神東塗料株式会社様 生産・販売・原価 統合パッケージ mcframeの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

生産・販売・原価 統合パッケージ mcframeの導入事例

神東塗料株式会社様

本社と4販社の5拠点で「MCFrame」を同時立ち上げ。 全社規模の新たな情報基盤として、安定稼働を実現。

総合塗料メーカーである神東塗料株式会社では、従来から利用していたホスト基幹システムに代わる新システムに、パッケージ型システムの採用を決定。本社と4販社を合わせた5拠点に「MCFrame」を導入し、シームレスな連携機能を持つ新たな基幹システムとして2011年4月に立ち上げました。

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導入の背景

老朽化したホスト基幹システムに代わる、新システム導入を検討。

北西正典氏企画・経理室(情報システム) 部長
北西正典氏

神東塗料では、20年以上利用してきたホスト基幹システムの更新を、数年前から検討していました。その主な理由は、業務プロセスの変化に応じて重ねてきた拡張によって、システムが複雑化し、維持・運用に多大な労力がかかるようになっていたというもの。将来的に予想される業務変革への対応力強化を図るとともに、継続的な安定運用を可能にする新たな基盤づくりが必要であるという判断から、パッケージ型新システムの導入を決定。約1年3か月にわたる導入作業を行いました。

選定の経緯

ユーザとなる各部署の評価も取り入れ、「MCFrame」に決定。

津田政治氏企画・経理室(情報システム) 課長
津田政治氏

導入する新システムについてまず決定したのは、パッケージ型システムの採用でした。 「それは、従来のようなホスト基幹システムの開発メンバーを自社内で確保するのが難しいこと、手組みのシステムはどうしても人に依存することになってしまう、などの理由からでした」(北西氏)。

4製品に絞り込んだ後、各製品担当のITベンダーからプレゼンテーションを受けました。それを評価した結果、日立ソリューションズの「MCFrame 生産管理・原価管理」の導入を決定しました。

「評価方法を決める際に、コンサルティング会社にも相談しました。そのうえで、情報システム部の部員とユーザとなる各部署のキーパーソンに、11の項目について点数とコメントで評価してもらいました。その結果、10項目において日立ソリューションズの提案がトップ評価となりました」(北西氏)。

情報システム部だけでなく、ユーザの視点からも高評価が集まったなか、特に4つのポイントが選定の決め手になりました。

●塗料製造という業務の特性から、品目コードに「容量」を付加できることが必須条件でした。これを標準機能で実装できたのは「MCFrame」だけでした。

●パッケージをより使いやすくするには、カスタマイズが必要です。「MCFrame」はカスタマイズが容易なパッケージですが、その特長をITベンダーがよく理解して、業務に応じたサポートをしてくれるかという点も重要なポイントでした。日立ソリューションズならやってくれるだろうという期待感がありました。

●提案内容に対して、提示された費用が最も低価格でした。

●プレゼンテーションの説明が非常に分かりやすく、開発やサポートへの期待が持てました。また、営業の人の熱意が最も伝わってきたことも大きなポイントでした。

「パッケージに対する評価が高かったことはもちろん、プレゼンテーション時のスタッフの印象も選定の大きな要素となりました」(北西氏)。

導入時の取り組み

一番のヤマ場、マスタデータの移行も乗り越え稼働開始へ。

藤原義則氏企画・経理室(情報システム) 副課長
藤原義則氏

導入するパッケージに「MCFrame」を選定後、2010年1月から本格的な開発と導入作業がスタートしました。要件定義から稼働開始までの期間は約1年3か月。その間に、本社と同時に4つの販社のシステムにも「MCFrame」を導入することが決定し、全社的な新システム立ち上げに向けて急ピッチで作業が進められました。

「作業開始と同時に、関係部署や販社の人もメンバーに入れたプロジェクトチームを立ち上げました。そうすることで、今回の新システム導入への参画意識が高まると考えたからです。もちろん、それぞれの現場のニーズを聞いたり、使い方を説明する場も繰り返し設けました。システムを熟知している日立ソリューションズのスタッフには、その都度全国各地に同行してもらいました」(北西氏)。

2010年7月からは、神東塗料の本社に日立ソリューションズのスタッフが常駐して開発作業を進めました。機能への要望などをいつでも相談できる体制が整うとともに、日立ソリューションズのスタッフの塗料製造業務への理解も深まり、プロジェクトチーム全体の一体感が強まりました。この常駐体制は、システム稼働後3か月まで、約1年間続きました。

「スケジュールを前倒しで設定していたおかげで、ほぼスケジュールどおりに稼働を開始できました。しかしながら、製造に関するマスタデータの移行時にはカベにぶつかり、一番のヤマ場になりました」(北西氏)。

「マスタデータにもいろいろありますが、特に塗料の原料の配合に関するデータの移行が難関でした。一つの塗料を作るために、何十種類という原料を配合します。しかも、製品数が多いうえに、容量ごとの対応も必要。そのぶんマスタデータも膨大になるので、たいへんな労力が必要でした。本来ならば、パッケージ製品であるので新システムの項目を理解して、旧システムのデータから手入力で移行しなければならないのですが、日立ソリューションズに登録用ツールなどを作ってもらったことで作業がスムーズに進み、なんとか稼働に間に合いました」(津田氏)。

また、プロジェクトのスタート後に導入を決定した販社システムの「MCFrame」を、どの程度本社システムの「MCFrame」と連携させるのかも、開発の重要なポイントになりました。

