GeoMation 地理情報システムの導入事例
株式会社オプテージ様膨大な設備情報を可視化して管理する。情報通信事業向け「局内設備管理システム」
独自の光ファイバーネットワークを基盤に、総合的な情報通信サービスを高品質かつ低価格で提供している株式会社オプテージ。競争力を高める重要な基盤として、「GeoMation」をベースに膨大な設備情報を一元管理し、将来的に幅広い業務支援にも使えるシステムをめざし、「局内設備管理システム」を開発。局内設備からお客様一人ひとりのサービス設備状況まで一気貫通して管理できる基盤を構築しました。
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膨大な設備情報をビジュアルで一元管理したい
橋本 健作 氏
関西一円に広がる独自の光ファイバーネットワークを基盤に、総合的な情報通信サービスを高品質かつ低価格で提供している株式会社 オプテージ(以下、オプテージ)。同社は『What's next?』というスローガンのもと、「eo光」「オフィスeo光」「ビジネス光」「携帯電話サービス『mineo(マイネオ)』」などの多彩なラインアップでお客さま満足を第一としたサービス展開に取り組んでいます。
オプテージの競争力を高める重要な基盤となっているのが、日立ソリューションズの「GeoMation」をベースに開発した「局内設備管理システム」です。その開発の背景を経営本部 ITシステム第一部 マネージャーの橋本健作氏は、「当社の光インターネットサービスをご契約いただいているお客さまは、法人・個人合わせて約160万戸にのぼります。サービスを支える圏内の局舎数は600以上、それぞれに格納されているサーバーやネットワーク機器の総数は10万を超えます。これら局内設備の工事や保守業務を管理するため、以前は Microsoft Excel やCADなどのツールを使っていましたが、管理対象が増えるにつれ限界に近づいてきました。そこで膨大な設備情報を一元管理し、将来的に幅広い業務支援にも使えるシステムを作ろうと考えたのです」と語ります。
橋本氏によれば、工事部門と保守部門、法人系とコンシューマー系、それぞれの部署内で個別に資料作成が行われており、様式や管理レベルも異なっていたため、現場状況と管理資料との情報突き合わせが困難で、資料間の不整合による作業ミスが起こることも少なくなかったそうです。
「手作業での図面更新やデータメンテナンスに多大な労力がかかると、工事対応や回線トラブルが発生した際の対処も遅れてしまいます。サービスレベルを高めるには、誰もがわかりやすいビジュアルで設備構成状況を把握でき、メンテナンスにも手間のかからない仕組みが必要でした」と橋本氏は続けます。
GeoMationで見たい情報をダイナミックに表現
オプテージのRFP(提案依頼書)に応えた5社の中から、総合評価で選ばれたのが日立グループでした。
「日立には、屋外の電柱や地中に張り巡らされている光ファイバー網を地図上で管理する“芯線管理システム”を構築していただき、回線開通工事のリードタイム短縮や設備設計の効率化に役立っている実績がありました。今回はあえてそれを考慮せず、ゼロベースで新システムのアイデアを募ったのですが、やはり品質・納期・コストすべての面において日立の提案が最も優れていました。『GeoMation』という地図情報ソフトをベースとしながら地図は使わず、白紙の上に各種設備構成を多層的に重ね、見たい情報をダイナミックに表現できるビジュアルがとてもすばらしかったのです。われわれがやりたいことを最も理解してくれていると感じました」と橋本氏は評価します。
システム構築は二つのフェーズに分けて行われました。まず2014年7月にカットオーバーしたのが、関西に散在する局舎内設備をユーザーのPCから一元的に把握できる「設備管理システム」です。このシステムでは機器の個体情報(メーカー名、製造番号など)や設置場所、他局・他設備との物理的・論理的なつながりを見渡しながら、ユーザー任意の単位や視点で多角的に図面を表示することができます。
日立グループは先に構築していた「芯線管理システム」のシステム基盤と共通部品をそのまま活用しながら、「GeoMation」の図面管理オプションを適用し、管理図面を人手で描くのではなく、すでに登録されている属性情報や設備間の接続情報から動的に自動生成する仕組みを予定より9か月も前倒しのスケジュールで構築しました。
「通信設備なら、局内のラック配置図からラック内の収容機器、パネルなどが確認でき、各機器や端子盤が他の設備とどうつながっているかまで1クリックで把握できます。電源設備や空調設備の管理も行っており、VLANやIPアドレス、上位系統のパスなどの管理機能も実装しています」と橋本氏は語ります。
機能強化で業務効率や業務品質をさらに高めていく
第2フェーズは、対象業務にあわせて順次カットオーバーする「業務支援システム」です。これはお客さまからの新規申し込みを受けて行われる通信機器やネットワークの新たな設計図面と作業指示書を登録・管理するもので、設備工事が終わり、サービスが開始された時点でそのまま「設備管理システム」に自動移行できる仕組みとなっています。
「従来なら設備工事会社に発注した設計仕様書を、工事終了後に設備管理の情報として登録し直す作業が必要でした。しかしこのシステムを活用すれば、そうした二度手間がなくなり、タイムラグなしに設備管理に移行できます」と橋本氏は喜びます。
「局内設備管理システム」は、すでに稼働中の「芯線管理システム」と一つのデータベース上で連携しており、オプテージは局内設備からお客さま一人ひとりのサービス設備状況までを一気通貫で管理できる基盤を構築したことになります。「GeoMation」では膨大なデータを高信頼・スケーラブルに管理できるため、今後の業務拡張にも柔軟に対応することが可能です。
「さまざまな設備状況が可視化されたことで、社員から部門を超えた業務改善や、ムダな設備配置を見直すアイデアなどが寄せられているのもうれしい効果の一つです。このシステムに、より多くの情報を追加していくことで、業務効率や品質をさらに高め、お客さまサービスの向上につなげていきます」と橋本氏は今後の抱負を笑顔で語りました。
今後も日立グループはオプテージの業務効率向上を支援していきます。
株式会社オプテージ(旧 株式会社ケイ・オプティコム)
本社所在地 | 大阪市中央区城見2丁目1番5号 オプテージビル | |
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設立 | 1988年4月2日 | |
従業員数 | 2,588名(2019年4月1日現在) | |
事業内容 | ・電気通信事業 ・有線一般放送事業 ・小売電気事業 ・情報システム、電気通信ならびに放送に関するシステム開発、運用、保守業務の受託 |
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URL | https://optage.co.jp/ |
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本事例の内容は2020年5月27日公開当時のものです。
最終更新日:2020年5月27日