活文 Contents Lifecycle Managerの導入事例
長瀬産業株式会社様契約書や図面などの重要文書を一元管理
スピーディーな文書登録・検索で業務を効率化
商社とメーカーの機能を併せ持つ化学品専門商社として、グローバルなビジネスを展開する長瀬産業株式会社。円滑な取引に欠かせない契約書、製造に用いる図面・仕様書などの重要文書を一元管理するため、文書の登録や預け入れに至る業務プロセス全体を見直し、グループ共通のITインフラ整備を着実に進めています。
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背景と課題
ビジネス円滑化のため文書の一元管理が急務
矢沼 貴之 氏
化学系の専門商社であり、グループに製造・加工機能や研究開発機能を持つ長瀬産業株式会社は、アジアを中心に世界26カ国・地域でビジネスを展開し、グループ会社は約100社に上ります。
同社は、以前から契約書などの重要文書の管理や活用で悩みを抱えていました。
「お客さまとの取引ではさまざまな種類の文書を取り交わします。しかし、契約書を含む重要文書の登録システムと照会システムが分かれていたこともあり、全社的に見るとデータの二重入力や文書管理台帳の重複が発生していました。その結果、営業担当者や、契約書の作成・チェックを行う法務担当者が必要な情報を得るまで、多くの時間がかかっていました」(矢沼氏)
文書内容を照会可能にするまで、文書登録の承認、法務部の確認、原本の倉庫への預け入れおよび電子化など多くのプロセスを経由します。預け入れのタイミング次第では照会可能になるまでに1カ月以上かかることもあり、スピーディーなビジネスのネックになっていました。ビジネスが多岐に拡大する中、現行のシステムでは、営業担当者が重要文書を照会できず、照会権限のある人しか参照できない点も課題でした。
「契約書以外の文書をはじめ、委託先や需要家とのやり取りを反映する属性情報もまとめて管理し、検索結果の質を高めたい」という社内からの要望も高まっていました。
折しも、文書を管理する現行システムのサーバーの更改期を迎え、新たな重要文書管理システムについての検討が2016年10月から本格的に始まりました。
選定と導入
ワークフロー機能や検索性、使いやすさを評価
松本 昌道 氏
新重要文書管理システムの要件は、次のようにまとめられました。
まず、ユーザー側の業務フロー見直しによる効率化です。重要文書の登録、担当者による審査・承認、そして捺印から原本の預け入れまでの業務プロセスをスムーズに行えるようにワークフローで一本化。データの二重入力や台帳の重複管理をなくしたいと考えました。
また、営業担当者自身が重要文書を必要なタイミングで検索できるようにすれば、重要文書情報をビジネスに有効活用できるようになります。契約書以外の図面・仕様書についても一元的に管理できる、将来的な拡張性にも配慮しました。
システム管理者側では、将来的にグループ共通で1つのシステムに統合することをめざすとともに、管理工数の削減、導入完了までの期間短縮を必須としました。
そうした中で候補に挙がったのが、日立ソリューションズの文書管理システム「活文 Contents Lifecycle Manager」(以下、活文)です。
「グループ会社が『活文』をすでに使っていたことがきっかけです。『活文』は、他社製品と違い、利用人数ではなく文書数に応じたライセンスの課金体系が魅力でした。また利用者に応じてデータを閲覧制限できるセキュリティ機能や、シングルサインオンによるユーザビリティ向上、直感的な操作性なども評価しました。さらに検索機能の活用で業務効率も向上できます。グループ共通のシステムになり得る点にも期待を持ちました」(梅澤氏)
2016年10月から約半年かけて、新重要文書管理システムの事前調査を実施。現行システムの課題の整理と新システムの開発方針を検討しました。
「導入前のデモ環境では、直感的に使えるかどうか、文書が検索しやすいかどうかを日々利用するユーザーの視点で重点的に評価。必要な要件は『活文』の標準機能でほぼ網羅されていました。パッケージの標準機能を生かした導入を選択すれば、開発期間を短縮し、将来的なバージョンアップのたびに作り直す煩雑さも避けられます」(松本氏)
2017年4月、長瀬産業と、同社の情報システム部門から独立したナガセ情報開発、そして日立ソリューションズが連携し、新重要文書管理システム構築の社内プロジェクトが発足しました。
