生成AIの性能を引き出すポイントは「プロンプト」!

生成AIの性能を引き出すポイントは「プロンプト」!

さまざまな用途に利用できる生成AIですが、生成AIの能力を十分に引き出すためには、指示の出し方が重要です。生成AIでは、プロンプトという形で指示を与えますが、プロンプトとはどのようなもので、どのように作成すればよいのでしょうか。
この記事では、生成AIを使いこなすために重要となるプロンプト作成のコツを紹介します。

生成AIにおけるプロンプトとは

プロンプトとは、生成AIに対して指示を与えるための命令文です。人間が生成AIに対して「何をどのように生成してほしいか」を伝えるために作成します。
たとえば「この文章の要点をまとめてほしい」「プログラミングのコードを作成してほしい」のように、プロンプトとして具体的な指示を与えると、生成AIはその指示に沿った文章や画像などを出力してくれます。

プロンプトはなぜ重要なのか

プロンプトが重要な理由は、プロンプトの良し悪しが生成AIのアウトプットの品質に大きく影響するからです。生成AIは、汎用的に多様な作業を実行できるものの、その能力を十分に発揮するためにはプロンプトを通して適切に指示を出す必要があります。適切なプロンプトを入力すれば目的に見合うアウトプットが得られますが、プロンプトの内容が不十分なら目的に合ったアウトプットを得ることはできません。
生成AIは、どのようなプロンプトを入力したとしても一定のアウトプットを出力しますが、より優れたアウトプットを出力させるには、生成AIの挙動を理解したうえで、それに合わせたプロンプトを入力することが重要になってきます。

プロンプトエンジニアリングとは

このように、生成AIを使いこなすためには「プロンプトを作成する力」がポイントとなります。このようなスキルや技術を「プロンプトエンジニアリング」と呼びます。

プロンプトエンジニアリングの基本形

プロンプトエンジニアリングにおいては、一定の型が存在します。よく知られる型として、以下のような「Instruction(指示)」「Context(背景)」「Input Data(入力)」「Output Indicator(出力形式)」という4つの構造でプロンプトを作成するものがあります。

  • Instruction(指示):「○○についてまとめてください」「△△について教えてください」のように生成AIに実行してほしい処理を指定する。
  • Context(背景):「あなたはプロのスポーツ選手です」「あなたはITに詳しい人材です」のように、役割や背景を与えてアウトプットを調整する。
  • Input Data(入力):「会議のメモ」や「社内規程」といった、生成AIが回答するために必要となるデータを入力する。
  • Output Indicator(出力形式):「□□文字で出力してください」「上層部向けの内容にしてください」のように出力内容を指定する。

これらの要素を満たしたプロンプトを作成すれば、よりよいアウトプットを得ることができます。

主な手法

プロンプトエンジニアリングの手法として、以下の3つが知られています。
これらの手法をうまく使いこなせば、生成AIの性能を十分に引き出せます。

  • Zero-shot prompting:具体的な例などの情報をプロンプトに含ませず、質問だけを与える手法。
  • Chain-of-Thought Prompting:問題例と回答例を先に示し、類似した問題を生成AIに回答させる手法。
  • ReAct:生成AIにWeb検索など外部ツールの利用方法をあらかじめ提示して、そのツールを生成AIが自律的に繰り返し利用できるようにする手法。このプロセスを通じて、AIは与えられた課題に対する解決策を考案し、最終的にその情報に基づいて回答を生成します。

プロンプトエンジニアとは

優れたプロンプトを作成できる技術者を「プロンプトエンジニア」と呼びます。プロンプトエンジニアは、AIを専門とした新しい職種として注目されるようになりました。
プロンプトエンジニアの役割は、優れたプロンプトを用いて生成AIから目的に合った回答を出力させることです。業務に利用できる定型的なプロンプトを作成して社内に配布したり、生成AIにプロンプトを繰り返し入力したりして改善を図るといった作業を担当します。これらの作業には、生成AIそのものに関する知識に加えて、自然言語処理やプログラミングといったスキルも必要です。

プロンプト作成のコツのイメージ

プロンプト作成のコツ

以下では、プロンプト作成に役立つコツを紹介していきます。

最初に指示を書く

プロンプトの最初に生成AIに実行してほしい指示を書くと、生成AIに期待することが明確になります。たとえば、翻訳してほしい場合は「以下の文章を翻訳してください」と、要約してほしい場合は「以下の文章を要約してください」などと、プロンプトの最初に明示します。
このとき、指示以外の内容は#などの区切り文字を用いて分離すると、生成AIは指示内容と補足内容の区別がつき、理解しやすくなります。

考え方を指定する

生成AIに対してどのような考え方でアウトプットを作成するかを指示します。たとえば「プロのクリエイターとして振る舞ってほしい」といった役割を与えたり、「データを重視して考えてほしい」「斬新なアイデアを提示してほしい」といった思考の優先度を指定したりすることもできます。
考え方を指定することで、目的に沿ったアウトプットとなるように生成AIの挙動を調整できます。

回答の形式を指定する

回答の形式を指定すれば、使いやすいアウトプットを得られます。たとえば議事録を出力させたい場合は、「決定事項」「ToDo」「議事概要」のように、内容を分けて出力するようプロンプトを記載します。形式を指定すれば、普段利用している議事録のフォーマットに合わせた項目のアウトプットを得られます。

具体化する

「○○について教えてください」とだけ入力しても、生成AIは一定の内容を出力してくれます。しかし「○○について、小学生にもわかるようにやさしく教えてください」や「○○について、短い文章で簡潔に教えてください」などと、より具体的な指示を与えれば、より意図に見合ったアウトプットを得やすくなります。
指示の内容が具体的でないと、生成AIは汎用的な内容を回答します。より具体的な回答を引き出すためには、指示もより具体的にするのがポイントです。

繰り返し試行錯誤する

いったんプロンプトを入力し、生成AIのアウトプットを確認したうえで、目的に合った内容になっていなければ、追加で制約条件を指定したり役割を与えてみたりするなど、試行錯誤して改善を図ります。
「もう少し具体的な内容にしてください」、「もう少し例を増やしてください」といったように、対話型で指示を追加すれば、生成AIに目的に合った内容を出力させるように誘導できます。

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まとめ

この記事では、生成AI活用のポイントとなるプロンプトについて、作成のコツなどをご紹介しました。生成AIの性能を十分に発揮させるためには、どのようなプロンプトを与えるかが重要です。プロンプト作成のスキルは、今後生成AIの利用が拡大する中で不可欠なスキルとなっていくでしょう。Alli LLM App Marketなら、業務で活用できる生成AIのメニューと一緒に、生成AIから有効な回答を得るためのノウハウが詰まったプロンプトも利用できます。ご興味のある方は、ぜひ当社までお問い合わせください。

  • 本記事は、2024年9月時点の情報をもとに作成しています。
  • 本記事は、一般的な情報提供を目的としたものです。記事内の内容については、当社は情報が最新のものであること、また、正確であることを保証することはできません。当社は本情報を使用したことにより生じる責任、損害を補償する義務を負いません。

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