データベース参照・更新ソリューション MasterInfinityの導入事例
マックス株式会社様マスターデータの保守を効率化。内部統制対応の強化も実現
ロングセラー商品であるホッチキスの開発元で知られるマックス。同社では、データベース参照・更新ソリューション「MasterInfinity」を活用し、各部門が行うマスターメンテナンスの保守を効率化。同時にセキュリティにも配慮し、全社的な内部統制の強化を実現しました。
この事例に関するソリューション・商品
従来からの課題
オープンシステム化に伴いIT基盤の統制が課題
小林 正武 氏
発売以来、ロングセラー商品であるホッチキスの開発元といったイメージが強いマックス。近年では、その技術力を生かし、鉄筋結束機や高圧釘打機などの住宅・建築業界向け製品も事業の主軸となっています。
製品や交換部品・消耗品の販売から研究開発、アフターサービスまで、多岐にわたる業務を支えているのが本社の基幹システムです。同社システム統括部では、2010年から順次、生産管理用のメインフレームをオープンシステムへ移行していきました。
「オープンシステム化する過程で、リスクマネジメントの一環として取り組んできたのが、IT基盤における統制対応です。お客さまからの信頼に関わるため、セキュリティの強化も狙いでした」(小林氏)
IT統制の対象として挙がったのが、生産管理や労務管理などに欠かせないマスターデータです。一口にマスターデータベースといっても、記録するデータ量やテーブル数、利用頻度が異なります。参照や更新の頻度が高いもの、テーブル数が大きくその配置やチューニングに工夫を要するものなどは、管理者向けのメンテナンス画面や利用者向けの操作画面をシステム統括部がスクラッチで開発していました。
一方で、利用頻度が高くない参照系の新規マスターデータのメンテナンス画面やユーザー向けの画面は、Microsoft Visual Basic や Microsoft Access などを用いて作成し、利用者に公開。
「基幹システムにはないデータは、ユーザーが個別に Microsoft Excel、Microsoft Access で管理していました。現場担当者が分析やシミュレーションなどにすぐに活用するためには、システム統括部が介在して開発・公開するよりも、一任した方が手間がかからず、迅速だったためです。ただし、マスターへの接続は主に既存のDB管理システムから行われており、誰が、いつ、どのマスターを参照したのか、どのようなSQL操作を行ったのか、といった記録まで残る仕組みは標準で備わっていませんでした」(小林氏)
ブラックボックス化すればIT統制の点で問題があります。2010年以降、本格的な対策の検討が開始されました。
導入の経緯
証跡管理やアクセス制限が条件、導入後の幅広い提案にも期待
検討に当たって同社が考えていたのは3つ。まず「最低限の工数で安心安全に公開できること」。次に「参照および更新におけるアクセス権限の設定が容易なこと」。マスターデータを更新する場面でも、SQL操作にアクセス権限に応じた制限をかけることで、データベースを破損・消去するリスクを回避することができます。3つ目は「マスターへのアクセスに関する証跡がログデータとして記録されるソリューションであること」でした。
3つを満たすソリューションとして、同社は日立ソリューションズのデータベース参照・更新ソリューション「MasterInfinity」の導入を決定しました。
「製品を買って終わり、ではなくトータルにサポートしてくれる会社であることも重視しました。他社では、求めていたソリューションがなかったり、トータルサポートが難しい気がしていました。その点で、日立ソリューションズは日立グループの一社として、基幹系のソフトウェアをはじめ、社内コラボレーションやコミュニケーションを活性化する情報系の多彩なソフトウェアを開発・提供しています。導入後も私たちの業務課題に対応してくれるユニークな提案が得られることを期待しつつ採用しました」(小林氏)
すでに製造、流通、金融、官公庁などで用いられる多くの実績も採用時における安心感になりました。
導入時の取り組み
きめ細かなサポートで短期間かつスムーズに導入
部門管理者向けのメンテナンス画面は、新たにシステム構築することも考えましたが、それよりもはるかに少ない工数と期間で構築することができました。各ユーザーの端末にインストールする必要がなくWEB上で簡単にアクセス可能なことも短期間で導入できた理由の一つです。そして、2012年3月に稼働を開始し、今日に至ります。
「トレーニングやマニュアルなども充実しており、日立ソリューションズのきめ細かなサポートがあったからこそ導入に成功しました」(小林氏)
円滑な導入と継続的な運用の背景にあるのは、同社システム統括部門とマスターを利用・管理する各部門との厚い信頼関係です。
「当社では2000年ごろから現CIO(Chief Information Officer)が全社的な業務システム刷新、メインフレームからオープンシステム化への推進、無線LAN環境の整備、タブレット端末を利用した会議のペーパーレス化など、ITを使ったワークスタイル変革を進めてきました」(小林氏)
数々の全社的なプロジェクトを通じて、日ごろから各部門とのコミュニケーションを密にし、業務を熟知し、信頼を培っていたことが、今回の「MasterInfinity」の円滑な導入においても大きく寄与しました。
導入の効果
開発工数を削減し情報漏洩対策にも寄与
「MasterInfinity」の導入後は、工数をかけずにマスターデータのメンテナンス画面を構築できるようになりました。その結果、システム統括部ではより優先度の高い他の開発プロジェクトや運用管理など、力を入れたい業務にリソースを集中できるようになりました。
開発工数の削減に加えて、活用度が高まるメリットもありました。マスターデータからのデータ抽出条件をシステム統括部であらかじめ登録しておくことで、各部門担当者がSQLやDBの知識がなくてもデータの参照が可能になりました。
例えば生産管理部門では、生産管理情報の活用、負荷計算のためのデータ抽出、原価管理シミュレーションにおける原価や数量などのデータ変更は「MasterInfinity」の画面を介して行っています。
内部統制の強化も進められました。各部門管理者が独自に抽出条件を登録する場合も、参照できるテーブルにあらかじめ制限をかけておく機能により、不要なデータの公開を避けられます。参照や更新の際に、不必要なSQLを発行することが避けられ、情報漏洩対策にもなります。
「マスターデータの運用は今も各部門で行われていますが、統制が保たれ安全性も担保した状態で、各部門の社員にマスターデータを公開することができるようになりました」(小林氏)
今後の展望
利用者の声を新バージョンに反映、働き方改革の推進を支える
「当社では、パートナーとはできるだけ長く付き合いたいと考えています。日立ソリューションズにはこれからも面白いソフト、機能を提案してほしいと思っています」(小林氏)
「MasterInfinity」はバージョンアップを重ねており、外部テーブルの呼び出しをより簡便に行える機能拡充など、利用者の声を反映し続けています。今後もマックスの事業や働き方改革を支えられるように、日立ソリューションズはお客さまのニーズに合わせたより良いソリューションを提供していきます。
マックス株式会社
本社所在地 | 東京都中央区日本橋箱崎町6-6 | |
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設立 | 1942年11月26日 | |
従業員数(連結) | 2,647人(連結) | |
事業内容 | ホッチキスを基盤に、ステーショナリーやオートステープラ(コピー機に内蔵される電子ホッチキス)といった事務機器を展開するオフィス機器事業から、釘打機や鉄筋結束機などを開発生産する機工品事業、浴室暖房換気乾燥機などを提供する住環境機器事業まで幅広い事業を展開する。農業・園芸資材や車いす、歩行器なども扱っている。徹底した現場主義、顧客主義を標榜する。 | |
URL | http://www.max-ltd.co.jp/ |
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本事例の内容は2018年3月29日公開当時のものです。
最終更新日:2018年3月29日