「活文」とさまざまなシステムを連携するために、ナガセ情報開発と日立ソリューションズがインターフェースや開発スケジュールを調整しました。基幹システムが保持する取引先のコードマスター、承認・決裁ワークフローに用いるユーザーIDや所属組織などを管理するActive Directory、与信管理システムとの連携に向け、要件定義、設計・構築段階で綿密に情報交換を図りました。テスト・移行を経て、2017年12月、予定通りにシステムが稼働しました。
「登録票の出力機能などは、必要最小限のアドオン開発で対応し、フォルダの構成、利用する組織体系などは極力シンプルにすることで開発・管理工数を抑えました。他システムとの連携のコツなどは、日立ソリューションズが他社事例で培った知見を参考にしました」(松本氏)
成果と今後
文書の登録作業が容易に。照会までの時間も短縮
梅澤 大昌 氏
「活文」を用いた新システムの導入後、文書の登録から照会可能になるまでの時間は、3~4日へ大幅に短縮しました。
「営業部門からは、『活文』の全文検索による文書照会が便利だという評価を聞いています。全社でのデータの二重入力、台帳の重複管理も解消されました」(梅澤氏)
法務部門でも、契約書などのチェック作業が効率化され業務改善につながりました。
「例えば複数社との間で契約を締結する案件の場合、どの企業名で検索しても情報が検索結果にヒットするようになり、各担当者は情報を得たいタイミングで必要な情報を検索できます。今後、利用会社や文書種類が増えることを想定しています。契約書や図面・仕様書で利用している属性情報に加えて、数百項目の属性情報の追加が可能なので、拡張性も高くなっています」(矢沼氏)
システムの管理者側では、社員間での業務の引き継ぎも効率化されています。
「GUIで操作方法がわかりやすいのがよいですね。日立ソリューションズ作成の設計書、議事録などのドキュメントがしっかりと書かれており、運用が始まってから社員間で重宝しています」(松本氏)
新重要文書管理システムは段階的にグループ共通のインフラとして利用範囲を拡大していく予定です。
「2018年度は、グループ会社3社への導入を予定。製造部門における図面・仕様書などの登録、管理が可能になるように取り組みを進めます」(矢沼氏)
その一環として、図面・仕様書をダウンロードせずに閲覧できる「Document Viewer Option」の利用を予定しています。
「機密上、図面・仕様書はデータをPCなどにダウンロードさせず、閲覧のみに限定したいといった要望があります。現在、使用を検討中の部署にデモンストレーションをしている段階ですが、好評価を得ています」(梅澤氏)
同社では将来的に、今回構築した新重要文書管理システムをベースに、内部統制における証跡保管場所としての活用も検討。業務改革とコンプライアンス対応を同時に進める方針です。
「これまでのプロジェクトで、日立ソリューションズには、問い合わせや稼働後のトラブル対応で素早く、誠実に対応してもらいました。管理者向け教育も実施し、スキルの移転業務もスムーズにできました。より使いやすいシステムへのバージョンアップや提案も含めて、今後もサポートを期待しています」(松本氏)
日立ソリューションズは、長瀬産業の業務改革とコンプライアンス対応を支援するため、円滑なビジネスに不可欠な重要文書のライフサイクルマネジメントソリューションにより、今後も同社を支援していきます。
長瀬産業株式会社
化学品、合成樹脂、電子材料、化粧品、健康食品などの輸出・輸入および国内販売。連結売上高における海外比率は49.6%(2018年3月時点)で取引先は世界中に広がる。京都・西陣で創業して以来続く商社機能に加え、現在は研究・用途開発、製造・加工機能をグループ内に擁し、付加価値の高い製品・サービスの提供を行う。近年はライフ&ヘルスケアおよびエレクトロニクスを注力領域に掲げている。
本社所在地 | 東京都中央区日本橋小舟町5-1(東京本社) 大阪市西区新町1-1-17(大阪本社) |
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設立 | 1917年 | |
従業員数 | 861人(連結6,312人) | |
URL | https://www.nagase.co.jp/ |
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本事例の内容は2018年8月1日公開当時のものです。
最終更新日:2018年8月1日