指静脈認証システム 静紋の導入事例
株式会社シービーエス様タイムカードに代わる指静脈認証でセキュリティを強化。“人”で成り立つ信頼の事業基盤を揺るぎないものに
ビルメンテナンス業界の老舗企業である株式会社シービーエスは、複数の打刻方式に対応した勤怠管理システムの導入にあたり、日立ソリューションズが提供する指静脈認証システム「静紋」を選択。第三者による偽造・改ざんが困難な認証方法がセキュリティ強化の決め手となり、タイムカードに代わる認証装置100台を導入。確実な本人認証により正確な勤怠管理を実現しつつ、利便性とコンプライアンス強化の両立に成功しています。
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背景
タイムカードの問題点が顕在化
小坂 珠実 氏
1960年の創業以来、ビルメンテナンスやセキュリティの分野でお客さまの信頼を獲得してきた株式会社シービーエス。その実績に裏付けられた豊かな知見、確かな技術力、そして、機動力あふれる人材による総合能力の高さを強みに、お客さまの資産価値向上をサポートしています。2023年2月、創業以来63年にわたり同社の成長を牽引してきた西村日出穂氏が会長に就任。新たに代表取締役社長となった小坂珠実氏は、「創業社長の後任だからとあまり気負わずに、“人と技術のシービーエス”を継承しつつ新しいことにも挑戦していきたい」と前置きしたうえで、こう語ります。
「ストックビジネスと言われてきたビルメンテンナンス業界も、不動産の証券化や人材の高齢化、人手不足などを背景に変革を余儀なくされています。従来と同じやり方、考え方では先がありませんから、これまで課題として認識してきたことに対しても、新たな気持ちで改善への取り組みを進めています。その一つが勤怠管理システムの新規導入でした」
導入前は、毎月1回、およそ1,800名分の紙のタイムカードを本社の社員が現場から回収。その後数日かけて給与計算のためのチェックおよび集計を手作業で行うため、勤務状況を把握できるのは約1カ月後でした。
「打刻漏れや残業時間について集計時にチェックしようにも何一つエビデンスがないため、たとえ第三者が誤って打刻したとしても承認するしかなく、正確な勤務状況の把握ができません。コンプライアンス対策が急務であると同時に、タイムカードの回収、チェック、集計にかかる担当者への負担は看過できないと考えていました」(小坂氏)
塩見氏も、「そもそも、タイムカードの処理自体に追われ現場の労務管理やタイムマネジメント、働き方改革といった本来の業務に費やすべき時間が制限されてしまうのは望ましくない状況でした。勤怠管理システムの導入には、こうした現状を一気に改善する狙いがありました」と振り返ります。
取り組み
偽造・改ざんが困難な認証方法が決め手に
塩見 真吾 氏
導入を決めた勤怠管理システム※は、ICカードをはじめ、音声ガイダンスによる通話打刻、スマートフォンやタブレットによる打刻など複数の打刻方式に対応していますが、同社が選択したのは日立ソリューションズが提供する指静脈認証システム「静紋」でした。「静紋」は、偽造・改ざんが困難な指内部の静脈パターンを活用し、高精度かつ高セキュリティな本人認証をスピーディーに実現する装置です。「静紋」に最も期待したのは高度なセキュリティの確保だとして、塩見氏はその理由をこう説明します。
「『静紋』は専用の認証装置が必要なため、コストだけを考えたらタブレット1つで完結する顔認証のほうが効率的です。しかし、ほかの生体認証と異なり、体の内部を読み取る『静紋』は、外部から容易に情報を取得される心配がありません。また、本人が意図的に提供しない限り認証は行えませんので、第三者に利用されることなく確実な本人認証が可能になります」
ただ、外国人スタッフも多数雇用している同社では、指紋認証と勘違いされることによる抵抗感に配慮し、導入にあたっては、指紋認証と指静脈認証の違いを丁寧に説明することに力を尽くしたと言います。
効果
労務管理のクオリティ向上に期待
こうして2020年、「静紋」の認証装置100台の導入を完了。「静紋」は指をかざすだけの簡単な操作のため、高齢者の多い現場社員へのトレーニングも不要でした。冬場に手がかじかんで読み取りにくいケースが稀にあったものの、運用上問題になることはなく、現在も安定的に運用できています。
塩見氏は、「『静紋』そのものの導入は簡単ですが、労働基準法に則った勤怠管理を適切に行えるよう、働き方改革と称して体制面・制度面を整えることに苦慮した時間のほうが長かったように思います。そこをセットで進めない限り、システムだけ導入してもうまくはいきません」としたうえで、その効果をこう評価しています。
「タイムカードで運用していた当初は勤務状況を把握できるのは約1カ月後でしたが、『静紋』の導入により、タイムカードの回収や集計作業に人手を取られることなく、また、取得データをリアルタイムに収集し、勤怠管理システムで可視化できるようになったことで、労務管理業務のクオリティは向上しました。業務の効率化を実現したことにより、本社の担当者が本来の業務に注力できるようになったことが、喜ばしい変化です。もちろん、確実な本人認証によりセキュリティを確保するという一番の目的も達成できましたし、『静紋』を選択して正解だったと確信しています」
展望
グループ全体でコンプライアンス確立へ
シービーエスでは、グループ会社にも「静紋」による勤怠打刻を拡大していく計画で、準備を進めています。事前検証では、日立ソリューションズが同社を訪問し、さまざまなケースを想定した問い合わせに対応しました。
再生エネルギー事業やミャンマーでの事業展開など、社会のニーズに応えるべく、ビルメンテナンスの枠を超えて変化に挑戦し続けるシービーエス。その核となるのは、創業以来大切にしてきた「人」であり「技術」です。信頼の基盤をさらに揺るぎないものにするために、コンプライアンスの確保を重要な経営課題の一つに位置付ける同社にとって、「静紋」の活用は大きな意味を持っています。
※今回導入された勤怠管理システムは、KYODOU株式会社の「ShiftMAX ハイブリッド型シフト&勤怠システム」です。その生体認証装置として「静紋」が採用されています。勤務する人、シフトが頻繁に入れ替わる警備やビルメンテナンスの現場業務では特に「ShiftMAX ハイブリッド型シフト&勤怠システム」と「静紋」の相性が良く、多くの企業で導入、活用されています。
利用者と管理者双方の負荷を軽減しつつ確実な本人認証を行う仕組みを提供
- 指1本をかざすだけの簡単操作でスピーディーに認証を実施
- 外部からは見えない指内部の静脈の特徴を利用するため、第三者による偽造・改ざんが困難
- 利用者はパスワードのように記憶したり、ICカードのように持ち歩いたりする必要がなく、紛失によるリスクや再発行に伴う管理業務の負荷も軽減
- 指内部の静脈の特徴を画像処理して認証するため、指の表皮の傷や汚れの影響を受けにくく、優れた認証精度を実現
株式会社シービーエス
所在地 | 東京都港区西新橋一丁目6番15号 NS虎ノ門ビル 9階 | |
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設立 | 1960年1月 | |
従業員数 | 1,924名(2023年8月末時点) | |
事業内容 | ファシリティ・マネジメントサービス | |
URL | https://www.group-c.co.jp |
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本事例の内容は2023年11月1日公開当時のものです。
最終更新日:2023年11月1日