導入事例
グループタスク リマインダーサービス
株式会社日立システムズ様
全社への通達や実施依頼に関わる
膨大な作業をクラウド型ソリューションで効率化
人事部門や総務部門が全社員に向けて、書類の提出やアンケートへの回答を求める業務では、管理やフォローに膨大な手間がかかります。企業規模が大きくなるほど、負担は増大するでしょう。そこで、株式会社日立システムズは通達の発信とフォローを効率的に行えるSaaSサービス「グループタスク リマインダーサービス」を導入し、間接業務の効率化を進めています。
Interviewee :
IT本部DX推進センタ センタ長 青木 成男 氏
IT本部グループIT企画部 主管技師 馬場 伸一 氏
IT本部グループIT企画部 主任技師 内藤 克志 氏
この事例に関するソリューション・商品
課題 | 効果 |
---|---|
働き方改革を推進する上で、業務の効率化が求められていた |
視覚的なインターフェースにより操作が簡単で、利用者の作業効率が向上 |
全社レベルでのタスク管理やフォロー工数が膨大になっていた |
管理職は組織内メンバーの回答状況を管理可能に。直接プッシュでのフォローにより回答率もアップ |
背景と課題
膨大な工数がかかる間接業務管理を効率化したい
どの企業でも、全社員を対象とする書類の提出やアンケートの依頼などの業務では、多大な手間が発生するでしょう。企業向けのシステム構築や運用、ネットワークサービスなどを展開する日立システムズでは、セキュリティチェック、eラーニング、年末調整など、人事部門や総務部門から全社員に向けた通知が月50件ほどもあり、その多くはメールによって発信されていました。
企業規模が大きくなるほど、依頼事項の管理やフォローは大変なものになります。1万人規模の同社では、膨大な作業になっていました。当時、グループIT企画部に所属し、ソリューション導入の検討を担当した青木氏は「全社員に間接業務を依頼し、フォローするのには、かなりの工数がかかっているだろうと思っていました」と語ります。
こうした依頼は、メールを主体としてグループウェアなどさまざまな手段によって行われており、一元管理できていませんでした。また、通知を受けた従業員の中には膨大なメールの中に埋もれたまま失念してしまう人もいて、再通知が必要なケースも少なくありませんでした。
「働き方改革に取り組む中で、間接業務の効率化が大きなポイントとなると考えていた時、通達の発信とフォローを効率的に行える新しいSaaSサービス『グループタスク リマインダーサービス』を日立ソリューションズから紹介されました。2018年12月のことでした」(青木氏)
「グループタスク リマインダーサービス」は、全社や部門内の従業員に対する依頼事項の管理を効率的に行うためのクラウド型サービスです。すでに日立ソリューションズで使われており、依頼事項に対する期限内の回答率が98.1%(※実績 2017年4月~2018年3月:543件、2018年4月~2019年3月:604件)になるなど、大きな成果を上げていました。
「当社の間接業務にもフィットすると直感しました」(青木氏)
選定と導入
社内から高い評価を得た上で、試験導入を経て全社導入を決定
同社ではそれまでもさまざまなタスク管理ツールが使われていましたが、部門単位やプロジェクト単位で使われていて、全社で使うツールはありませんでした。
「同じ日立グループの製品ですから、信頼感もありました。『グループタスク リマインダーサービス』を優先して検討を進めました」と内藤氏は経緯を語ります。
2019年1月から2月の間に総務部門も含めた社内向けのプレゼンテーションを2回実施しました。そこでは「今の課題にぴったりだ」「インターフェースがシンプルで、誰でもすぐに使えそう」「従業員に気づきを与えられそう」といった、「グループタスク リマインダーサービス」を高く評価する声が上がりました。
ただし、当時では不足している機能も見つかりました。終了しているタスクを完了処理する一括更新機能と、福利厚生関連のタスクなどを扱うための秘匿機能が必要だとされたのです。
「その旨を日立ソリューションズに伝えたところ、すぐに対応してくれて、機能が追加されました。その時の迅速な対応が、導入を後押しすることにもなりました」(青木氏)
2019年3月からIT本部で試験的に導入し、使い勝手や機能の中身をチェックするとともに、導入による効果を予測しました。
内藤氏は「従業員は『グループタスク リマインダーサービス』によって、視覚的にやるべきことや期限が分かります。また一人ひとりを自動的にフォローする仕組みも有効だと感じました」と当時の手応えを語ります。IT本部による検証を経て、2019年12月からは試験導入の範囲を拡大し、総務部門の約200人も対象にしました。
「総務部門への試験導入でも評価は良好でした。そこで、2020年3月からはイントラネットのトップ画面に『グループタスク リマインダーサービス』を組み込み、全社で活用していくことを決めました」(内藤氏)
