人事総合ソリューション リシテア シリーズの導入事例
TIS株式会社様リアルタイムな勤怠管理を目的にリシテアを導入。
豊富なパラメーター設定により、カスタマイズなしでの導入を実現。
金融、産業、公共・公益などさまざまな業界で培った技術と実績を活かし、システムインテグレーション事業を手がけるTIS株式会社。
勤怠管理システム刷新にあたり、日立ソリューションズの「リシテアJob」を採用。開発スタート直後の10月には、2011年4月付でTIS、ソラン、ユーフィットの3社合併による新生TISの発足が発表されるという状況に直面します。
実質6ヵ月足らずというスケジュールのもと、3社間の就業規則の統一化と並行しながら、『Chronus(クロノス)』と名づけられた勤怠管理システムの開発が進められました。
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従来からの課題
タイムリーな労務管理と業務効率化、コンプライアンスの強化
間瀬文康 氏
勤怠管理システムのリニューアルは、当初、旧TIS、旧ソランを中心に進行していました。NOTESをベースにした従来の勤怠管理システムが老朽化してきており、Webシステムを用いて刷新しようというのが出発点です。IT業界はフレックス制度やクライアント先など事業所外での勤務といった多様な勤務形態があります。そこでタイムリーな勤怠管理というのが急務でした。「36協定」の遵守といった労務管理の側面はもちろん、コンプライアンスの面から社員の健康管理の必要性が高まり、リアルタイムに勤怠を管理する仕組みが必要だったのです。
従来の労務管理は、たとえば事業所外で働く社員などは、エクセルに勤怠状況を入力して月末に人事部に提出します。人事部は提出を締め切ってから集計を開始しますので、会社としては月末にならないと全社員の勤怠状況が把握できません。そこで、リアルタイムに勤怠管理ができ、事業所外からでも入力できるシステムにすることがリニューアルのポイントの一つでした。
「2010年10月にTIS、ソラン、ユーフィット3社の合併が発表され、TISとソランで導入が決定していた新しい勤怠管理システムをユーフィットにも導入することになりました。合併は2011年4月1日でしたので、開発期間は実質半年を切っていました。当初のスケジュールより短期間で導入をしないといけないという点も大きな課題となりました」(間瀬氏)
システム選定と導入時の取り組み
選定のポイントは豊富な導入実績。柔軟なパラメーター設定で細かい就業規則に対応
依光直仁 氏
開発ベンダーの選定にあたり、勤怠管理システムを扱う開発会社を探して、複数の候補社から提案やデモなどを受けました。候補の中の1社目が日立ソリューションズでしたが、技術的な質問にも的確に回答いただけましたし、要件に対する解決策のイメージも明確でした。今回のリニューアルでは「コンプライアンス対応」ということを経営サイドからも強く求められていましたが、その点も、大規模企業に対する導入実績が豊富な日立ソリューションズに魅力を感じました。
従来の勤怠管理システムは、ユーザー数が増えてくるとどうしてもレスポンスが低下していました。そこで、グループ全体で導入する際には、夕方や月末といった処理が集中する期間に大規模アクセスがあっても安定的に稼働するシステムというのが条件の一つでした。また、グループ各社が同一プラットフォーム上で勤怠管理を行うためには、細かい就業規則の違いなどにもパラメーター変更などで柔軟に対応する必要があります。こうした点に加え、事業所外からも容易にアクセスできる使い勝手の良さなどから、パッケージ製品であるリシテアが優れていると判断しました。
ベンダーが日立ソリューションズに決まったのが2010年の8月頃、開発がスタートして旧TIS、旧ソラン両社で要件定義を進めていたところで10月に合併が発表されました。新たに旧ユーフィットが加わって、新TISとしての勤怠管理システムのリニューアルをスタートさせることになりました。新TISの就業規則もこれから策定という状況で、システム開発はとても翌4月には間に合いそうもありませんでした。そこからは時間との勝負です。とにかくスケジュール最優先で、カスタマイズをしない方向で調整することになりました。いわばリシテアの設計にこちらの業務フローを合わせることにしたわけです。
「開発全体の中では、人事制度が決まって、それをパラメーターとしてシステムに設定していく工程が一番大変でした。就業規則が決まって、システムの仕様が決まると一口にいっても、最初は『就業時間は何時から何時まで』という基本的な部分しか決まりません。フレックス勤務の際の残業時間の計算はどうするのかといった細かい例外処理は、3社間で規則について擦り合わせて、それをシステム側にパラメーターとして設定していく作業を続けました。新しい会社のイメージもできていない中で、規則とシステムを同時に考えていかなければいけないのが大変でした」(依光氏)
