活文 Contents Lifecycle Manager・活文 企業内検索基盤の導入事例
株式会社ジュピターテレコム(J:COM)様8,000万件を超える申込関連書類および工事関連書類の管理を「活文」で効率化
日本を代表するケーブルテレビ事業・番組供給事業統括運営会社の株式会社ジュピターテレコム(以下、J:COM)は、年々増大する申込関連書類と工事関連書類を保管するための文書管理基盤として、日立ソリューションズの「活文 Contents Lifecycle Manager」と「活文 企業内検索基盤」を採用。カスタマーサービスにおける契約内容照会の利便性を向上しました。また、保管期限が過ぎたデータの自動削除により、増え続ける書類によるストレージ容量の増加を抑止するとともに、クラウドストレージ( Microsoft Azure )と組み合わせることで、同時にコスト削減も実現しました。
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背景と課題
サービス加入世帯数の増大に伴い、契約内容の検索対象も膨大に
藤井 義史 氏
国内最大手のケーブルテレビ事業・番組供給事業統括運営会社として知られるJ:COMのサービス加入世帯数は、2019年6月末時点で全国551万世帯。これだけ多くの顧客に対して良質なカスタマーサービスを提供するには、顧客に関する情報を確実に保管し、社員が効率的に内容を照会するための文書管理基盤が欠かせません。中でも特に重要なのが、顧客の契約内容を記録した「申込関連書類」と、顧客宅での工事内容を記録した「工事関連書類」です。どちらの文書にもカスタマーサービス対応に必要な情報が記されています。
J:COMでは従来、申込関連書類と工事関連書類は、デジタル化された状態でJ:COMデータセンター内のストレージに格納されていました。しかし、サービス加入世帯数が順調に伸び続けたことにより、契約内容の検索対象も膨大な量となっていました。
「社内の情報管理規定で、申込関連書類と工事関連書類の保管期限を定めています。その結果、2018年の時点で累積件数はおよそ8,000万件あり、容量も10TBを超えていました。さらに、毎日1万5千件から2万件のデータが新たに発生するので、契約内容を照会する処理の負荷は大きくなるばかりでした。ストレージも足りなくなる度に買い足していたので、その積み重ねが極めて大きな金額になっていました」(藤井氏)
データ量が増え続けても、検索性能は維持する必要があり、拡張性をもった継続的に運用できるシステムが求められていました。また、既設の文書管理基盤には利便性や運用保守性で改善すべき機能がありました。例えば、データ自動削除の機能が備わっておらず、人手による操作で削除する必要がありました。今回の導入を機会に、特定の条件での削除対象の絞り込みや、データ削除運用の自動化といった機能強化も盛り込みました。
「コスト削減も見込んだ文書管理基盤にしたいと考え、クラウドストレージを使用できるものを最優先の候補にしました」(藤井氏)
選定と導入
クラウドストレージを使って、8,000万件を超える申込関連書類と工事関連書類を管理
新井 洋平 氏
文書管理基盤を見直すための検討作業は、2018年6月に始まりました。
「提案依頼書(RFP)には、『データ自動削除機能の追加』に加え、『利用者自身によるパスワードのリセット機能』『顧客の地域によりログイン先が異なる照会システムの統合』などの要件も盛り込みました」(新井氏)
このRFPに応えて、日立ソリューションズを含む数社がシステム提案を提出。各社の提案内容を精査したJ:COMは、「活文 Contents Lifecycle Manager」「活文 企業内検索基盤」と「 Microsoft Azure(以下、Azure )」を組み合わせた日立ソリューションズの提案を、新しい文書管理基盤として採用することに決めました。
「コストを抑え、照会システムの統合を実現するなど、当社の求めた要件にきちんと応えていたことが決定理由の一つ。また、「活文」は文書管理のソリューションとしてよく知られた存在であり、安心して長く使えそうだということも高評価のポイントでした」(藤井氏)
システム構築が始まったのは、2018年9月。Azure 上に「活文 Contents Lifecycle Manager」と「活文 企業内検索基盤」を構築する作業が始まりました。
