一般財団法人 安全保障貿易情報センター(CISTEC)様 活文 Document Rights Managerの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

活文 Document Rights Managerの導入事例

一般財団法人 安全保障貿易情報センター(CISTEC)様

※「活文 NAVIstaff」は「活文 Document Rights Manager」に名称が変わりました。本事例内容は公開当時のものです。

アドビの権限管理技術と日立ソリューションズ『活文 NAVIstaff』によって、オンライン検索サービスを利用するユーザの利便性向上とセキュリティ確保の両立を実現

一般財団法人 安全保障貿易情報センター(以下:CISTEC)では、「総合データベース」事業を通じ、輸出に携わる企業等の安全保障貿易管理に役立つ情報を提供しています。CISTECでは、アドビの権限管理技術をベースにした日立ソリューションズの『活文NAVIstaff(以下、活文)』を活用することで、データベースユーザの利便性向上とデータベースで提供しているコンテンツのセキュリティ確保の両立を実現しました。

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導入の背景

輸出用民生品や技術の軍事転用を防止する国際的な安全保障貿易管理

グローバル化の進展によって、貿易の果たす役割はますます大きくなっています。それに応じて、軍事転用可能な民生品や技術が大量破壊兵器などの開発を行っている国家やテロリストの手に渡るリスクも高まります。そこで国際社会は、先進国を中心とした国際的な輸出規制のスキームをつくり、軍事転用可能な民生品や技術の輸出を適切に管理する安全保障貿易管理に取り組んでいます。

我が国では、これらの国際的な取り決めを外国為替及び外国貿易法のもとで実施しており、輸出に携わる多くの企業等がコンプライアンスと社会的責任を果たす上で重要課題と位置づけ、積極的に取組んでいます。CISTECは、1989年に設立された日本唯一の輸出管理問題に関する民間の非営利総合推進機関です。

CISTECは国際的な平和および安全の維持・確保に寄与することを目指し、日本の経済活動と調和した合理的な安全保障貿易管理の実現に向け、輸出に携わる企業等の自主管理を支援しています。現在、CISTECの会員は輸出を支える商社や大手メーカーなど392社であり、安全保障貿易管理を支援する情報提供に加えて、輸出管理に関する基礎資料の収集・分析、規制内容を明確化した出版物の発行、各種相談業務、研修会などの事業を展開しています。

FAXによる情報提供からオンラインによる情報提供への移行

CISTECは企業等の安全保障貿易管理を推進する上で欠かせない、顧客管理および用途確認等で有用な内外の情報を系統的に収集。その成果を蓄積した「CISTEC総合データベース」を構築し、商談を推進する上で参考となる顧客情報等を会員に提供しています。
ただ、顧客情報等は著作権保護に関わるセンシティブなものであり、著作権者との契約により、あらかじめ利用登録されたユーザ(以下ユーザ)以外の第三者による利用が禁止されています。そのため、サービスのオンライン化に当たっては、高度なセキュリティときめ細かなポリシー管理が求められます。

従来はユーザからの依頼に始まり、顧客情報等の提供までの一連の作業をFAXでやりとりしていました。CISTECの専任担当者が毎日10~20件をユーザあてにFAXしていたのです。かなりの手間暇がかかるため、CISTECでは2007年頃から電子化の検討を開始。
ただ、顧客情報等は著作権保護の観点から電子化した場合の情報拡散のリスクを避けなければなりません。そこで、ブラウザ上で容易に操作でき、必要な情報だけをユーザに安全に配信できるという株式会社日立ソリューションズの『活文』を採用し、情報提供元の理解を得て2008年にFAXからオンライン検索システムに移行しました。

『活文』とは日立ソリューションズがアドビ システムズの権限管理技術を応用して開発した、セキュリティの高いドキュメント統制システムであり、次のような特長があります。

  • 文書形式標準化:様々な文書形式をPDFに標準化
  • ポリシー統制:社外秘文書はパスワードを設定して印刷を禁止する、部外秘文書は「電子透かし」を入れるなど、運用規程に則った文書活動を確立
  • 動的コントロール:PDFドキュメント配布後も利用状況を把握し、閲覧を制御して重要文書の運用リスクを軽減
  • 文書標準化とポリシー統制:各種ビジネス文書の標準化と同時に、ポリシー制御によるセキュリティ付加が可能

導入後の効果

きめ細かなセキュリティコントロールで情報を安全に配信

FAXからオンライン検索への移行に半年間の準備期間を要した後、2008年10月からオンライン検索サービスを開始したシステムは、CISTEC担当者の負担を軽くしただけでなく、利用者にも大きなメリットをもたらしています。

CISTECではサービス開始に先立ち、データベースにある数万件の顧客情報等をPDF化した上で、権限を付与。それによって、きめ細かな文書のアクセス制御やポリシー管理が可能になり、ユーザ以外のPDF閲覧防止、印刷およびコピーペースト機能の制限、閲覧可能期間の設定なども実現しています。また、情報提供元との契約条件を満たすために、海外からのアクセス制限も実施しています。
こうしたさまざまな閲覧制限ができるのも、『活文』にシステム開発を加えることによって実現した、きめ細かなポリシーコントロールのおかげです。また、FAX時代には不可能だった24時間のサービス提供も実現できました。さらに、Adobe Readerさえあれば必要な情報を閲覧できますので、ユーザは余計な負担を強いられることはありません。

CISTECでは、今まではユーザからの問い合わせをもとに情報を検索してFAXで送信するまでに実質1日かかっていました。オンライン検索システム導入によってペーパーレス化でき、ユーザはブラウザ上で必要な情報を入力すれば即座に必要な情報を取り出すことができるようになりました。一方CISTECにおいても、担当者が本来のデータコンテンツの拡充に専念できるようになりました。

また、ユーザがオンラインで直接検索できるので、第三者であるCISTECに取引先を知られないで済むことから、ユーザにも好評だと言います。さらに、情報の中身を充実できるようになってユーザ数も増加するなど、今回のシステム導入に対するROIは高いと、CISTECでは評価しています。

今後CISTECでは検索機能を充実させ、さらに情報の質を高め、顧客にとって一層使いやすいシステムを目指す計画です。CISTECは小さな組織であり運用面から自前のサーバを持たないことを決断したのですが、それが結果的にクラウドでした。今後CISTECではセキュリティサーバなど基幹業務のシステムもクラウド化する予定です。

秘匿情報を安全に配信できるクラウドによるドキュメント統制システム『活文』 秘匿情報を安全に配信できるクラウドによるドキュメント統制システム『活文』

お客様の感想

「今回のシステム導入によって、お客様はリアルタイムで必要な情報を安心して検索・利用できるようになりました。また、担当者のペーパーワークがなくなった結果、情報の中身を充実することができるようになりました」

一般財団法人 安全保障貿易情報センター(CISTEC)

1989年4月に設立されたCISTECは、国際的な平和および安全の維持・確保に寄与することを目指し、日本の経済活動と調和した合理的な輸出管理を実現するための活動を展開しています。専門家の英知を集めて安全保障輸出管理に関する知識(ナレッジ)を蓄積し、日本産業界の自主輸出管理をあらゆる手段でサポートしています。

所在地 東京都港区虎ノ門1-1-21 新虎ノ門実業会館 4階 一般財団法人 安全保障貿易情報センター(CISTEC
設立 1989年 4月
業種 情報提供サービス
URL http://www.cistec.or.jp/index.html

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本事例の内容は2011年10月25日公開当時のものです。

最終更新日:2011年10月25日