指静脈認証システム 静紋の導入事例
株式会社日立システムズ(旧 株式会社日立情報システムズ)様「静紋」による指静脈認証で出退勤記録を確実に 日立情報システムズの勤怠管理ASPサービス
株式会社日立情報システムズは、日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社の「静紋(じょうもん)」を認証の仕組みとして採用した勤怠管理ASPサービス「ChronosMate(クロノスメイト)」の提供を開始した。勤怠管理業務の負担軽減となりすまし防止を両立するものとして、多くの企業から引き合いがあるという。新サービスについて、日立情報システムズ流通情報サービス事業部の河村公男氏、流通産業営業本部の田渕潔氏に話を伺った。
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勤怠管理に特化したASPサービスの提供を開始
河村公男 氏
株式会社日立情報システムズ(日立情報)は、日立グループの数あるIT子会社の中でも、創業50年を超えるという特に長い歴史を誇る企業だ。自社開発のパッケージを活用したシステム構築事業、およびアウトソーシングを含むシステム運用事業をビジネスの柱とし、官公庁・地方自治体をはじめ、幅広い業界の企業を対象にビジネスを展開している。
日立情報がここ数年力を入れて取り組むビジネスの一つが、安全性に優れたデータセンターで運用するASPサービスである。同社のASPサービスは、通信事業者向け、保険代理店向け、福祉事業者向けなど業種・業態に特化した業務系を中心に、Webセキュリティ、メールセキュリティ、グループウェアなど、多種多様なサービスが用意されている。とりわけ、多店舗を展開する企業向けのサービスには定評があり、低コストで導入・運用できるソリューションとして多くの企業が採用している。
そうしたASPサービスとして日立情報が2009年8月にリリースしたのが、「ChronosMate(クロノスメイト)」だ。
「ChronosMateは、もともと外食・飲食業の店舗向けに提供し、50社以上に採用実績のあるBistroMate(ビストロメイト)という経営サポートシステムをベースにしています。BistroMateでは、受発注や在庫管理、売上管理、調理食材のレシピといったさまざまな機能を提供していますが、そうした機能のうち勤怠管理をあらゆる業種に適用できるようにしたものがChronosMateです」(河村氏)
管理の負荷軽減とコスト削減を両立
田渕 潔 氏
ChronosMateを開発するきっかけとなったのは、BistroMateの勤怠管理機能の引き合いが多かったことが理由だという。
「勤怠管理は、業種に依存する部分が比較的少ない業務です。システムをある程度標準化できて、多様な業種に適用できると考えています。その中でも、ChronosMateがターゲットとしているのは、多店舗を展開する企業です」(田渕氏)
ChronosMateの特長としてまず挙げられるのが、インターネットへの接続回線とWebブラウザが動作するコンピュータさえあれば良いという点だ。専用のコンピュータを別途用意する必要がないので、初期投資コストを抑えることができる。
もう一つ、大きな特長と言えるのが、日立ソフトの指静脈認証システム「静紋」を採用した点だ。静紋は、勤怠情報を入力する際に利用する仕組みになっている。一般的な勤怠管理では、たとえば出退勤時にタイムカードをレコーダに挿入する方法がある。しかし、タイムカードの場合、毎月の消耗品が必要になるほか、他人が代理で打刻する“なりすまし”も不可能ではない。万一、なりすましがあれば、本来は支払わなくてもよい人件費が計上されてしまうことになる。こうしたリスクを回避するために、ChronosMateでは静紋を採用したのだという。
「ChronosMateでは、従業員の出退勤時に静紋に指をかざして認証を行い、勤怠情報を登録します。これにより、タイムカードを発行したり勤務時間を集計したりなどの勤怠管理にかかる作業負荷が大幅に軽減されます。また、タイムカードなどの消耗品にかかるコストが不要になり、紙を使わないためエコへの取り組みにも寄与します。また、他人が代理で勤怠情報を登録することができないので、なりすましを確実に防ぎ、適正な人件費を計上することが可能になります」(河村氏)
「最近、企業においては、時間外労働を抑えた働きやすい職場をづくりが課題となっていますが、ChronosMateを使うことによって、①労働計画の作成、②事前の残業申請、③本人による確実な出退勤の記録、が可能になりますので、残業の抑制と仕事の効率アップの両方を改善することが期待できます。」(田渕氏)
コンプライアンスに対応した勤怠管理を実現
静紋で認証が行われた勤怠情報は、日立情報のデータセンターにあるサーバにリアルタイムで更新され、一元的に管理される。実際に導入される現場では、どうしても完全を期すことが難しいセキュリティも、データセンターの厳しいルールに基づいて管理することで、十分な対応ができる。
導入後は、必要に応じてシフトパターンを基にした勤務予定、予定人件費算出、作業割当(ワークスケジュール)が登録できるシフト管理機能を利用可能だ。また、オプションとしてワークフロー機能が用意されており、申請から承認までの業務を即座に行える。
さらに、給与システムとの連動機能にも標準で対応する。部署別・属性別・職種別に予算を考慮した人件費、従業員別に設定された時給単価を用いた概算人件費などを一覧表示できるので、本部の管理部門が各店舗の勤怠状況を把握するのにも役に立つだろう。
「労働基準法に基づいた管理が可能で、定められた労働時間、超過勤務時間を超えてはいないかというチェックができますから、コンプライアンス対応という面でも貢献します」(河村氏)
現在は、チェーンストアを経営する小売業への導入が進んでおり、サービス業、製造業の工場、地方自治体からも引き合いがあるという。
「ChronosMateは、2週間程度の導入期間だけですぐに運用することが可能です。初期導入コストも勤怠管理用のパッケージソフトウェアに比較して大幅にリーズナブルであり、毎月の経常費(ASPサービスの利用料)も社員1名あたり315円(税込)、パート・アルバイト1名あたり92円(税込)という安価な設定にしています」(田渕氏)
なお、ChronosMateは24時間365日利用が可能なほか、専任のヘルプデスクも24時間365日待機しているため、サポート体制も万全だ。
静紋を採用したChronosMateを導入すれば、コンプライアンスに対応する正しい勤怠管理が行えるだけでなく、無駄な人件費を削減したり、運用にかかるコストを圧縮できたりといったようにさまざまな導入効果が期待できる。指静脈認証の新しい利用シーンという観点からも、ChronosMateの今後の動向に注目していただきたい。
株式会社日立システムズ(旧 株式会社日立情報システムズ)
本社所在地 | 東京都品川区大崎1-2-1 |
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設立 | 1959年6月15日 |
代表者 | 原 巖 |
従業員数 | 7328名(連結・2009年3月31日現在) |
事業内容 | システム運用、システム構築、機器・サプライ品販売 |
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