導入後の効果
"ノンカスタマイズ"成功は標準機能でカバーできるリシテアの柔軟さゆえ
今回のリニューアルでは、「社員に迷惑をかけないように」ということに最大限配慮しました。社員のその先にお客様がいるわけですから、実際にお客様と向き合う社員に迷惑をかけるわけにはいきません。リニューアルで求められたのは「品質」と「スピード」です。その面からいえば、期日通りにリリースできたことがまず大きいです。インフラもロケーションも別々の中で、試行錯誤をしながら何とかリリースにこぎ着けられたのは、リシテアが様々なパラメーター設定に柔軟に対応できるシステムだったからだと思います。
リニューアル後は、システムの処理スピードが早くなりました。従来の勤怠管理がシステム化されることで、リアルタイムで勤怠状況が管理できるようになったことも大きな効果です。「また、有給休暇や振替休日の残日数管理などは、従来は手作業で行っていたものがシステム化されることにより、業務の効率化が図れました。たとえば休暇簿と勤怠の不一致のチェックは現場の担当者が目視で行っており、作業も膨大でヒューマンエラーの可能性もありました。こうした作業がシステムで適正に管理できるようになったおかげで、コンプライアンスにも寄与できたのではないかと思います」(依光氏)
「勤怠状況のリアルタイムな把握は、経営視点で言えば、適正な労務管理という面に加え、プロジェクトの生産性といった重要な経営指標の『見える化』をもたらしてくれました。プロジェクトメンバーの勤務状況がきちんと管理できないと、会社全体の収益性も見失うことになってしまいます」(間瀬氏)
今後の展望と日立ソリューションズへの評価
勤怠管理システムの「先駆者」としてのさらなる飛躍を
現在のユーザー数は約8千人ですが、今後、ITホールディングスグループ他社において導入が拡大することで約1万5千人規模まで対象ユーザーが増える予定です。たとえば、現状は正社員と派遣社員は別々の勤怠管理システムで管理していますが、これを同一システムで一元管理する準備を10月を目処に進めています。派遣社員の適正な勤怠管理というのはコンプライアンスの面からも必要性が高まっていますので、リシテアで一元管理することはメリットが大きいと考えます。
この7月にはモバイルでのアクセスにも対応する予定です。お客様の環境やポリシーによっては、当社の社内ネットワークにアクセスすることができないところもありますので、社員が事業所外から携帯電話を通じてリシテアにアクセスできる環境を準備しています。また、勤怠管理システム以外の展開としては、会計や給与、教育などの基幹システムとの連携により、リシテアから様々な経営判断の指標を提供できるようなモジュールの導入を検討しています。SE事業の固定費の大半は人件費です。リシテアを使いこなすことで、人件費をマクロ、ミクロ両面でリアルタイムに把握していきたいと考えています。
「今後の課題は、多様な働き方にシステムがどれだけ対応できるかという点です。震災後の節電の影響などで、社員の働き方の変化は従来以上に加速していくことが予想されます。日立ソリューションズには、世の中の動向や法令の改廃など、専門的な立場から今まで以上のサポートをお願いしたいです。また、人事ソリューション分野で協業し、さらなる製品の発展に一緒に取り組んでいければと考えています」(依光氏)
「日立ソリューションズにはシステムのリリースを合併に間に合わせてくれたことに感謝しています。短期間で、こちらの要望にも応えながらよく開発してくれたと思います。今後は、グループへの展開などでさらなるサポートをお願いしたいです。また、グループ経営の判断指標を提供するような、様々な機能をソリューションに盛り込んでいってもらい、お互いにパートナーとして成長していけたらと思います」(間瀬氏)
TIS株式会社
2011年4月にITホールディングスグループのTIS、ソラン、ユーフィットの3社が合併。幅広い業種・業態のお客様へITソリューションをワンストップでご提供できる体制が整いました。TISはお客様の信頼できるパートナーとして、お客様のビジネスの成功をシステムインテグレーションの側面からサポートします。
本社所在地 | 東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー |
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設立 | 1971年4月 | |
資本金 | 231億円 | |
従業員数 | 6,812名(2012年4月現在) | |
事業内容 | アウトソーシングサービス、ソフトウェア開発、ソリューションサービス |
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本事例の内容は2012年6月22日公開当時のものです。
最終更新日:2023年1月6日