導入事例
活文 Contents Lifecycle Manager
富国生命保険相互会社様
高さ4,000m以上に及ぶ文書を75%削減へ。
検索による文書共有と多様なアクセス権への対応で
新しい働き方に貢献
2023年に創業100周年を迎える富国生命保険相互会社(以下、フコク生命)は、本社で保管する文書の管理方法を刷新。紙文書をスキャンして電子化するとともに、日立ソリューションズの「活文 Contents Lifecycle Manager(以下、活文)」によるデジタル管理へと切り替えました。リニューアル予定の本社オフィスでは「紙文書75%削減」が求められており、その目標も無事に達成する見込みです。
- この事例に関するソリューション・商品
- ビジネスデータから新たなインサイトを 活文
活文 Contents Lifecycle Manager
この事例に関するソリューション・商品
課題 | 効果 |
---|---|
検索や共有を一手に引き受けるIT基盤の構築 |
文書管理専用のIT基盤が完成し、ペーパーレス化に向けた歩みが大きく前進 |
本社の書庫面積減に伴う紙文書量75%の削減 |
既存紙文書の電子化により、75%の削減目標を達成できる見込み |
背景と課題
資料共有による働き方改革と書庫面積削減への対応が契機に
事務企画部 副部長
齋藤 賢 氏
1923年設立のフコク生命は、個人・企業向けに生命保険や年金保険を販売している保険会社です。2019年度末の保有契約高(単体)は、個人向けが24.8兆円、企業向けが19.8兆円で、東京都千代田区の本社のほかに、千葉県印西市に千葉ニュータウン本社を置いています。
フコク生命では文書管理について次のような課題を持っていました。
「当社では、支社・営業所で起案した手続き文書を、一部を除いて基本的には本社で保管しています。しかし、紙文書のまま本社で一括保管していたのでは、資料の共有が困難です。そのため、紙文書を電子化し、適切なアクセス管理を設定したうえで、検索や共有をできるようにする必要がありました」(齋藤氏)
また、2021年3月に完了予定の本社オフィスリニューアルでは、フリーアドレス制やグループアドレス制の導入と並行して、書庫の面積を大幅に削減することが決まっていました。
「本社と千葉ニュータウン本社で保管している文書を積み重ねた高さは4,000m以上。本社オフィスで削減される書庫の面積を基に試算すると、既存文書の75%を削減しなければならないという結論に至りました」(中川氏)
さらに、この新しい文書管理システムには、それまでいろいろなITツールで行われてきた文書管理機能を集約・統合するIT基盤としての役割も期待されていました。当時のフコク生命の文書管理は、
①メインフレームで出力した帳票はマイクロフィルム(COM:Computer Output Microfilm)
②PCで作成した文書はファイルサーバー
③業務マニュアルなどはグループウェア
という3つで構成されていました。
資料共有の有効性を高めるには、検索や共有の機能を提供する単一のIT基盤を整備することが求められていたのです。
まずはシステム整備の前段階として、日立コンサルティングの協力を得て、文書管理の方針や新ルールの策定をするところから始めていきました。
選定と導入
文書約30種を電子化して登録。支社・営業所にも閲覧は許可
事務企画部 事務企画グループ 課長
中川 治久 氏
このような背景から新たに導入する文書管理システムの検討が始まったのは、2019年初めのことでした。管理対象は本社に集まってくる書類で保管期限の定められている約30種類とし、本社職員約1,400人が登録・検索・共有などの操作を行えることを主な要件としました。支社と営業所の職員には閲覧のみを許可する運用です。
「導入候補となったのは3社の製品でした。当社が重視したのは検索スピードと検索のしやすさ。製品自体の機能では3製品に大きな差はありませんでしたが、『高速検索オプション』が用意されている点で『活文』に優位性がありました」(齋藤氏)
通常、文書管理製品では、登録文書数が多くなるとアクセス権判定処理などの負荷が高くなり、検索スピードが遅くなります。しかし、活文ではそのような場合を想定して「高速検索オプション」が用意されているため、文書数の増加に伴い検索スピードが低下した場合にも対応できるという点を評価いただきました。
「当社はIT製品・サービスの多くに日立グループのものを利用してきましたので、信頼性についても高く評価していました」(齋藤氏)
「活文」の導入が正式に決まったのは、2019年8月。9月に要件定義工程を開始し、11月から設計と構築を始めました。
