活文 Contents Lifecycle Managerの導入事例
日本大学商学部様大量の会議資料作成作業を省力化。
iPadを利用し、100名以上が参加するペーパーレス会議の運用基盤として「活文」を導入。
日本大学商学部では、新本館竣工によって整備される無線LAN環境を活用した教授会のペーパーレス化を構想。
従来、会議参加者に配布していた紙の資料づくりの省力化や、会議後の情報流出対策などを可能にする新たな管理運用基盤として、「活文 Contents Lifecycle Manager(旧 ラビニティ One)」※を導入しました。
※日本大学商学部へは旧名称:ラビニティ Oneとして導入。
「ラビニティ One」は「活文 Contents Lifecycle Manager」に名称が変わりました。
この事例に関するソリューション・商品
導入の背景
新本館竣工による無線LAN環境整備に合わせて、教授会のペーパーレス化を検討。
石本 浩二 氏
日本大学商学部では、キャンパス整備事業の一環として建築が進められていた新本館(管理・研究棟)が2014年7月に竣工し、9月から新たな環境で業務がスタートしました。そうした流れと並行して検討されていたのが教授会のペーパーレス化。その理由と目的について、庶務課課長の石本浩二氏にお聞きしました。
「ペーパーレス化検討の要因の一つは、大量の会議資料でした。従来は、教授会のたびに紙の資料を作成して配布していましたが、約100名の参加者に毎回100~200ページの資料を用意する必要がありました。教授会は、少なくとも月に2回は開かれます。このほかにも、約30種類の各種委員会があります。こうした会議の資料作成に関わるコスト削減と、担当者の作業の省力化が新システム導入の主な目的でした。また、紙で配る従来の方式では、会議終了後に非公開資料を回収して情報が流出しないようにしていましたが、回収漏れが出てしまう懸念がありました。資料をデータ化すれば、会議終了と同時に管理側で消去することで情報流出を防げるというのも、ペーパーレス化の狙いの一つでした。こうした構想の背景にあったのが、新本館の建築です。建物の完成とともに無線LANなどのネットワーク環境が整備される予定になっていたので、これを活用した新たな会議スタイルの構築をめざすことになりました」(石本氏)
選定までの経緯
会議システムから文書管理システムへ、操作性を優先に選定の方針を転換。
新しい会議システムの選定に向けて、どのような検討作業が行われたのでしょうか。そして、どのような機能を求めていたのでしょう。
「会議システムの検討を始めた当初は、同じ日本大学の他学部へ行ってすでに導入している事例を見学しました。機能的には、タブレット端末のタッチパネル上にメモを書き込めるものなどをチェックしていました。そのとき感じたのが、機能を増やすと操作が複雑になってしまうということでした。教授会では、タブレット端末に慣れていない方も使うことになります。もともと、これまで紙の資料だったものをタブレット端末で見られるようにするというのをめざしていて、企業のビジネス会議のようにその資料を基にディスカッションをして何かを書き込むという使い方は想定していなかったので、会議を進行する機能より資料の管理機能を優先したシステムが適しているのかもしれないなと考えるようになりました」(石本氏)
最終的な選定に向けて、ポイントとなったのはどのような機能だったのでしょうか。
「最終的には、10社ほどの提案を比較検討しました。その中には、会議システムや文書管理システムが混在していました。日立ソリューションズから提案された文書管理システム『活文 Contents Lifecycle Manager』に決定した一番の理由は、やはり操作性でした。とにかく、タブレット端末がシンプルに使えること。書き込む機能などは不要なので、簡単なボタン操作で資料を見られるようにという要望に応えてくれるというのが選定の決め手でした。あとは、過去の会議資料の管理もしやすくなるという期待もありました」(石本氏)
導入時の取り組み
一番の要望はシンプルな操作性。会議の種類に応じて、アクセスできる権限を設定。
「活文」の採用とiPadの利用が決定したのは、2014年3月。そこからは、9月の新本館竣工と同時に稼働できるように、ハイペースでシステムの開発と構築が進められました。