「従来のシステムは手組みだったので、本社と販社のシステム、社内の経理などの周辺システムが緊密に連携していました。しかし、標準の『MCFrame』に連携機能はありません。そこで、日立ソリューションズに自動連携の方法を提案してもらい、カスタマイズすることで対応しました。また周辺システムとの連携も、本体側システムの仕様決定を待って、ぎりぎりのタイミングで対応しました」(藤原氏)。

2011年に入ってからは、こうした開発の追い込み作業と並行してユーザによるテスト、全国の拠点での操作教育、移行のリハーサルなどを行いました。日立ソリューションズは、手順書やマニュアルづくりなどのサポートを担当。2011年4月のシステム稼働を迎えました。

導入の効果

堅牢なシステムを、という要望に応えて、安定稼働を継続中。

3月31日に年度の締めを行った後、新年度が始まる4月の1日から3日の間に、旧システムから新システムへ関係者全員でデータを移行。その作業は、当初予備日としていた3日の夜までかかりましたが、翌4日の月曜日には予定どおり新システムが稼働しました。

「思っていたよりすんなりと動いたというのが、正直な感想でした。もちろん、現場で操作をしている人たちのがんばりや、トラブルを素早く解決に導いてくれた日立ソリューションズの対応があったからですが。ホスト基幹システム時代の経験から、ある程度のトラブルは覚悟していたので。それくらい、スムーズなスタートでした」(津田氏)。

「スタート時だけでなく、それから約1年半経った今までも大きなトラブルはありません。修復まで一番長くかかったものでも約3時間。このときも、日立ソリューションズのスタッフが分担作業で取り組んで、業務にほとんど影響を及ぼすことなく解決してくれました。実は、このプロジェクトが始まったころに社長から言われたのは、とにかく堅牢なシステムにしてくれということでした。そういう意味では、期待に応えられていると思います」(北西氏)。

本社と4販社が連携した、全社規模の新たな情報基盤として「MCFrame」は安定稼働を続けています。

「今回のシステム構築を通じて、ユーザとデータの距離が縮まったのは確かです。それが結果的に日常業務や経営の改善に貢献してくれればいいと考えています。例えば、旧システムでは情報システム部を通じてしか得られなかったデータが、各自で簡単に取り出せるようになりました。そのデータを、それぞれの業務にどう活用するかというのが次の段階ですね」(北西氏)。

日立ソリューションズへの評価

システムと業務を知り尽くしたベンダーとして、今後の提案を期待。

「MCFrame」の稼働開始から約1年半が経ちました。

「一番不安を感じたのは、昨年7月に日立ソリューションズの常駐体制が終わってしまうときでしたが、その後も、まるで常駐しているかのような対応を続けてもらっています。通常の連絡はメールで、緊急の場合は電話で連絡を取り合い、問い合わせにはほぼ即答という状態です。こうした体制には、満足しています」(津田氏)。

「そうですね、現在の対応に心配はしていません。ただ、今後スタッフの変更などがあった場合、現在のサポートのレベルを維持してもらえるのか。例えば、ドキュメント上の引き継ぎなどは確実にできていても、システムへの熱意や当社の業務に対する理解度などを、どのレベルまで維持してもらえるのか。そういった点を、私たちは気にしているのです」(藤原氏)。

「まずは、安定稼働を継続するためのサポートを、これまでと変わらずにしっかりとお願いしたいです。あと、私は、今回のシステム更新がスムーズに行えたのは、開発段階での苦労を当社のメンバーと日立ソリューションズのスタッフが一つのチームとして共有できたからだと思っています。また、日立ソリューションズが、塗料製造という業務の特性や背景まで非常によく理解してくれたからこそと思っています。ここまで、私たちの業務ついて知っていてくれるベンダーはほかにないので、そうした立場からの提案を、今後はぜひお願いしたいと思います」(北西氏)。

神東塗料株式会社

本社所在地 兵庫県尼崎市南塚口町六丁目10番73号 神東塗料株式会社
設立 昭和8年4月17日
資本金 22憶5,500万円
従業員数 356人(平成24年3月31日現在)
事業内容 塗料の製造販売および化成品の受託生産
URL http://www.shintopaint.co.jp/

日立ソリューションズ担当者からのコメント

小中敏

プロジェクトはITベンダーや開発サイドの作業はもちろん重要ですが、それに加えお客様の“覚悟”と“頑張り”がなければ、真の成功にはなりえません。 今回のプロジェクトが成功した一番の理由は、このプロジェクトの重要性と優先度をお客様社内で共有いただき、全社的な取り組みとして頑張っていただいたことです。とくに事務局の皆様には、ユーザーの動機づけや調整など本当にご尽力いただき、合わせて弊社側の意見も熱心に聞き入れていただきました。 お客様のこの熱意が、弊社側のメンバにも伝わり我々自身のやる気の牽引力にもなったと感じています。


システム稼働後の現在も、お客様からのご要望を受けシステムの改善は続いています。これは、不具合を直すという後ろ向きなものではなく、自社の成長に合わせてより最適なシステムへ進化させたいという強い思いがあるからこそのご要望で、ポジティブな改善へとつながっています。


「より良いシステムをより良く活用したい」という、真剣かつモチベーションの高い姿勢は、プロジェクト全体の大きな刺激となりました。この熱意に、弊社も高いクオリティと熱い気持ちで答えられるよう、引き続き取り組んでまいります。


 株式会社日立ソリューションズ
 関西産業ソリューション本部 第2部  小中 伸敏

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本事例の内容は2012年10月1日公開当時のものです。

最終更新日:2012年10月1日