「クラウドストレージを採用したので、システムの“入れ物”の考え方も、従来の文書管理基盤とは大きく異なり、データ移行方法や利用に当たってセキュリティ確保などのハードルがありました。また、既存のベンダーを含めて、プロジェクト関係者全員が良好な関係を保ち、円滑なプロジェクト運用ができるよう力を注ぎました」(新井氏)
「オペレーターが使いやすく、契約内容の照会を素早く実行できる画面をめざしました。例えば、項目をどの順番で、どういった大きさで配置すれば業務の最適化とユーザビリティーの向上を図れるかなど、試作も活用しながら利用部門と詰めていきました」(石井氏)
新しい文書管理基盤が動作可能な状態になったのは、計画どおりの2019年4月。J:COMによる受け入れテストを経て、2019年5月15日に本稼働が始まりました。
ただし、8,000万件の既存データを一挙に新しい基盤に載せ替えることは現実的ではないと考えられたため、段階的な移行方法を採用しました。新規に発生したデータは新しい文書管理基盤に登録し、既存の文書管理基盤にあるデータは毎月1,000万件を目標に移行を進めています。移行が完了するのは、2019年末の予定です。
成果と今後
新しい文書管理基盤により、カスタマーサービスの品質を高める
伊藤 真 氏
石井 北斗 氏
新しい文書管理基盤への移行によって、J:COMはさまざまな成果を手にしました。
「カスタマーサポート部門などで実務に当たっているオペレーターにも、契約内容の照会画面操作が好評です。オペレーターからは、検索しやすくなったという声が上がっています。表示速度も以前より速くなりました。また、照会システムを統合したことにより、顧客の地域によってログイン先を切り替えるということもなくなりました」(伊藤氏)
「コストについては、オンプレミスからクラウドに移行することで、ITベンダーによるサポート終了や製品保守期限切れのたびに発生していた費用を抑えられるようになりました。クラウドは利用料金を払っていれば永続的に使うことができますから、サステナビリティーの面でも経営にメリットがあると考えています」(藤井氏)
このような成果を受けて、他部署も新しい文書管理基盤に大きな関心を寄せています。法務部門では契約書などの管理に「活文 Contents Lifecycle Manager」を活用中。膨大な文書を有する当社では、新しい文書管理基盤を活用する場面はさらに広がっていくことでしょう。
「当社は、申込関連書類や工事関連書類を電子化することに早くから取り組んできました。個人情報の保護が経営の重要課題になっている今、紙の文書を電子化し、クラウドに安全に保管する仕組みは、どのケーブルテレビ局にも必要になっているのではないでしょうか。新しい文書管理基盤により、顧客とのコミュニケーションの質と満足度を高められると考えています。また、日立ソリューションズは提案の段階から積極的な姿勢で協力してくれ、J:COMのプロジェクトマネージャーを補佐する目的で、この分野に精通したエンジニアをプロジェクトマネージメントオフィス(PMO)支援として派遣してもらいました。期日どおりにカットオーバーを迎えることができたのは、そうした支援あってのことと感謝しています」(藤井氏)
日立ソリューションズは、今後も、ビジネス環境を快適にし、情報資産の戦略的な活用へとつなげる「活文」を中心としたソリューションのご提案で、便利で豊かな生活のために多彩なサービスを展開していく同社を支援していきます。
株式会社ジュピターテレコム(J:COM)
1995年、住友商事と米CATV事業会社との合弁で設立。地方のCATV局を傘下に持ち、地域に根付いた放送・電気通信サービスの提供に定評がある。2007年に番組供給事業を手掛けるジュピターTVと合併。近年は、主力のケーブルテレビ、インターネット、電話サービスのほか、電力やガス、モバイルサービスをバンドルし、総合的なサービスを展開している。
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館 | |
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設立 | 1995年1月18日 | |
従業員数 | 17,202名(2019年3月末現在) | |
事業内容 | ケーブルテレビ局の統括運営、電気通信事業、番組供給事業統括 | |
URL | www.jcom.co.jp/ |
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本事例の内容は2019年9月17日公開当時のものです。
最終更新日:2019年9月17日