三井住友建設株式会社様 GeoMation 作業員安全支援ソリューションの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

GeoMation 作業員安全支援ソリューションの導入事例

三井住友建設株式会社様

危険エリアと作業員・車両の位置を地図上で可視化。現場の安全性・作業効率向上と、システム運用コスト削減に期待

技術の継承と人手不足に悩む建設業では、ITやIoTを活用してこれらの課題を解消し、生産性を上げることが求められています。三井住友建設株式会社では「GeoMation 作業員安全支援ソリューション」を導入し、複数現場の作業員と車両の管理を一つのプラットフォームで対応。システム運用コストの削減と操作性の統一をめざします。

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課題
導入後
作業現場やその道中での安全性向上が求められていた
作業員と車両の位置情報を基に、危険エリア進入時の注意喚起による安全性向上を実現
本社と現場の情報共有に時間がかかっていた
地図上でリアルタイムに作業状況を共有。有事の際の迅速な現場対応を支援
現場ごとに別々のシステム導入を検討しており、操作性も統一されていなかった
パラメータ変更により同一システムでの管理を実現し、システム導入コストを低減

背景と課題

ITを活用した現場作業効率化と安全性向上が課題

坪井 氏土木本部 土木技術部 構造技術グループ 課長
坪井 一政 氏

建設業はその都度建設するものが異なり、現地の条件も違います。そのため、属人的な仕事になりがちで、自動化やIT化が遅れており、三井住友建設株式会社も同じ課題がありました。

「建設業は体質的に、ITやIoTの活用が遅れています。しかし作業の生産性向上が求められる中で、自動化は不可欠です。そこでは培ってきた技術をいかに取り込めるかが、キーワードになっています」(坪井氏)

現場の効率化や安全性を高める上で前提となるのが、現場内の動きを正確に把握することです。これまでもトラックや重機の位置情報を知るためのシステムはありましたが、作業員と工事車両の双方を管理するシステムはありませんでした。また、大規模工事では、作業員が何十kmも離れた複数箇所で作業に当たります。

「大規模な工事の場合、現場のキーパーソンがどこで作業しているかわかっていれば、万が一の場合にも迅速に対応できます。それに備えて作業員および工事車両を管理できるシステムが必要だという思いがありました」(坪井氏)

選定と導入

大規模現場や道中の車両と人の動きを把握して現場改革

作業員を管理するソリューションはいくつかありましたが、使用できる端末が限られていたり、使える電波が建設現場には向かなかったりと、同社の求める要件に合わない部分がありました。

一方、日立ソリューションズが提供する「GeoMation 作業員安全支援ソリューション(以下、GeoMation)」はスマートフォンのGPSを利用し、作業員や工事車両の位置を正確に特定することで、危険エリアへの進入をリアルタイムに検知することができます。また、建設現場の写真や映像を蓄積することで、作業管理者と作業員間で情報も共有できるソリューションでした。

「当時、『GeoMation』はいくつかの企業で導入された実績はありましたが、建設業ではまだ利用されていませんでした。ただ、他業種での使われ方からヒントが得られるので、この点はそれほど問題ではありませんでした。当初屋外で使うイメージしかありませんでしたが、“複数階にまたがる屋内で利用されているなら、平面だけでなく立坑など3次元でも使える”という発想につながりました」(坪井氏)

もともと作業員の動きを管理する予定のソリューションでしたが、作業員を管理できるのなら、車両管理も可能と考えました。両方を一つのソリューションで管理できるのであれば、操作性も統一でき、コスト面でもメリットが期待できます。

実際に、日立ソリューションズに話を聞くと、運搬用のトラックや建設用の重機といった車両の位置情報にも対応できることが確認できました。同社では最終的な結論を出す前に実証実験を行い、地方の建設現場に向かう高速道路で移動するトラックの位置をどこまで把握できるかを確認しました。

「結果は上々でした。どの走行車線を走っているのかがわかるレベルの精度で位置を知ることができたのです」(坪井氏)

