活文 File Server Optimizerの導入事例
宝塚市教育委員会様センターのファイルサーバにたまり続けるデータの削除と整理を促進するために「活文」を導入。 各先生が自らデータを整理、削除する運用でスリム化を実現。
宝塚市教育委員会では、市内の公立幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校で発生するデータを一括管理しているセンターのファイルサーバの安定稼働と、ファイルを活用しやすい保管環境を整備するために「活文 File Server Optimizer(以下、活文)」を導入。
約1ヶ月でファイルサーバの空き容量増加を実現し、各先生が負担なく自らデータを削除する運用方法を確立しました。
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導入の背景
データの増大と必要なファイルをすぐに見つけられない状態への強い危機感が背景に。
筒井 啓介氏
兵庫県南東部に位置し、「歌劇の街」として知られている宝塚市。その市内には公立の幼稚園12園、小学校24校、中学校12校、特別支援学校1校があり、各学校・園の業務や授業、行事などで発生する様々なデジタルデータを、宝塚市立教育総合センターのファイルサーバで一括管理しています。
導入前のサーバ利用状況について、指導主事の筒井啓介氏にお聞きしました。
「現在稼働しているセンターのファイルサーバを中心としたネットワークが宝塚市に整備されたのは2009年。
それ以前には、各学校の職員室やコンピュータ室にファイルサーバを置いていた時代もありました。そもそも、学校のサーバにどのようなデータが入っているかというと、業務関連の書類のほかに、教材、各種行事の写真や動画などがあります。
なかでも、大きな容量を占めているのは入学式、卒業式、修学旅行などを撮影した写真や動画ですね。これらは、小学校なら6年間、中学校なら3年間は保存しておいて卒業アルバムを作る際に使います。
また、過去の行事の様子もわかるようにしたいと思ったら、さらに長期間とっておくことになります。
私自身も、中学校で教師をしていたときの資料や教材などを今も持っているのでわかるのですが、先生というのはデータだけでなく紙の書類や生徒が作った作品などを、いつかまた使えるだろうと、なかなか捨てられない人が多いのです。
また、定期的に転勤があるので、データを保存した先生がいなくなることもよくあります。
そうなると、人のデータにはなかなか手が出せない、消せないということになります。
そうしたことが積み重なって、サーバの容量不足だけでなく、サーバ内が煩雑になってしまい、必要なときに必要なファイルをすぐに探せないという課題も発生していました。
生徒たちに整理整頓が大事だと言う前に、先生たちのデータをなんとかしなくてはという危機感が強まってきていたのが、導入前の状況でした」(筒井氏)
選定までの経緯
OSのリプレースをきっかけに、今後のデータ増加を見越したファイルサーバ強化の一環として導入。
宝塚市教育委員会では、市内の学校・園に配備されている約3,000台のパソコンやセンターのファイルサーバの使用状況などについて、システム全体の運用を委託していた日立ソリューションズと毎月定例会を行い、検討を重ねていました。そうした中で「活文」は、どのような経緯で導入されたのでしょうか。
「きっかけとなったのは、2013年のWindows XPからWindows 7へのOSリプレースでした。それ以前からも、サーバ内のデータ量は年々増加していました。
その理由には、先生方が使っているデジタルカメラが高性能になって写真のデータ容量が大きくなっていることや、デジタル教科書やデジタルコンテンツを利用する先生が増えたことなどがあります。
こうして増え続けるデータを自らチェックして削除に協力してくださる先生がいる一方で、ファイルサーバの容量を増やして欲しいといった声もありました。
そうしたタイミングでOSをリプレースすることになり、これに合わせてセンターのファイルサーバシステム全体も改めて見直すことにしました。
その際に、日頃から定例会で課題を共有していた日立ソリューションズから、今後のデータ増加を見越したファイルサーバ強化について提案をいただきました。
その内容が、私たちがサーバについて抱いていた危機感の解消につながるものだったことから、容量の増大と高速化、そして『活文』の導入を決定しました」(筒井氏)
導入時の取り組み
「活文」でファイルサーバ内の状況を可視化しつつ、各学校に大容量ファイル、古いファイルなどの削除を依頼。
2013年7~8月にかけてWindowsOSのリプレースと同時にセンターのファイルサーバの強化が行われ、2014年3月には「活文」が本格稼働しました。
「本格稼働から半年ぐらいは『活文』によってサーバ内の可視化を重点的に行いました。そして、予想通り容量が増え始めた際にまず取り組んだのが、『マイドキュメント』というフォルダの整理でした。
マイドキュメントは、先生ごとにフォルダが作成されているので、Windows自体の管理機能を利用し、フォルダの容量が2GBを超えている先生や学校に通知し、削除やローカルディスクへの移動を促すことで、容量削減が進みました。
次にめざしたのが教職員共有フォルダのスリム化でしたが、ここで大きな役割を果たしてくれたのが『活文』でした」(筒井氏)
「教職員共有フォルダには、学校の先生方がみんなで見たり使ったりする共有データが学校ごとに保存されているので、色々な先生のデータが混ざっています。
