人事総合ソリューション リシテア/就業管理の導入事例
東日本旅客鉄道株式会社様約5万人の勤怠管理を15年以上支え続けたシステム。さらなる変革に向け機能を拡充してリニューアル
鉄道事業のほか、生活サービス、Suicaなどの幅広い事業を手がける東日本旅客鉄道株式会社は、法改正や働き方改革などさまざまな変化を経ながらも、2008年に導入した「リシテア/就業管理」を15年以上にわたり使い続けてきました。全社員にタブレット端末が配備されたのを機に、2022年のリニューアルでは勤怠管理業務のさらなる効率化に向け利用環境を拡充。より細かい粒度で勤務状況を可視化することで、労務環境の改善に役立てています。
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背景
あらゆる変化に対応し続けた15年
小髙 圭介 氏
1987年に日本国有鉄道(国鉄)の民営化により誕生し、国民の足として日本の発展を支えてきた東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で鉄道事業収入が大きく減少した経験を経て、「鉄道」起点ではなく「ヒト」起点のビジネスモデル変革に力を注いでいます。また、変革を前進させるため、人材を成長の源泉として捉え、フレックスタイム制の現業部門への拡大や育児や家事との両立支援といった制度面の改正に加え、完全なる縦割りだった業務遂行体制の見直しに着手。現業部門と企画部門が組織横断的に新たな価値創造に取り組むなど、さまざまな働き方改革を推し進めています。
こうした変革への道のりを支え続けてきたのが、2008年に導入した「リシテア/就業管理(以下、リシテア)」です。手作業だった勤怠管理をシステム化して以来、大小さまざまな改修を重ねながらあらゆる変化にしなやかに対応することで、その使い勝手を維持し、導入当初から運用方法を大きく変えることなく安定稼働を実現しています。
「リシテア」の利用者は、本社・支社に勤務する社員と、約1,800拠点で勤務する駅係員や車両・設備メンテナンス業務従事者のほか、外部連携している輸送総合システム(乗務員向けの勤怠管理システム)の対象者を含めると約5万人に上ります。鉄道特有の複雑な勤務体系かつ5万人規模の勤務データを扱うシステムでありながら、15年以上にわたり目立った故障やトラブルがなかったことを、小髙氏はこう評価します。
「24時間365日、どの時間帯でも誰かしらが働いている業態です。もともと全社員が利用した場合にもパフォーマンスが出ることを要件として導入しましたが、実際にこれだけの安定稼働を実現できるシステムは、社内に星の数ほどあるシステムを見てもほかに例がありません」
取り組み
さらなる業務効率化に向けリニューアル
こうした揺るぎない信頼と実績の積み重ねから、2022年に勤怠管理のさらなる効率化に向けてリニューアルを決めた際にも、他社製品へのリプレースという選択肢はありませんでした。そこには、安定稼働が約束された安心感に加え、同社が重視したもう一つの理由がありました。
「制度改革や法改正など、変化への対応において必要な改修を行う際には、要件をどれだけ的確にシステムに反映できるかが重要になります。この点での満足度の高さが、『リシテア』を長く使い続けてこられた理由であり、リニューアル後も使い続けたいと思った最たる理由です。設計当初から、その先の変化を見越して柔軟に対応できるようなバックボーンが磨き上げられていたのだと思います。また、常に親身になって寄り添ってくれる日立ソリューションズとの深い信頼関係も、なくてはならない要素ですね」(小髙氏)
効果
全社員の利用環境を整備しデータ活用を促進
JR東日本では、DX推進を目的として全社員にタブレット端末を配備し、現場主導での業務改革を進めています。勤怠管理においても、2022年のリニューアルを機にタブレット端末による利用環境を整備しました。
「現業部門では共用のパソコンしかない職場が多く、超過勤務が発生した場合に記録を書いた紙を上司に渡し、別の担当者が代理入力するようなケースもありました。タブレット端末の利用が可能になったことで、それぞれの業務負荷が軽減され、休暇申請のためだけに所定の場所に足を運ぶといったムダも完全に排除できました」と小髙氏。紙ベースの業務フローはローカルルールの乱立やミスの発生にもつながるため、紙を撤廃し、全社員の入口を「リシテア」に統一化できたことは大きな成果です。また、リニューアルにあわせて、休暇申請のデータからシフト案を作成する機能も強化。乗務員に関しては、「リシテア」で収集した休暇申請情報を輸送総合システムに連携し、シフト作成に利用することも可能になっています。
一方、データ活用の観点では、全社や支社といった粒度ではなく、組織ごとに勤務状況を可視化できるようになり、管理者は、月単位の平均労働時間の比較や、超過勤務の原因分析など、労務コンプライアンスの強化に役立てています。
「部下の勤務状況を一人ひとり事細かに追いかけなくても、『リシテア』なら一目瞭然ですから、早めに気づいて早めに手が打てます。超過勤務の警告閾値を設定して通知したり、業務改善のきっかけにしたり、データの活用範囲が大きく広がりました」(小髙氏)
展望
引き続き変化への対応のあり方が鍵
「今後は開発中の人事給与システムと連携して、さらなる業務効率化を図っていく考えです」と語る小髙氏は、改めて勤怠管理システムの難しさを次のように指摘します。
「制度改革や経営判断に伴い変えたほうがいいこと、一方で法改正のような外部要因によって変えざるを得ないことが100%起こります。不変であることが難しく、標準化できない事情もあるなかで、システムの可変的なあり方が重要な鍵を握ります。勤怠管理システムは社員の一番近くにあるからこそ、現場にとって負担が少ないものであり続けたいと思っています」
「リシテア」に求められるのは、変化に対応しながらも、シンプルな使い勝手を損なわない強さ。引き続きここから先のJR東日本の変革にどう追随していくのか。新たな挑戦が始まっています。
企業人事をとりまく環境の変化に追随する柔軟性を提供
- 時代の変化に合わせた新しい「働き方」に柔軟かつ俊敏に対応
- 直感的で誰にでも使いやすいユーザーインターフェースで入力業務を効率化
- パソコンやタブレットなど職場環境に応じた適切な入力手段を提供
- 超過勤務に関する通知により、社員や管理者に気づきを与え労務環境の改善を促進
東日本旅客鉄道株式会社
所在地 | 東京都渋谷区代々木二丁目2番2号 | |
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設立 | 1987年4月1日 | |
従業員数 | 46,051人(2023年4月現在) | |
事業内容 | 旅客鉄道事業、貨物鉄道事業など | |
URL | https://www.jreast.co.jp/company/ |
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本事例の内容は2024年6月21日公開当時のものです。
最終更新日:2024年6月21日