株式会社日立ビルシステム様 人事総合ソリューション リシテア/就業管理クラウドサービスの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

人事総合ソリューション リシテア/就業管理クラウドサービスの導入事例

株式会社日立ビルシステム様

製造部門における適切な労務管理と生産計画に合わせた人的リソースの最適化を実現

日立グループの技術力を活用し、昇降機を軸に、都市空間におけるさまざまな課題解決に貢献する株式会社日立ビルシステムは、PCを利用しない製造現場の社員向けに、紙ベースで行ってきた就業管理をデジタル化。大幅な効率化が進むとともに、可視化された就業状況を判断材料に、生産ラインにおけるリソース配分の最適化にも取り組んでいます。

メインイメージ
課題
導入後
製造現場の社員はPCを利用しておらず、日々の勤務実績を紙に記録していた
FeliCa対応の社員証をカードリーダーにかざすだけで出退勤時刻を管理可能に
上長は、紙の勤務実績から社内システムに転記する必要があった
打刻された出退勤時刻をもとに、残業状況をリアルタイムに可視化して法令遵守を徹底
紙からシステムへの転記が適正な頻度で行われていない場合、残業時間に応じたアラート通知の精度が低下
タイムリーなアラート通知により適切な勤務マネジメントを促進

背景

転記作業を要する紙ベースでの就業管理からの脱却へ

本間 氏人事総務本部 国内勤労統括部 本社・首都圏総務グループ 主任
本間 崇弘 氏

「“人・ビル・社会”に新たな価値を提供し、持続可能な社会の実現に貢献する」ことを企業理念として、昇降機の設計・開発や保守・リニューアルならびにビルソリューションの提供を行う日立ビルシステム。日立グループの強みであるデジタル技術を先駆的に活用し、信頼性の高い昇降機はもちろん、ビルの価値を向上するさまざまなソリューションを提供するなど、安全・安心・快適な都市生活の実現に貢献しています。

そんな同社の昇降機事業を支える工場で、勤怠管理のデジタル化に向けて動き出したのは2020年秋のこと。業務にPCを使用する社員については、端末のログオン・ログオフ時刻を勤怠管理システムに連携する仕組みがあったものの、PCを利用しない製造現場の社員については、上司による現場での確認と紙ベースでの記録という、過去からの運用が続いていました。

「複数名の部下を持つ上長にとって、紙ベースできめ細かな労務管理を実現することは困難です。結果として、多くの上長が残業時間だけを抜粋した独自のエクセルシートを作成し、月内の労務管理を行っていました。また、月末には社内システムに出退勤時刻など細かな情報を転記入力するなど、二重三重の管理が発生しており、上長の負担となっていました」と本間氏は振り返ります。

取り組み

低コストで長期にわたり安心して使える信頼性を重視

西村 氏人事総務本部 国内勤労統括部 本社・首都圏総務グループ 部長代理
西村 優一郎 氏
田所 氏IT本部 情報システム第二部 第二グループ 主任
田所 直幸 氏

タイムリーに就労状況を把握し適正に労務管理を行っていくためには、デジタル化の推進が必須でしたが、「できるだけ製造現場の社員の手を煩わせることなく問題解決を図りたいと考えていました」と西村氏。そこで、出退勤の打刻をFeliCa対応の社員証で行うのが望ましいと判断し、これらの要件を満たすシステムの検討に入りました。検討の経緯を田所氏は次のように説明します。

「自社で一から開発するのは時間と工数の観点から難しく、法令改正のたびに改修が発生するパッケージ製品は、中長期的に見て運用コストが膨らむことが懸念されました。試算の結果、コストを抑えられるクラウドサービスに絞り込んだのですが、クラウドとなると、日立グループの厳しいセキュリティ要件をクリアしなければなりません。その点『リシテア/就業管理クラウドサービス』(以下、「リシテア」)は、日立グループの信頼と安心感があり、使い勝手とセキュリティを両立する製品として評価できました」

さらに、社員証を読み込むためのカードリーダーの動作が担保されていたこと、カードリーダーの調達も含めて日立ソリューションズがワンストップで対応可能だったことで、導入のハードルは一気に下がったと言います。

効果

入力作業に割いていた時間を約70%削減

市毛 氏人事総務本部 国内勤労統括部 本社・首都圏総務グループ
市毛 裕美 氏
中根 氏人事総務本部 国内勤労統括部 本社・首都圏総務グループ
中根 裕季子 氏

導入後の運用について、「現場の社員は社員証をかざして打刻するだけ、上長は画面上で承認ボタンを押すだけとなり、入力作業に割いていた時間が約70%削減されました」と市毛氏。「リシテア」はRPAを活用して全実績を管理する社内システムに連携されており、上長が承認済みのデータが自動でエクスポートされるようになっています。

「おかげで管理部門としても日々の就労状況の管理がしやすくなりました。法令遵守の観点でも、しかるべきタイミングでアラートを通知できるようになったのは大きいですね」(中根氏)

また、勤務実績が可視化されたことによる効果として特徴的なのが残業データの活用です。部門単位の残業状況をリアルタイムかつ正確に把握できるようになったことで、月間生産計画にもとづいて月末の残業時間を個人ごとに予測し、作業を適正に振り分ける取り組みが進んでいます。つまり、残業管理の先にあるリソース配分の最適化にまで踏み込めるようになったのです。

展望

単なる就業管理の領域を越えた課題解決に貢献

あらゆる領域でデジタルイノベーションを加速する日立ビルシステム。「より速く無駄のないモノづくりの実現に向けて工場内の構造改革を推し進めるうえでも、デジタルデータの活用が欠かせません」と西村氏が語るように、今後はより長期的な視点で、「リシテア」が単なる就業管理の領域を越え、働き方や人財活用の観点で多くの課題解決を促していくことが期待されます。

また、インターネット接続環境さえあれば、スマートフォンやタブレットからでも利用可能であることから、工場で働く社員だけでなく、昇降機やビル設備のメンテナンスを行うフィールドエンジニアへの適用も検討が可能となりました。誰にとっても使いやすいシンプルな仕組みが、同社のデジタル化の動きに新たな価値をもたらしています。

PCの利用がない製造現場で、誰もが使えるシンプルな運用を実現

  • 打刻は社員証をカードリーダーにかざすだけ、承認は上長が画面上でボタンを押すだけ
  • 残業や各種休暇の状況を部門単位でリアルタイムに把握
  • 汎用データのエクスポート機能により、社内システムと柔軟に連携
  • 勤務実績をもとに月末の残業時間を個人ごとに予測し、リソース配分を最適化
RPAを活用して社内の独自システムに自動連携

株式会社日立ビルシステム

所在地 東京都千代田区神田淡路町二丁目101番地(ワテラスタワー) 株式会社日立ビルシステム
設立 1956年10月
従業員数 約9,000名(2021年3月時点)
事業内容 昇降機(エレベーター・エスカレーター)の設計・開発・製造・販売・据付・
保守・リニューアルおよびビルソリューションの提供
URL https://www.hbs.co.jp/

導入事例ダウンロード

本事例の内容は2022年6月14日公開当時のものです。

最終更新日:2022年6月14日