「採用決定からしばらくは、週に1回くらいのペースで打ち合わせを行っていました。8月になると大学が夏休みに入ってしまうので、7月からのテストを目標に、5月末から約1ヶ月間でシステムを設計・構築し、何回もテストを繰り返しました。設計期間中に強くお願いしたのは、とにかくシンプルに使えるようにということ。あと、意外と時間がかかったのが、アクセス権の設定の部分でしたね。教授会だけでなく各種委員会にも使ってもらうために、会議ごとに誰がアクセスできるかを管理する機能です。今回のシステム用にタブレット端末を配ったのは教員、職員を合わせて約130名。まず、新システムの対象となる会議をすべて抽出し、その会議に出席する構成員をあてはめて、アクセス権を振り分けていきました。7月に入ってからは、普段は会議を行わない場所の1号館で無線LAN環境を使って会議を開き、実際に操作ができるかなどをチェックしました。また、日立ソリューションズによる説明会も、何度か開いてもらいました」(石本氏)
導入後の効果
省力化やセキュリティ確保など、ペーパーレス会議に求めていた環境はほぼ実現。
新本館の竣工と業務開始に合わせて、「活文」を使った新たな環境での会議が行われるようになりました。ペーパーレス化された会議に、参加者の皆さんはどのような反応を示していたのでしょう。
「会議を進めるうえで、特に問題となるようなことはありませんでした。ただ、これまでとはガラッと環境が変わったわけですから、戸惑いを感じている方はいましたね。それは、私たちもある程度は想定していました。全体的には数か月で使い方にも慣れてきたようで、新環境への理解も浸透してきているといった状況です」(石本氏)
会議を管理運営する側では、今回の新システム導入によってどのような変化を感じているのでしょう。
「私たち管理事務を行う側で変わったことといえば、まず資料作成の負担が大幅に減ったことに加えて、会議直前の資料の内容差し替えへの対応が容易になりました。なんといっても、印刷のための時間が必要なくなりましたから。以前は会議の日の午前中までには内容が固まっていないと、100部の資料を用意するには間に合いませんでした。また、資料の管理面に関しては、まだ使い始めてからの期間が短いので何ともいえませんが、今後、資料のデータが蓄積していったときには、検索がしやすいなどの便利さを感じるだろうと思っています。また、会議後の資料回収については、現在は終了後にいったんデータを消去して、公開できるものだけをまた閲覧できるファイルに戻しています。こうしたセキュリティの確保も含めて、今回のシステムに求めていた環境はほぼ整ったというのが現在の感想です」(石本氏)
今後の展望
新環境の定着とともに利用者から細かい要望も。
活用事例の紹介など情報提供に期待。
教授会と各種委員会のペーパーレス化が実現したところで、今後の「活文」の活用イメージや、拡張を希望する機能などはあるでしょうか。
「実際に数か月利用してみた段階で、私たちとしては具体的な要望とか拡張イメージはありません。最近は教授の皆さんも慣れてきたようで、iPadを持って会議室に集まるというスタイルも定着してきました。ただ、そうして使い慣れていくにしたがって、これから少しずつ要望が出てくるのかもしれません。例えば、会議資料を前もって午前中に見ることはできないかという声もあります。これは、システムに対する感想というより、運営の仕方への要望です」(石本氏)
最後に、今後のサポートやサービスなど、日立ソリューションズへの要望をお聞きしました。
「今後のことをいえば、日立ソリューションズには、ほかの学校や企業ではこういう使い方をしていますよという情報の提供を期待しています。それがヒントになって、こちらでも新たにやりたいことが出てくるかもしれないので、積極的に提案していただければと思っています」(石本氏)
日本大学商学部
日本大学商学部は、1904年に設立した110年を超える歴史と伝統を有する学部です。現在は、商業学科、経営学科、会計学科の3学科制。
「21世紀における学びと創造の場」というコンセプトのもとに建てられた新校舎が並ぶ砧キャンパスで、世界的視野で活躍できる専門能力、人間力を備えた人材の育成を進めています。
所在地 | 東京都世田谷区砧 5-2-1 | |
---|---|---|
設立 | 1904年 | |
学部長 | 小関 勇 | |
URL | http://www.bus.nihon-u.ac.jp/ |
この事例に関するソリューション・商品
導入事例ダウンロード
本事例の内容は2015年3月23日公開当時のものです。
最終更新日:2015年3月23日