株式会社日立製作所様 電子契約ソリューション(電子署名サービス DocuSign eSignature)の導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

電子契約ソリューション(電子署名サービス DocuSign eSignature)の導入事例

株式会社日立製作所様

働き方改革の一環として押印を電子署名に置き換え、日立グループ全体で業務のデジタル化を加速し生産性向上へ

制御・運用技術と情報技術で社会イノベーション事業を展開する日立製作所は、ニューノーマル対応の働き方を実現するため文書のデジタル化に着手。ペーパーレス化とハンコレス化の標準ツールとして、電子署名サービス「DocuSign eSignature」を採用し、2020年12月に運用を開始しました。今後、適用対象の業務と文書を拡大し、日立グループ全体に広げていく予定です。

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課題
導入後
社内承認や稟議書類のハンコリレーにより、リモートワークへの移行が難しかった
社印や職印などの押印を廃止し、働く場所にとらわれずに業務を遂行できるようになった
他部署から紙で受領した資料の再入力や、ファイリングなどの作業を廃止したかった
電子データのままワークフローで処理する方式に切り替え、リードタイムを短縮できた
契約文書の印刷・押印・郵送・控え保管などの作業のために、出社が不可欠だった
日立グループ全体の取り組み効果として、文書印刷枚数の40%削減を達成し、バックオフィス作業を効率化することができた

背景

従来の働き方ではリモートワークが困難

河辺 氏Smart Transformation Project強化本部 部長代理
河辺 亮二 氏

働き方改革を最重要の経営課題に位置づけている株式会社日立製作所は、働き方改革の全社運動「日立ワーク・ライフ・イノベーション」を2016年12月に開始しました。その一環として、ニューノーマルに対応した働き方を創造する「SMiLE for Work Innovation」プロジェクトを2020年7月にスタートさせました。

このプロジェクトでは、リモートワーク拡大の手段として「ペーパーレス化」と「ハンコレス化」を重視し、「業務生産性の向上」と「経費支出の恒常的抑制」の2つの重要業績指標(KPI)で業務改革の進捗度を測定しています。

「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、当社は出社率20%程度を目標にしていました。しかし、業務をリモートワークに切り替えようとすると、文書を社内で回覧して承認を得る文化が障壁になっていました。また、稟議文書では関係者が順番に職印を押す、ハンコリレーも発生。契約文書では印刷、押印、郵送、控えのファイリングといったバックオフィス作業のために出社する必要もありました。さらに、以前から問題視していたのですが、他部署から送られてきた紙文書をITシステムに再入力したりファイリングしたりする慣行も続いていました」(河辺氏)

取り組み

グローバルシェアの高いサービスを採用

このような課題を解決してニューノーマルに合った働き方を実現するには、社内外で取り交わす文書のデジタル化が欠かせない――。こう判断した日立製作所は、文書の真正性を保証できる電子署名ツールの検討に取りかかりました。

「日立のグループ企業の多くが海外にあり、顧客の多くも海外企業であるため、グローバルスタンダードの仕組みであることを絶対条件にしました。印影付きの電子署名は好ましくないと判断したのもその理由からです。求めたものは、信頼性が高く、既存の認証システムや業務システムとAPIで連携できるツールでした」(河辺氏)

これらの要件を満たすソリューションとして、日立製作所は世界180カ国以上で使われている電子署名サービス「DocuSign eSignature」を選択。関連システムについて導入実績を持つ日立ソリューションズに技術支援と、日立グループ内での普及活動支援を依頼することにしました。

実際の適用にあたっては、現場主導による段階的な進め方を採りました。1業務あたりの適用に要した期間は平均して3カ月。結果的に先行したのは社外との契約書や注文請書・納品書などです。対象業務と実施時期は、グループ内企業やビジネスユニットの状況に合わせて、柔軟に推進しています。

効果

印刷・押印なしで出社せずに業務を遂行

小林 氏ITデジタル統括本部 グローバルソリューション第1本部 経営情報ソリューション部 部長
小林 浩治 氏

「2020年12月には、『DocuSign eSignature』で電子署名を付与できる文書の運用が始まりました。『DocuSign eSignature』はSaaSの形態で提供されますので、稼働環境の構築にあたって技術面で難しいことはほとんどありません。IT部門が担当したのは、既存のユーザー認証システムへの設定追加と、セキュリティ設定だけでした」(小林氏)

電子署名を付与できる文書への切り替えが完了している場合、出社しての印刷や押印(社印・職印)が不要になります。その結果、担当者や承認権限者は働く場所にとらわれずに業務を遂行できるようになりました。

文書の印刷枚数は2019年度の実績と比較して40%削減できました。引き続き50%削減を目標に推進中です。印刷・押印・郵送・控えのファイリングなどのバックオフィス作業も大幅に減少。さらに、電子データのままワークフローで処理する方式に切り替えたことによって、平均で1週間程度かかっていたリードタイムが2日前後になっています。

「グローバル市場で鍛えられているだけあって、『DocuSign eSignature』の機能と画面インターフェースはとてもシンプル。誰でも簡単に使うことができます。これまで物理的なハンコを押していた承認権限者からも、『手続きが一瞬で終わるので楽だ』という声が上がっています」(小林氏)

展望

人事や税務の文書にまで適用範囲を拡大へ

ペーパーレス化・ハンコレス化は順調に歩み始めたものの、日立製作所における文書のデジタル化はまだまだ始まったばかりの段階といえます。対象の業務と文書を拡大する取り組みはこれからも続けられていきます。

「今後のデジタル化対象として狙っているのは人事労務系の文書です。すべての従業員に適用することで大きな効果が期待できます。デジタル庁が2021年9月に発足したことにより、行政手続きのハンコレス化はさらに進むと思います。また、帳簿書類の電子データによる保存を可能とする電子帳簿保存法の適用要件も緩和されていく可能性があります。税務関係の文書についても積極的にデジタル化していこうと考えています」(河辺氏)

並行して、設計部門や営業部門での仕事の仕方をデジタル化することも「SMiLE for Work Innovation」プロジェクトに課せられたミッションです。3次元モデルを使ったペーパーレス設計や営業支援システム(SFA)による営業活動を広めることによって、ペーパーレス化とハンコレス化にとどまらない電子データの利活用を日立グループ全体で進めていく構想です。

「日立ソリューションズには、実用レベルでのデータマネジメントソリューションの開発と提供をこれからも期待しています。顧客と日立のビジネスをバーチャルでつなぎ、デジタル協創をさらに加速するような活動を推進してほしいですね」(河辺氏)

日立ソリューションズはこれからも、日立グループの一員としてデジタル時代におけるイノベーション創出の実現を支援していきます。

紙ベース業務をペーパーレス化&ハンコレス化

  • 署名・承認・処理などの手続きをオンライン化し、作業コスト削減と生産性向上を実現
  • 文書の郵送や手渡しを不要にして、郵送費・交通費の削減と業務プロセスのリードタイム短縮を達成
  • 電子契約導入のコンサルティングサービスから定着化支援まで、トータルに支援
紙ベース業務をペーパーレス化&ハンコレス化

株式会社日立製作所

所在地 東京都千代田区丸の内一丁目6番6号 株式会社日立製作所
設立 1920年2月1日(創業:1910年)
従業員数 29,850人(単体、2021年3月末時点)
350,864人(連結、2021年3月末時点)
事業内容 創業以来のモノづくり、制御・運用技術、情報技術で社会イノベーション事業を展開
URL https://www.hitachi.co.jp/

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本事例の内容は2021年10月14日公開当時のものです。

最終更新日:2021年10月14日