株式会社ユポ・コーポレーション様 情報・知識共有基盤 InWeave(インウィーブ)の導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

情報・知識共有基盤 InWeave(インウィーブ)の導入事例

株式会社ユポ・コーポレーション様

InWeaveを活用し、部門間のナレッジ共有コミュニケーション活性化

ポリプロピレン樹脂を主原料として作られる合成紙『ユポ®』の製造、加工等を手がけるユポ・コーポレーション。プラスティックフィルムの持つ耐水性、耐久性と、紙の持つ印刷、加工性能を併せ持つ合成紙の分野において世界トップシェアを誇ります。今回、製造・研究開発部門の「試作管理」業務の課題を解決するための情報基盤として「InWeave」を導入。部門間のナレッジ共有やコミュニケーションの活性化を図るこのシステムは、日立ソリューションズが開発を担当し、2010年4月から運用を開始しました。

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従来からの課題

電話や口頭に代わる新たなコミュニケーション基盤を模索

木村和幸 氏開発部 開発研究所 グループマネージャー
木村和幸 氏

 合成紙『ユポ®』は耐水性や耐久性に優れ、高い印刷、加工性能により商業印刷や商品ラベルをはじめ、気付かないけれども身近な場で使われています。この『ユポ®』の研究開発や用途開発を担うのが開発研究所と製造部です。「新製品の開発の際に試作品を製作するのですが、実際に製造ラインを使って試作品を作りますので、製造部と調整しながら工程に問題はないか確認していきます (木村氏)」。「『ユポ®』の製造ラインは長いので、細かい工程のアレンジが非常に難しい作業です。開発研究所との連携を密にして進めていかなければなりません(溝口氏)」。

これまでは部門間のコミュニケーションは、電話やメールを使用して行われていました。「製品に関するノウハウや知識は個人が蓄積しており、わからないことがあれば知っている人に聞く、という個人と個人のコミュニケーションが中心でした。ただ、電話では、言った・言わないの話になりやすいし、メールはどんどん新着メールの中に埋もれてしまうことがあり、課題を感じていました(溝口氏)」。
「また、『ユポ®』には約100種類の商品グレードがあります。それぞれに営業担当者がいて、開発の担当もいます。開発と製造の窓口である私と溝口には、情報が多すぎて、それぞれの試作品に対するフィードバックや各部署からの要望、関連資料などが把握しきれなくなってきていました。テーマ担当者間の連携不足で、過去の試作を重複して作ってしまうこともありました(木村氏)」。

 さらに、退職していく社員のノウハウの継承も重要なテーマでした。「営業も開発も製造も、いわば個人の頭と個人のパソコンの中にしか情報が残っていない状態でしたので、ノウハウが継承されない危機感がありました。情報を共有して、お互いの連携を深めるための仕組みが必要だったのです(木村氏)」。

システム選定と導入時の取り組み

自分たちのやりたいことをカスタマイズなしで実現

溝口慎一 氏鹿島工場 製造部
溝口慎一 氏

 試作品開発に関する情報共有とコミュニケーション活性化を目的に、システム導入を検討しはじめたのが2009年9月でした。「もともと既存のグループウェアに機能を追加する方向で検討していたのですが、InWeaveの説明を聞いて、自分たちがやりたいことがカスタマイズなしで実現できそうだということが分かりました(木村氏)」。その後、2010年2月に開発スタート、同4月に運用スタートというスケジュールでプロジェクトは進みました。

 「最終的にInWeaveに決定した決め手はソリューションの優位性です。SNSやブログ機能など、コミュニケーションに特化していて、我々の目的に対する機能が充実していると感じました(木村氏)」。
InWeaveで構築したこのシステムは、『Y-TOS』と名づけました。「『Y-TOS』は“Yupo Trail Operative System”の頭文字を組み合わせたものです。もともと“Trail”は“Trial”(試作)にする予定だったのですが、スペルミスをしてしまいまして(笑)。でも、“Trail”には、末尾・末端というような意味があることが分かりまして、現場の皆さんのためのシステム、皆さんの情報を集約して活用するのに相応しいと思い、“Trail”にした次第です(木村氏)」。
 『Y-TOS』は現在、開発研究所、製造部、営業部など100名のユーザーが参加し、運用されています。

