ヤンマーパワーテクノロジー株式会社様 活文の導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

活文の導入事例

ヤンマーパワーテクノロジー株式会社様

全社情報戦略として、「活文」で共通基盤を構築。85万超の文書を瞬時に検索し、案件と工程の2軸で共有

ディーゼルエンジンなどのパワートレインを製造・販売するヤンマーパワーテクノロジーは、複数の工程や部門にまたがる文書閲覧と情報共有をめざして、日立ソリューションズの「活文」を導入。進捗マトリクス画面を追加開発することによって、各工程の文書を一覧で確認できる部門横断型の文書管理を実現しました。今後、グループ共通のデータ連携まで拡大する見通しです。

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課題
導入後
部門ごとに縦割りのシステムから各工程の情報を入手するのに1~2日かかっていた
案件・工程ごとに発生する文書を部門横断で瞬時に検索、マトリクス化して表示
上流工程が完了しないと後続工程の部門で文書が閲覧できず、情報共有が遅れがちだった
保守などの後続工程を担当する部門も早期に製品情報を閲覧し、対応スピードを向上
重複投資を避けながら、データをグループの事業会社間で共有したかった
既存システムからも文書を自動登録し、グループの事業会社の従業員約2,500人が毎日の業務で活用

背景

部門をまたぐ文書閲覧と情報共有に課題

塩入 氏特機事業部 開発部 開発マネジメント部 部長
塩入 基之 氏

ヤンマーパワーテクノロジー株式会社は、ヤンマーグループの一員として、船舶用や産業用のディーゼルエンジンなどパワートレインを製造・販売する企業です。その1部門である特機事業部は受注型のモノづくりに携わっており、顧客企業の個別要求に基づく仕様を営業活動~仕様検討~開発~製造~出荷~現地工事~サービスの各工程で確認しながら業務を進めていました。

これらの工程で作成されている文書は、約40種類。特機事業部の製品は寿命が長いものでは20~30年となるため、紙文書と電子文書のファイル数は約85万を超えます。それぞれの文書は、工程ごとに個別最適化された業務システムで作成し、管理する仕組みです。そのため、工程や部門をまたいで仕様を確認するのは容易なことではありませんでした。

「最大の課題は、部門を横断する文書の検索や情報共有が難しいことでした。当社の商品は出荷後もお客様とのやり取りの中で文書の改訂が必要となるケースがあり、そういった改訂作業が完了してから文書管理システムに登録されていましたので、サービスなどの後続工程では情報共有の遅れが年単位になっていました」(塩入氏)

ヤンマーグループとしても、グループ内の重複投資を避けつつ、データを各事業会社の垣根を越えて共有するための仕組みを必要としていました。

取り組み

「活文」を採用し、不足する機能は追加

このような課題を克服するための新しい文書管理システムの検討が始まったのは、2018年のことでした。

機能面で重視されたのは、1案件に振られた複数のキーコード(引合番号、工事番号、エンジン番号)のいずれからでも文書を部門横断で検索できるようにすることです。紙文書を効率的にスキャンして電子化するための仕組みも望まれました。

さらに、非機能要件として、社内・グループ内の数千人規模の使用に耐える能力と、海外拠点にサービスを提供するための365日運用を設定しました。既存の85万超のファイルをすべて移行する必要もあります。

これらの要件を満たすシステムとして、日立ソリューションズは「活文 Contents Lifecycle Manager」など「活文」4製品を組み合わせたシステムを提案。2021年6月に採用が決まりました。

「これまで、文書管理にMillemasse(『活文 Contents Lifecycle Manager』の前身)を使っており、同じシリーズならデータを移行しやすいのではないかと期待しました。また、われわれが求めていた進捗マトリクスも追加開発できるとのことで、採用を決めました」(塩入氏)

実装と追加開発の作業は2021年10月にスタートし、半年後の2022年4月に稼働を開始しました。

*「活文 Contents Lifecycle Manager」「活文 企業内検索基盤」「活文 Managed Information Exchange」「活文 Intelligent Data Extractor」の4製品

効果

進捗マトリクスで横断型検索を実現

宮島 氏特機事業部 開発部 開発マネジメント部
宮島 健次 氏
小山 氏ヤンマー情報システムサービス株式会社 品質向上推進室 専任部長
小山 正道 氏

新しい文書管理システムは、既にグループの事業会社の従業員約2,500人によって毎日の業務で活用されています。

「縦軸に案件、横軸に工程を配置した2次元の進捗マトリクス上に、工程ごとに異なる業務システムで管理されている文書をキーコードで検索して、横断的に閲覧できます。また、進捗マトリクス画面で印刷したQRコード付きの用紙を紙文書の先頭に重ねてスキャンし、電子ファイルとして特定の場所(各工程の保管場所)へ登録することも可能になり、作業のスピードアップと効率化も実現できています」(宮島氏)

「生産管理システムから出力される工事指令書などのPDFも、今回新たに開発したインターフェースを経由して『活文』に自動登録できます」(小山氏)

「活文」のレスポンスタイムは十分に短く、新システムでは他工程の文書もまとめて瞬時に検索できるので、目的文書を入手するために関連部署に問い合わせるなどして1~2日かかっていた入手時間を大幅に短縮できました。

「新しい文書管理システムは中期事業戦略の1つの要素に位置付けられており、事業部を越えた共通基盤になるものと期待しています」(塩入氏)

展望

ヤンマーグループ共通のデータにも拡大予定

主要な業務システムに対する部門横断型検索が可能になった後も、ヤンマーパワーテクノロジーは新しい文書管理システムの適用範囲を拡大し続けています。2022年8月には製品の検査寸法などのトレーサビリティを管理するシステムとの接続が完了し、品質管理のレベルが向上します。2022年度末までに保守サービスに関する情報を管理するシステムも対象に加わる予定です。

さらに、2023年度には、ヤンマーグループ共通で使用するデータと同社の新しい文書管理システムを連携させるプロジェクトも始まる見通しです。同社の海外現地法人に対しても、輸出管理規制の枠内で情報共有を実現するための検討が継続的に進められています。

「今回のプロジェクトでは、日立ソリューションズと一緒にモノを作っているという安心感を得ることができました。当社エンジンの商品販売数に比例して、蓄積すべき情報は増えるとともに、システムの発展も計画していますので、今後もパフォーマンスの高いシステムの提案を期待しています」(塩入氏)

日立ソリューションズの「活文」は、保存管理・伝達共有・価値創出の3つの力で企業のビジネスデータ活用を支援していきます。

進捗マトリクスによる文書管理・情報共有基盤

  • 各システムの文書を自動取り込み
  • 各工程の文書を案件ごとに進捗マトリクスで可視化
  • 過去のさまざまな情報を活用し、日々の業務を効率よく推進
進捗マトリクスによる文書管理・情報共有基盤

ヤンマーパワーテクノロジー株式会社

所在地 大阪府大阪市北区茶屋町1-32 YANMAR FLYING-Y BUILDING ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
設立 2020年4月1日
従業員数 3,074人(2022年3月31日時点)
事業内容 船舶用・陸上用・小型産業用のエンジン(ディーゼル/ガス)の開発・製造・販売・保守
URL https://www.yanmar.com/jp/about/company/power_technology/

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本事例の内容は2022年11月15日公開当時のものです。

最終更新日:2023年12月5日