人財戦略ソリューション リシテアCareerの導入事例
オリックス株式会社様オリックスグループ約8,000名の人事評価を一元管理
1964(昭和39)年に創業された多角的金融サービス業であるオリックス株式会社。同社は、2009年10月に人事制度の刷新を行い、それを機に、同社と人事制度を同じくするグループ会社10社との間で人事評価を一元管理するためのシステムの導入に着手します。
システムには日立ソリューションズの「リシテアCareer」が採用され、2010年9月に稼働開始しました。
- 人事評価をグループ全体で一元管理できるシステムを
- 大規模システムへの実績と機能要件を柔軟に取り込んでくれる提案が決め手
- 担当者の作業負荷の軽減と評価の進捗の可視化に寄与
- 今後も最新動向等に基づく新しい提案をいただきたい
- お客さまプロフィール
- 私たちが担当しました
- 導入事例ダウンロード
この事例に関するソリューション・商品
人事評価をグループ全体で一元管理できるシステムを
松村克彦 氏
オリックスグループでは、ブランドスローガンである「ほかにはないアンサーを。」をお客さまへ提供するため、グループ各社の専門性を高めると同時にその連携に力を注いでいます。そのため、社員の異動配置においても、グループ各社の垣根を越えた出向が日常的に行われ、その数は年々増しています。
そうしたなか、出向者の人事評価管理が問題となっていました。オリックス株式会社では自社開発の人事評価のシステムを2002年頃より導入し、目標設定から評価実施、基幹システムへの情報取り込みまで一貫して行っていましたが、グループ会社では、人事制度が少し異なる等の要因から同じシステムは導入されておらず、紙で実施していました。出向者については、出向先で評価実施し、出向元人事へ送るというルールとしているため、結果として、オリックス株式会社人事部ではシステム管理されたデータと紙のデータが混在し、その管理に苦慮していました。
一方、グループ会社からオリックス株式会社への出向者は紙実施としているため、評価現場でもシステム申請者と紙申請者が混在し、会社全体で二重管理となっていました。
このように、グループ間での出向といった社員の異動に、システムとして対応できておらず、人事評価を出向者も含めて一元管理したいという課題を抱えていました。
これに加えて、2009年10月に人事制度の大きな改訂がありました。これにより、既にシステム化されているオリックス株式会社の人事評価システムも大規模改修が必要になり、様々な対処方法を検討しましたが、最終的には、主なグループ全体で利用できる新たな人事評価システムを導入することに決めました。
大規模システムへの実績と機能要件を柔軟に取り込んでくれる提案が決め手
制度体系の大枠が決まった2009年4月頃より本格的に検討を開始。開発会社は複数社のコンペで選定しました。
我々の機能要件としては、まず一つ目に短期間の開発が可能なこと。2010年下半期からの稼働開始ということで、実質開発期間は半年足らずしかありませんでした。
二つ目が、パッケージシステムをベースにしていることです。人事評価の制度は、時代の流れに伴い、毎年何らかの制度改訂が発生します。以前のシステムは小規模改修にも費用と時間を要しました。パッケージ導入により、ちょっとしたシステムの改修であればすぐに対応できる仕組みにしたかったのです。
三つ目が、システムの処理スピード・レスポンスの速さです。従来のシステムはレスポンスがやや遅かったため、グループ各社へ拡大したときに、さらに処理が遅くなるのは避けたいと思っていました。
こうした機能要件に対し、最も優れた提案を示してくれたのが日立ソリューションズでした。決め手となったのは、大規模システムに対する実績や、安定運用の部分での信頼の高さです。また、前述したような複雑な出向状況に対応する部分も、パッケージの標準機能に盛り込んだ柔軟な提案をしていただき、こちらの要望を一番実現できると感じました。
2010年3月頃にシステム導入が正式に決定し、開発がスタートしました。開発時に力を入れた部分は、利用者全体が評価制度の手順に沿ってスムーズに負担感なく使える操作性、評価者が全体感をもって適正に評価実施できる一覧性でした。特に、評価対象者の一覧画面を充実させ、過去目標参照や進捗管理の機能、並び替え・ソート・平均点表示などの評価制度に沿った集計機能を実装しました。
