部のネットワークから基幹システムにアクセスし、在庫システムの閲覧や、在庫の仮押さえなどができるようにしたいと考えました」(田中氏)
その中で、日立ソリューションズ選定に至る決め手となったポイントはどこにあったのでしょうか。
「書類による一次選考を経て、最終的に3社によるコンペとなりました。最終的に日立ソリューションズ選んだ決め手は、弊社業態に沿った、ポイントをおさえた提案内容だったという点です。最終プレゼンでは、弊社の役員、本社の各部署責任者が同席の下、指標に基づきアンケートを実施し、そこで最もポイントが高かったのが日立ソリューションズでした。事前のヒアリングでこちらのニーズをきちんと把握していただいたので、そうしたSEとのコミュニケーションは、実際に開発が始まってからも重要なポイントになると考えました」(加藤氏)
導入時の取り組み
業務プロセスも見直すことで、全社での情報共有や迅速で適確な業務処理を推進し、顧客満足度のさらなる向上をめざす
ベンダー選定を経て、プロジェクトは2012年6月頃よりスタートしました。2014年6月の本稼働まで約2年という、基幹システムの開発にはタイトなスケジュールでした。
「開発プロジェクトは、大きく、要件定義、開発、データ移行の3つの段階に分けられます。その中でも苦労したのが要件定義の部分でした。今回は、基幹システムの刷新と同時に、ペーパーレス化の推進も狙いとしてありました。例えば、受発注管理では、営業担当者が受注書という紙の伝票を起票し、伝票に書かれた注文番号と注文内容を営業事務が基幹システムに入力していました。
これを、受注書を廃止して注文情報を直接基幹システムに入力し、システムがユニークな注文番号を生成するという構想を立てたのですが、各営業拠点で業務の進め方が違ったり、紙がなくなることに一部の社員が抵抗を示したりと、なかなかシステムの仕様がまとまりませんでした」(田中氏)
「業務改革と基幹システム開発を進めるためにこだわったのは、営業、事務、配送、倉庫など、社内の各部署からメンバーを集めて、社内横断的にプロジェクトチームを立ち上げた点です。そして、プロジェクトチームで話し合われた業務の進め方を、システムの仕様に落とし込むことで、業務の効率化・標準化を実現しました。また、責任者として特に意識をしていたのは、決断を早くする事です。限られた期間内でシステムを構築するために功を奏したと考えています」(田中氏)
新しい基幹システムは、住宅設備業界特有の業務に対応する機能や、EDIやBIツールとの連携などが実現されています。
「機能面では、商品ごとの掛率や、顧客や現場ごとによる単価を設定できる機能で、柔軟な単価管理に対応しています。また、主要メーカーとのEDIによる情報連携や、顧客マスタや仕入先マスタの統一と一元管理、債権管理(与信・回収管理)の強化、そして、販売新規取引先の申請や注意が必要な受注伝票登録時に、責任者に承認申請がされる電子承認(ワークフロー)の仕組みです。こうした機能は旧システムにはなかったもので、今回の基幹システムリプレースで新たに導入しました」(加藤氏)
こうした機能の実現には、開発時の日立ソリューションズの対応も大きなポイントとなりました。
「日立ソリューションズには非常によく対応していただきました。『FutureStage』が優れたパッケージといっても、業種、業態によって業務の進め方は異なります。開発会社によっては、業務をシステムにあわせて欲しいというところもありますが、日立ソリューションズは、こちらの要望に対して、機能面で実現できるものが何かを前向きに考えてくれ、修正、調整などの対応も真摯に取り組んでくれました。
また、メンバーとのコミュニケーションをしっかり取ってくれたのも大きなポイントです。システム開発は、きちんとドキュメントに残しても、こちらの認識と、できあがってきたもののイメージが違うことがあります。しかし、今回のプロジェクトでは、お互いの認識がずれていると感じた場合は、深くコミュニケーションをとることにより解決してきました」(田中氏)
導入の効果
使い勝手は問題なし。また、クラウド化によりシステム管理者の負荷が劇的に軽減
システム導入の効果としては、「業務効率の向上」「情報のタイムリーな把握」「ペーパーレス化の実現」の3点が挙げられます。
「商品、顧客、仕入先などマスタ情報を一元管理できたことで、業務の効率化だけでなく、仕入先や顧客情報が統一化され、小泉グループで債権が管理できたため、債権の健全化やコンプライアンス面の強化にも寄与しています。また、ペーパーレス化については、ユーザーが電子化された帳票を紙で印刷してしまうケースもまだ見られますが、物理的な受発注伝票の廃止や、ワークフローの導入による社内申請、報告のペーパーレス化の仕組みは実現しました。 一方、管理者側の効果としては、今回、システム刷新に伴いオンプレミスからクラウド基盤へ移行したため、業務システムの更新の際に、一括で適用が可能となり、管理者の負荷が劇的に軽減されました。以前のクライアント・サーバーシステムでは、クライアント端末ごとに更新作業が必要で、すべての端末のプログラム状態を管理しきれないという問題があったためです」(田中氏)
「現場の担当者が一番使う機能が、受発注の登録の機能です。システム刷新により、クライアントアプリケーションからWebアプリケーションに変わったため、稼働当初は以前のシステムの方がレスポンスが早いという声もありましたが、チューニングを経て、レスポンスも早くなり、今は大きな違和感もなく使えています」(加藤氏)
今後の展望
今後も、当社の発展をお手伝いするパートナーとしての役割に期待
「今後は、基幹システムと地図情報を連携し、営業に関する情報を視覚化することで、エリアマーケティングに活用する構想を持っています。今回構築した基幹システムで蓄積した情報を活用していくことで、より売上向上に寄与できるシステムへと発展させていきたいと考えています」(田中氏)
最後に、日立ソリューションズへの要望、期待をうかがいました。
「日立ソリューションズは、他の開発会社に比べて、こちらの要望に対するリアクションが早いし確実です。言ったことは必ず把握して、対応してくれる安心感があります。今後は、外出先から受発注管理ができるような機能拡張を考えていますので、引き続き、対応をお願いしたいです」(加藤氏)
「日立ソリューションズとは、基幹システムの刷新以前に、ファイルサーバーの構築からお付き合いをさせていただいていますが、このときのプロジェクトメンバーがとてもすばらしかったです。今回のプロジェクトメンバーもすばらしい対応で、システム開発にありがちな『この前、頼んでいたあの件の進捗はどうなっている?』というやり取りは、ほとんどありませんでした。こちらの考えていることを理解し、親身に、真摯に対応していただいた結果だと思いますし、私が今回のプロジェクトを通じて一番評価するのはその部分です。今後も、当社の業容拡大のために、お力添えをいただいて、さらに良い関係を築いていけたらと考えています」(田中氏)
株式会社小泉
明治43年創業、昭和22年設立の小泉は、住宅設備や管材、建材、電材などを取り扱う総合商社として住生活の向上に貢献する企業をめざし取り組んでいます。地域密着型の営業を展開するブロック子会社9社と100の営業拠点、そして特化した機能を持つ関連会社とで企業グループを形成し、各社の高度な専門性とグループの総合力でお客様の多様なニーズにお応えしています。
本社所在地 | 東京都杉並区荻窪4-32-5 | |
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設立 | 1947(昭和22)年4月 | |
従業員数 | 2,019名 | |
資本金 | 29億3,113万円(関連会社・海外現法等を含む) | |
事業内容 | 住宅設備機器総合商社および関連事業等 | |
URL | http://www.koizumig.co.jp |
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本事例の内容は2015年8月6日公開当時のものです。
最終更新日:2015年8月6日