そのためマイドキュメントのときとは違って、共有フォルダに対して削除依頼を出しても先生方も何を消したらいいかわからず、削除が進みませんでした。
まず私たちがファイルごとの詳しい情報を把握して、どういったファイルを削除すればいいか、基準を示して依頼する必要がありました。
そこで有効だったのが、ファイルサーバ内を簡単に可視化できる『活文』の機能です。
これによって容量削減に効果的な、容量が大きく古いファイル、そしてその作成者を洗い出しました。
具体的には、200MB以上のファイルを抽出するとともに、そのファイル名と保存場所、作成年月日、最終アクセス日などが一目でわかる削除候補のファイル一覧表を作り、これを各学校の校長先生と情報システム担当の先生に公開して、各先生方へファイル削除の協力を呼びかけてもらいました」(筒井氏)
導入後の効果
たまっていたファイルの削減と整理が進むとともに、先生方の意識にも変化が。
ファイルの詳細情報を公開することによって、教職員共有フォルダには変化があったのでしょうか。
「今年の6月にファイル情報を各学校に公開すると、全体で4.5TBのストレージの空き容量が約600GBから約900GBに増えました。これまで、教職員共有フォルダは不要ファイルの削除がなかなか進みませんでしたが、約1ヶ月で300GBの空き容量を創出できたことになります。
ただ、余裕ができたことでまたデータを入れる先生もいますので、そういった点では今はまだ意識付けの段階で過渡期だと思っています。
各学校へのお願いも、ただ削除してくださいと呼びかけるだけでは抽象的すぎてどのファイルを消していいのかわかりません。
それが、例えば200MBを超えている、最終アクセス日から何年以上経っているなど、具体的な数値がはっきりしていると先生方も消すべきファイルを把握でき、行動を起こしやすくなります。
今後は、さらに学校内への周知徹底を進めてもらい、そのうえでタイミングを見てファイル容量に制限をかける予定です。
また、これまでに『活文』を利用して、データ削除とファイルの整理を進めてきたことで、その目的を理解して協力してくださる先生も増えてきています。
そうした意識の変化がセンターのファイルサーバの安定稼働につながるとともに、先生方にとってもデータが整理されて使いやすい環境になりつつあると思っています」(筒井氏)
今後の展望
ファイルサーバシステムへの変わらぬサポートとともに、学力向上につながるICT活用などの提案も期待。
「センターのファイルサーバシステム全体の構想としては、書類や教材をわかりやすく整理して保管しておくことで、次年度以降も効率よく活用できる状態にしたいと思っています。
そうした体制を整えたあとで、いずれは『活文』の削除機能を各学校の先生にも使ってもらって、データを管理していけたらと考えています。
また、2015年から校務支援システムが本格稼働しました。このシステムには別のサーバがあるのですが、関連する書類や資料などのデータをセンターのファイルサーバに保管することが予想されます。
そうした新たな状況を迎える前に、ファイルサーバ内の整理整頓を進められたのは非常にタイミングがよかったと思っています」(筒井氏)
最後に、日立ソリューションズの対応への感想と、これからのサポートへの要望などをうかがいました。
「日立ソリューションズには、たいへん丁寧な対応をしてもらっていると思っています。
そのうえで今後に期待するのは、学校のICT化に関する、より広い分野の情報の提供でしょうか。
例えば、新しく稼働した校務支援システムの目的は業務の効率化ですが、学校にICTを導入する本来の目的は授業への活用であり、生徒たちの学力向上への貢献だと思うので、そういう面での相談にも乗っていただけたらという期待があります。
また、このセンターのファイルサーバが、学校や教科の枠を超えて先生方の間で教材や資料を共有できる広場のような存在になるのが理想だと考えています。
そうしたことの実現につながる技術的な提案もしていただけたらと思います」(筒井氏)
宝塚市教育委員会
所在地 | 兵庫県宝塚市東洋町1番1号 | |
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URL | http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/kyoikuiinkai/ |
日立ソリューションズ担当者からのコメント
今回の事例では、「利用者のルーチンワークで楽々削除」、これがポイントです。
利用者が手間をかけず、簡単に不要ファイルを選別できるので、
これまでずっと進まなかったスリム化が利用者主体ですぐに成果を出すことができています。
今後、ファイルサーバの運用は外部委託やクラウド化が進み、社内に管理する人がいなくなっていきます。
そうなると、ファイルサーバ肥大化やスリム化の必要性を認識してスリム化を進める人がいなくなり、コストがかさむ一方になります。
そのような課題を解決できるのが活文。
情報システム部門が骨を折ることなく、また利用者に手間をかけることもなく、今回の事例のように簡単にルーチンワークをこなすだけで、ファイルサーバのスリム化を実現できます。
ファイルサーバ運用を外部委託してもクラウド化しても、活文によりコストを抑制でき、コスト削減を図ります。
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本事例の内容は2015年12月24日公開当時のものです。
最終更新日:2015年12月24日