「最も苦労したのは、フォルダーの構成をどうするかということでした。担当部門だけがアクセスできる書類と、他部門にもアクセスを許可する書類をうまく仕分ける必要がありましたので、関連部署と相談して最終的な形を決めました。アクセス権の管理方法については、日立コンサルティングの支援を受けました」(中川氏)
2020年5月に完成してリリースされたフコク生命の文書管理システムは、オンプレミスのサーバー上で動作する仕組みです。ソフトウェア機能を独自に追加・変更するカスタマイズは実施していませんが、紙文書をスキャンして得た電子データをファイルサーバー経由で「活文」に登録するためのプログラムは日立ソリューションズが別途作成しました。
文書データの初期登録は2020年8月に完了し、その後も既存の紙文書を「活文」に登録する作業は続けられています。紙文書の削減にあたっては「活文」に登録するほか、廃棄や外部倉庫への保管も含めて実施しており、2020年内には予定削減目標の約85%以上、2020年度末には全てが完了する見込みです。
「職員はファイルサーバーの使い方には慣れていたので、エンドユーザー教育では違いを説明することに努めました。まずは操作マニュアルと運用マニュアルを作成して全員に配布。さらに、通常なら説明会を開催するのですが、このときは新型コロナウイルス感染症への対策を取る必要がありましたので、日立ソリューションズの協力を得て撮影した動画を見てもらいました」(田中氏)
成果と今後
ペーパーレス化が進展し新しい働き方への道が開ける
事務企画部 事務企画グループ 主任
田中 慶太 氏
文書管理のためのIT基盤として「活文」を導入することにより、フコク生命におけるペーパーレス化は大きな一歩を踏み出しました。
複数のITツールに分散していた文書管理機能が一つの基盤に集約・統合され、資料共有の有効性が向上しました。
また、ワークフローシステムの導入とグループウェアの入れ替えのプロジェクトも進行中です。これらのシステムと「活文」を連携させれば、文書管理・ワークフロー・グループウェア・ファイルサーバーの役割分担が明確になり、新しい働き方をさらに推進できるとフコク生命は考えています。
さらに、日立ソリューションズのサポート体制についても評価いただいています。
「構築段階での段取りから稼働後のサポートまで、日立ソリューションズには大いに協力してもらいました。エンドユーザーからの質問については事務企画部が窓口となって日立ソリューションズに問い合わせる運用となっていますが、いつも迅速かつ丁寧に対応いただいており、大変助かっています」(田中氏)
「当社と日立グループは、数十年来の付き合いです。メインフレーム、サーバー、ネットワークと、さまざまなソリューションを利用しています。今回の『活文』導入プロジェクトで特に感謝しているのは、文書管理の専門家をアサインしてくれたことです。アクセス権に対する多様な要望を整理して設定値に落とし込むなど、専門家がいなければ、これほど『活文』を有効に活用する設計はできなかったでしょう。検索スピードも現状ではまったく問題ないのですが、高速検索オプションも提案してもらっています。今後データ容量が増えて、スピードが低下した段階で活用を検討する予定です」(齋藤氏)
紙文書を電子化したうえでネットワークを通じて共有するという文書管理方法は、新型コロナウイルス感染症対策としての在宅勤務にも極めて有効です。文書管理の質向上をめざすフコク生命を日立ソリューションズはこれからも支援してまいります。
COMPANY PROFILE富国生命保険相互会社
1923年に富国徴兵保険相互会社として創業し、1945年に現商号に改称。個人・企業向けの保険販売のほか、財務貸し付けや有価証券投資にも携わる。企業活動の原点とする価値観は、「お客さま基点」。「ご契約者の利益擁護」「社会への貢献」「働く職員の自己実現」との経営理念を掲げて、CSR活動、スチュワードシップ活動、持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みなども積極的に進めている。
- 所在地東京都千代田区内幸町2-2-2
千葉ニュータウン本社:千葉県印西市大塚2-10 - 設立1923年11月
- 従業員数1万3,184人(2020年3月末現在)
- 事業内容個人・企業向けの保険商品の販売と保全サービス、財務貸付・有価証券投資など
- ホームページhttps://www.fukoku-life.co.jp/
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- ビジネスデータから新たなインサイトを 活文
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本事例の内容は2021年1月18日公開当時のものです。
最終更新日:2021年1月18日