こうして「GeoMation」は、実証実験を経て2018年2月に導入が決定されました。

「『GeoMation』には危険を知らせるアラートや画像のやりとりなどの機能も標準装備されています。これらの機能を使った試験には、工場で作った製品を作業現場に搬入するトラックを選びました」(坪井氏)

利用目的は大きく2つ。いつトラックが到着するのか現場がわかるようにしておくことで、現場での受け入れ体制を整えてもらうことと、危険な場所や混雑具合を運転手に伝えることです。

「搬入先の前にトラックが何台も並んで待っていては近隣に迷惑がかかりますし、すれ違いができない狭い場所や通学路を通る際には注意が必要です。その際、事前にアラートを送信して注意喚起します。長時間運転している場合には休憩を取るように指示するという管理にも使いたいと考えました。しかし、運転中はスマートフォンの操作ができません。警告は画面で表示すると同時に音声メッセージで伝え、画面表示を見なくても色で認識できるようにカスタマイズを施しました」(坪井氏)

そして、半年間かけてカスタマイズを加え、2018年10月から本格的な運用を開始しました。

成果と今後

異なる現場でも運用可能。各現場の状況を本社で一元的に管理

「GeoMation」は土木技術部が主導し、運用は本社の情報システム部門のサーバーを利用しています。

「サーバーについては情報システム部門に相談し、作業は日立ソリューションズが社内で行ってくれました。セキュリティ面でも問題がなかったので、スムーズに進められました」(坪井氏)

同社は「GeoMation」導入のメリットを、どこの現場の管理にも同じ端末が使い回せること、操作性が統一されるので学習効果が期待できること、作業員にも同じシステムが使えるのでコスト削減につながることと考えています。またIDで管理できるので、一つのシステムなのにさまざまな現場に振り分けて同時に使える点にも大きな利点を感じています。システム導入後は、本社から現場全体の状況を一元的に管理することができ、各現場では現状把握するための情報を収集することが可能になりました。

「当初考えていた『作業員』の管理としてはまだ使い切れていないのが現状です。しかし車両の運行管理としてとても役立っています。運用している現場からも使い続けたいという声が上がっていますから、評価されているという手応えを感じています」(坪井氏)

今後は適用する現場を増やし、利用台数が増えることで、コストメリットが出ると期待されています。また、本来の目的である作業員の位置管理にも適用し、重機が近づいていることを知らせ、緊急時の対応や作業効率の向上に役立てたいと考えています。さらに、3次元的な動きの把握にもトライしていく予定です。

こうしたソリューションはさまざまな種類がありますが、同社が高く評価するのは、日立ソリューションズの対応力です。

「こちらの意見について正直な考えを言ってくれたり、必要な要望を伝えてくれたりと、真摯に対応してくれました。担当者が変わる際にもきちんと引き継ぎをしてくれています。このソリューションをきっかけに、自分たちが持っていないノウハウを吸収し、他の分野でも良いパートナーとして共創していきたいと考えています」(坪井氏)

日立ソリューションズは今後も、他のソリューションを含めた協業で三井住友建設を支援していきます。また、「GeoMation」の建設業界への適用を広げ、建設現場の効率化を進めていきます。

異なる現場でも運用可能。各現場の状況を本社で一元的に管理

三井住友建設株式会社

三井住友建設は、安全で快適な社会を実現するために、「くらしをささえるものづくり」を続ける総合建設会社。三井・住友2つの建設会社の“遺伝子”を受け継ぎ、土木・建築双方の強みを生かしながら、時代のニーズに対応する事業体制を築いてきた。顧客の思いや期待を丁寧に束ね、いつの時代にも愛される普遍的価値を生み出しながら、関わる人の和を育み、喜びや幸せを形にするものづくりに取り組んでいる。

本社所在地 東京都中央区佃二丁目1番6号 三井住友建設株式会社
設立 1941年10月14日
従業員数 2,676名(2018年3月末現在)
事業内容 土木・建築・プレストレストコンクリート工事の設計・施工およびこれらに関する事業、不動産の売買、賃貸および管理に関する事業
URL https://www.smcon.co.jp/

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本事例の内容は2019年5月8日公開当時のものです。

最終更新日:2019年5月8日