「グループタスク リマインダーサービス」はSaaSサービスで、イントラネットに組み込むためのインターフェースも提供されていたため、導入はスムーズに進みました。社内向けに行った5回の導入説明会では、手順説明の資料や日立ソリューションズの事例紹介、導入後の効果測定のフォーマットが日立ソリューションズから提供されました。
「技術的なサポートだけでなく、社内説明に関するコンテンツ提供を受けられたことも、スムーズな運用開始に結び付きました」(青木氏)
成果と今後
日本企業の組織に合った、きめ細かな管理機能が有効
「グループタスク リマインダーサービス」は現在、大きく2つの業務領域で使われています。1つは人事や総務関係の書類提出やeラーニングコンテンツの案内など、全社レベルの業務。もう1つは週報の提出、業務の役割分担など、部門内での業務です。2020年の4月から7月までの3カ月間で約700件も使われ、全社レベルの業務が30件、残りは部門内での業務でした。
「総務部門のスタッフでもまだ慣れていない社員がいて、ついメールで依頼してしまうこともあるので、今は啓発活動に注力しています。実際に使った人からは『発信の仕方が視覚的で分かりやすい』『作業の効率が向上した』という声が上がっています。eラーニングも開始1週間で学習し終えた人の割合が、従来の50%から70%にアップしました。評判はよいですし、成果を大きくするためにも使う人を増やしていきたいです」(内藤氏)
管理職からの評価も上々です。
「『グループタスク リマインダーサービス』ではタスクを階層的に管理できます。管理職は組織内のメンバーの依頼事項に対する回答状況を管理できます。従業員は上司から再依頼されることになるので、プッシュの効果も高くなります。日本企業にとてもよく合っているシステムだと思います」(内藤氏)
経営層からは「グループタスク リマインダーサービス」に業務を集約して一元化するようにと期待されています。
さらには、新しい業務に「グループタスク リマインダーサービス」を活用したいという相談も寄せられています。
「ソフトウェアサポート契約を管理するシステムと連携させて、契約継続の期限を『グループタスク リマインダーサービス』に登録して、契約切れを防ぐことに役立てたいというシステム連携の案です。今後提供されるAPIで実現できる予定なので、検討を進めます」(内藤氏)
今後は「グループタスク リマインダーサービス」の活用対象を同社のグループ8社にも拡大する予定です。グループ全体としての効率化を図るのが狙いです。
「対象範囲を広げるとともに、タスク管理機能だけでなく、資産管理のリサーチや役割確認などにオプションとして提供されているアンケート機能の活用を検討しています」と内藤氏は今後の展望を語ります。
現在、「グループタスク リマインダーサービス」導入の責任者である馬場氏は「使えば必ず効果が上がるシステムです。定例の業務には先回りして使うようにアドバイスしたり、ほかのツールで行っている業務を置き換えてもらったりと、幅広く使ってもらうために利用部門にプッシュしていきます。年間の業務が一巡すれば、全社に定着する見込みです」と期待を語りました。
「グループタスク リマインダーサービス」のさらなる活用にアイデアを出し合い、業務効率化を推進する同社を、日立ソリューションズはこれからも支援していきます。
グループタスク リマインダーサービスの画面イメージ
実施対象者(従業員など)
自分への依頼事項のみが付箋で表示され、内容と優先度が一目瞭然。
部門管理者(管理職)
自部門をタイムリーに把握し、ワンクリックでフォロー。
発信者(依頼事項発行部門)
全体から詳細まで状況を把握できるなど、トータルな管理を実現。
グループタスク リマインダーサービスの画面イメージ
実施対象者(従業員など)
自分への依頼事項のみが付箋で表示され、内容と優先度が一目瞭然。
部門管理者(管理職)
自部門をタイムリーに把握し、ワンクリックでフォロー。
発信者(依頼事項発行部門)
全体から詳細まで状況を把握できるなど、トータルな管理を実現。
COMPANY PROFILE株式会社日立システムズ
幅広い規模・業種にわたる業務システムの構築、データセンター、ネットワークやセキュリティの運用・監視センター、コンタクトセンター、全国約300カ所のサービス拠点など、多彩なサービスインフラを生かしたシステム運用・監視・保守が強み。システムのコンサルティングから構築、導入、運用、保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーしたワンストップサービスを提供している。
- 所在地東京都品川区大崎1-2-1
- 設立1962年
- 従業員数9,761人(2020年3月31日現在、単独)、18,698人(2020年3月31日現在、連結)
- 事業内容システム構築事業、
システム運用・監視・保守事業、
ネットワークサービス事業、
情報関連機器・ソフトウェアの販売と開発 - ホームページhttps://www.hitachi-systems.com/
この事例に関するソリューション・商品
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本事例の内容は2020年10月14日公開当時のものです。
最終更新日:2020年10月14日