担当者の作業負荷の軽減と評価の進捗の可視化に寄与
新システムは2010年9月に稼働開始しました。その後、1年かけてグループ10社に導入していきました。導入効果としては、まず処理スピードの向上が挙げられます。また、システム化されていなかったグループ会社では、人事部の作業負荷も軽減されました。たとえば、グループのある会社ではすべての評価内容を回収し、集計作業にあたる一般事務職3~4名分の作業が軽減されています。
また、人事部として各部門、各社の評価の進捗が可視化されるようになったのも大きな効果です。人事評価には期限がありますので、各部門、各社の集計がスピードアップできれば、人事部は、全社間の調整といった本来の仕事により注力できるというメリットがあります。システムの運用についても、制度の改訂に伴う小規模改修作業については、社内のシステム部門でメンテナンスできるようになり、迅速な対応が可能になりました。
現在、システムを利用しているユーザーは、オリックスグループで約8,000名います。人事評価の仕組みをグループ間で一元管理するメリットは、様々なキャリアを持った社員を、必要なビジネスにスピード感を持って配置できることにあります。人事評価システムには、今までの仕事内容と目標設定、評価内容が入力されているので、その社員がどういうキャリアを持っているか、システム上ですぐに参照が可能です。新しいビジネスを立ち上げる際にも、グループ全体から人材を発掘するということが従来以上に容易にできるようになりました。見た目や操作性にも気を遣って開発したおかげで、細かい要望点などはあるものの、各部門、各社とも使いやすくなったと概ね好評をいただいています。
今後も最新動向等に基づく新しい提案をいただきたい
日立ソリューションズには、開発期間がない中、よく対応していただいたと感謝しています。弊社の制度と業務の内容をよく理解して、システム化していく過程でできること、できないことを早期に判断できるような提案やアドバイスを数多くいただきました。
今後は、他社での導入実績や、人事評価に関する最新情報や動向に基づく新しい提案をいただきたいと思います。人事評価制度は時代の要請等に合わせて変化していくものですので、新たにパッケージ化した機能などで、弊社のシステムに適用できるものがあれば、フィードバックしていただけたら嬉しいです。
オリックス株式会社様
1964年の創業以来、総合リース業のパイオニアとして、時代の変化や多様化するお客様のニーズに応えるべく金融サービス分野を中心に経営を多角化。海外においても、1971年の香港進出を皮切りに、現在では世界27カ国・地域に拠点を設け、多角的に事業を展開しています。今後も、グループ各社の専門性を高め、連携することでさらに新しい価値を創造し、社会に貢献できる企業グループを目指していきます。
本社所在地 | 東京都港区芝4丁目1番23号 三田NNビル | |
---|---|---|
設立 | 1964(昭和39)年 | |
資本金 | 1兆3,302億7千4百万円 | |
従業員数 | 17,553人 | |
事業内容 | 法人金融サービス事業、不動産関連ファイナンス事業、不動産事業等 |
私たちが担当しました
プロジェクト開始~本稼動まで約半年間という短納期プロジェクトでしたが、これまでオリックスグループ様が築いてきた、人事評価制度の歴史や関係者の方々が本システムに込めた想いに触れ、お客様の人財育成業務を支援できるシステムを構築したいと強く思いました。
本プロジェクトは、スケジュール、業務要件の複雑性の面で非常に難易度の高いプロジェクトでしたが、オリックスグループの皆様による素早い意思決定と今後を見据えた的確なシステム化要件のご提示により、当初予定通り、無事本稼動を迎えることができました。
今後も、お客様のご期待に応えられるように、そしてさらに良い提案ができるよう、取り組んでいきます。
株式会社日立ソリューションズ
この事例に関するソリューション・商品
導入事例ダウンロード
本事例の内容は2012年3月22日公開当時のものです。
最終更新日:2024年10月23日