電子契約ソリューション(電子署名サービス DocuSign eSignature)の導入事例
株式会社日立ソリューションズ新卒・キャリア採用の雇用契約をペーパーレス化。書類の回収漏れを防止し、事務作業を効率化
システムインテグレーション企業の日立ソリューションズは、新卒・キャリア採用の雇用契約に必要な書類を「DocuSign eSignature」でペーパーレス化。紙の配布・回収をなくし、署名捺印を電子署名に置き換えました。書類の回収漏れや記入漏れも自動でチェックし、書類の準備から配布・受け取り・確認まで、一連の業務を効率化、手続きに要する時間を大幅に短縮しました。
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背景
負荷が大きい雇用契約業務
槇田 理恵
大谷 菜月
システムインテグレーターにとって最も大切なものは「人」である。このように考える日立ソリューションズは、新卒採用で毎年200人弱、キャリア採用で年間40人以上を受け入れています。ただ、人数が多いため、新卒・キャリア採用者を受け入れる業務を担当する人事総務本部 タレントマネジメント部には大きな負荷がかかっていました。
例えば、入社日当日に配布する4種類の書類(労働契約書・個人情報取扱いに関する同意書・情報セキュリティ誓約書・為替法改正に伴う誓約書)を、新卒・キャリア採用者の人数分、事前に印刷し、1セットにまとめておく必要があります。
「以前は、入社日当日に新卒・キャリア採用者へ書類を配布し、署名捺印してもらったものを回収していました。新卒採用の場合は、卒業証明書と成績証明書のコピーも回収する必要がありました」(槇田)
それらの書類のチェックは人の手で行っていました。
「必要な書類が全部そろっていて、それらの記入や押印の漏れがないかをチェックするには手間も時間もかかります。新卒採用は人数が多く、ほかのイベントと並行で作業を進めていたため、チェックと不備の指摘を含めて半日ほどかかっていました。キャリア採用の場合、雇用契約の手続きとガイダンスに1時間程度かかっていました」(大谷)
そこで、タレントマネジメント部は雇用契約のために配布・回収する書類のペーパーレス化を計画。準備にかかる手間と手続き時間の両方を最小限にしようと考えました。
取り組み
運用開始を最短で実現
タレントマネジメント部が雇用契約をペーパーレス化する方法として採用したのは、日立ソリューションズにすでに導入していた電子署名サービス「DocuSign eSignature(以下、DocuSign)」を使う方法でした。ただ、それまで「DocuSign」は営業部門でしか使っていなかったため、タレントマネジメント部ではこれが初めての挑戦でした。
検討がスタートしたのは、2022年1月末。メールで送信した労働契約書などの4種類の書類を一つのメールで送信し、電子署名と卒業証明書などを追加して返送してもらう方式の実現をめざし、新卒採用者から受け取る卒業証明書と成績証明書については、スマートフォンなどで本人が撮影した画像を添付してもらうことにしました。
「そのほか、すべての欄の電子署名、すべての書類がそろわないと返送できない仕組みにすることも求めました」(槇田)
電子署名の法的有効性の確認や業務プロセスの検討に要した期間は約1カ月半。会社のメールアドレスを持っていない新卒・キャリア採用者でも手続きを進められるよう、本人確認にはスマートフォンのSMS認証を採用しました。
労働契約書などの4種類の書類は、従来のものをそのまま使い、「DocuSign」の実装や設定は情報システム部門へ依頼しました。その結果、2022年3月中旬には雇用契約への適用を完了。検討から2カ月弱という短期間でペーパーレス化を実現しました。
効果
在宅で準備でき、手続き時間も短縮
タレントマネジメント部での「DocuSign」の使用は、2022年4月の新卒採用のときから始まりました。2022年8月からはキャリア採用にも適用しています。どちらの雇用契約でも、ペーパーレス化した効果はすぐに表れました。
「雇用契約に携わる部門として、業務の効率化と書類のペーパーレス化が図れて、本当に良かったと思います。我々としては、回収漏れを仕組みで防げることが1番良かった点です。また印刷が不要になり、在宅勤務でも対応でき、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で出社が制限されていた状況下でも円滑に業務を進められました」(槇田)
ペーパーレス化は会社側だけでなく、新卒・キャリア採用者側にとってもメリットがありました。
「手続きに要する時間が30分弱と短くなり、新卒・キャリア採用者の方々が配属先のメンバーと交流する時間を作るなど、早く職場になじむ工夫ができるようになりました。以前は入社日当日にハンコを持ってくることを忘れる方もいて、後日改めて対応することもありましたが、そのようなこともなくなって、会社側にとっても新卒・キャリア採用者側にとっても手続きがスムーズになりました」(大谷)
このほか、紙の書類がなくなったことで、ファイリングや保管に関する作業が不要になったことも大きなポイントです。
展望
雇用契約の書類はほぼペーパーレス化
雇用契約のペーパーレス化が完了したことで、タレントマネジメント部が取り扱う書類はほぼペーパーレス化できました。残っているものは、キャリア採用者に書いてもらう「内定承諾書」くらいです。キャリア採用の担当者は、この書類もいずれ電子化したいと考えています。
そのほかの書類では、別の部署の所管になりますが、「情報セキュリティ誓約書」のペーパーレス化も考えられます。「情報セキュリティ誓約書」は、新卒・キャリア採用者だけでなく、すべての社員が定期的に提出を義務付けられている書類なので、配布・回収・保管の業務も定期的に発生します。これを「DocuSign」でペーパーレス化すれば、業務の効率化に役立ちます。
「雇用契約をペーパーレス化できたことで、入社式がある4月1日前後でもタレントマネジメント部の業務負荷が大幅に大きくなることはなくなりました」(槇田)
人事部門は、個人情報を取り扱うことが多い部門です。書類の紛失や人的ミスなどのリスクを低減し、個人情報の漏洩事故を防ぐ観点からも、「DocuSign」は企業の雇用契約の効率化・高度化に有効な電子署名サービスです。
日立ソリューションズは、自社導入で得た経験やノウハウをもとに、今後もお客さま企業の雇用契約のペーパーレス化を支援していきます。
雇用契約にも「DocuSign eSignature」
- 新卒・キャリア採用の雇用契約をペーパーレス化、準備にかかる手間を軽減、手続き時間を短縮
- 卒業証明書や成績証明書は、スマートフォンなどで撮影した画像を添付
- 新卒・キャリア採用者の本人確認にスマートフォンを使ったSMS認証を採用
株式会社日立ソリューションズ
所在地 | 東京都品川区東品川四丁目12番7号 | |
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設立 | 1970年9月21日 | |
従業員数 | 4,874名(単独:2023年3月31日現在)、13,860名(連結:2023年3月31日現在) | |
事業内容 | ソフトウェア・サービス事業、情報処理機器販売事業 | |
URL | https://www.hitachi-solutions.co.jp/ |
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本事例の内容は2023年11月29日公開当時のものです。
最終更新日:2023年11月29日