導入後の効果

開発のスピードが高まり、試作1件ごとの密度が濃くなった

 InWeave導入の効果として、まず、情報の一元管理、共有が挙げられます。「一つの製品に対して、お客様の評価や検討会の資料など、営業情報、開発情報の履歴が一つのビジネスログに集約されるので、営業先からのニーズを把握することが容易になりました。また、システムに資料をアップロードしておき、事前に共有することで、社内の会議時間も短縮できましたし、情報不足による試作の重複も削減できました(木村氏)」。製造ラインを使った試作の無駄の削減は、開発コストの圧縮にも繋がりました。

製造部では、開発のスピードアップが効果として挙げられます。「メールではいつの間にか情報が新着メールの中に埋もれてしまいますが、InWeaveではテーマごとに投稿内容がずっと残るので、過去のやり取りも含めて、情報の検索性が高まりました。今まで個別に入手していた試作の情報も『Y-TOS』上で正確かつ迅速に把握することができます。社内のスペシャリストにアドバイスをもらいたいときも、共通のシステムがあるので容易ですし、口頭のやり取りで発生しがちな情報の伝達ミスなどもなくなるため、開発のスピードがアップしました(溝口氏)」。試作のコンセプトや目的、計画表、結果、お客様の評価といった一連の工程がビジネスログとして共有されることによって、試作1件に対する密度が濃くなったと感じます。
 確認や調整、あるいは作業の二度手間などでロスしていた時間を、これからは新たな研究や開発など、「攻め」の時間に使えるようになるのではと期待しています。

今後の展望

更なる利用促進が今後の課題

 試作だけでなく、研究所全体のテーマを毎月報告することで、更なる情報共有のツールとして活用することが次の目標です。「利用者に積極的に利用してもらうことが今後の課題です。営業のお客様への訪問履歴を『コミュニティ』上に登録してもらい、そこから読み取れるニーズを研究テーマとし『ビジネスログ』として共有する。そこから試作、結果、考察というサイクルを循環させていきたいですね(木村氏)」。利用促進のために、仕事だけでなく趣味に関する書き込みを増やしたり、スマートフォンや携帯電話からもアクセスできるようにすることも検討したいです。

 今後の展開として社内のグループウェアとの連携なども検討中です。「細かい使い勝手の部分で改善の余地がありますが、まずは社内で使ってもらうことが大事です。そのために、社内のグループウェアと『Y-TOS』が連動できれば一気に利用者が増えると思います(溝口氏)」。「ISO取得に関する情報や、研究所で取り組んでいる様々な情報を集約して、ナレッジDBのような使い方も試行したいと考えています(木村氏)」。

日立ソリューションズへのコメント

「カスタマイズなしで導入でき、初期の目標は達することができました。システム導入前には使い方の説明も丁寧に対応していただきましたし感謝しています(木村氏)」。「日々の運用での細かい質問などへのきめ細かい対応や、新製品などの最新情報や動向を案内していただき、さらに『Y-TOS』を熟成させていきたいですね(溝口氏)」。

株式会社ユポ・コーポレーション

ユポ・コーポレーションが手がける合成紙『ユポ®』は、世界数十カ国で利用されています。耐水性や耐久性に優れ、紙の持つ美しい風合いを併せ持つ『ユポ®』は商業印刷をはじめ、商品ラベルやパッケージなど様々な分野の素材に応用されています。合成紙のリーディングカンパニーである同社は、ニーズを先取りした研究開発や用途開発のもと、常に革新を続けています。

本社所在地 東京都千代田区神田駿河台4丁目3番地 新お茶の水ビル15階 株式会社ユポ・コーポレーション
設立 1969年5月
従業員数 286名(2011年3月現在)
資本金 495百万円
事業内容 合成紙『ユポ®』の製造、加工、販売等
URL http://japan.yupo.com/

ユポは株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標です。

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本事例の内容は2011年6月14日公開当時のものです。

最終更新日:2011年6月14日