株式会社図研様 ビジュアル ワークスペース Miroの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

ビジュアル ワークスペース Miroの導入事例

株式会社図研様

“会社にいながら「Miro」上でブレストする日々”。複雑な設計データも共通認識を持って議論でき、合意形成を加速

モノづくりの上流設計をデジタル化するMBSEツール「GENESYS」を提供する株式会社図研の技術本部 PI開発部では、新型コロナウイルス感染症の拡大を機にオンラインでのやり取りに限界を感じ、日立ソリューションズが国内の販売代理店を務める「Miro(ミロ)」を導入。オンラインホワイトボードを顧客との対話に活用し、対面でのホワイトボードを用いた打合せを超越する価値を創出する一方で、複雑な設計プロセスの刷新につながるGENESYSと「Miro」のインテグレーション構想も進行中です。
*Model-based Systems Engineering(モデルベース・システムズエンジニアリング)

メインイメージ
課題
導入後
構成部品が複雑に絡み合うような設計データを山ほど共有しながら、顧客と議論したいが、認識が異なることが多い
無限に広がる「Miro」のボード上に、大量の複雑な設計データをラベルや付箋を貼り整理しながら、顧客と共通認識を持って議論・アイデア出しができる
オンライン会議で参加者から多くのアイデアを出してもらいたい。出されたアイデアを効率的に取りまとめたい
オンライン会議で参加者からアイデアがどんどん出るようになった。資料とともに意見を共有したり、話者の視点に合わせたりすることができ、意見の取りまとめを効率化できる
ホワイトボードを使った会議を開催したいが、会議室の数や使える時間に制約がある。さらに、会議室設置のホワイトボードは書き込めるスペースに限りがある
会議室の数の制約を受けずにオンラインで議論でき、スキマ時間を有効活用できる。また、無限大のキャンバスに複数人で同時編集でき、議事録の作成も不要に

背景

複雑化する設計プロセスのコミュニケーションに課題

電子・電気系の設計ツールであるCAD・CAMベンダーの株式会社図研は、世界のモノづくり企業のパートナーとして、多様なIT技術やサービスを通じて「つくる力」を提供しています。その使命は、「革新的なモノづくりを支援し、持続可能な未来に貢献すること」。

プリント基板設計用CADシステムは国内でシェアトップクラス、ワイヤハーネス設計用CADシステムでも世界において高いシェアを誇るなど、産業界の至るところで図研のソリューションが幅広く活用され、社会の発展を支えています。これらの設計ツールは、顧客のニーズに合わせてカスタマイズすることが多く、顧客からのフィードバックから改善点を特定するために、設計者と顧客との複雑なコミュニケーションが不可欠です。

図研が昨今注力する領域の一つに、モノづくりの上流工程を支援する手段として注目を集めるMBSEがあります。

2019年にMBSEツールベンダーである米Vitech社を買収し、高性能モデリングツール「GENESYS(ジェネシス)」の国内展開をスタート。同製品の活用を推進する技術本部 PI開発部では、導入・トレーニングのほか、MBSEのメリットを設計プロセスに適用するためのソリューションを通じて、日本の製造業に多くの価値をもたらす新しい取り組みをはじめています。

GENESYSは、いわば設計者の頭の中を可視化するツールです。多数の構成部品や、図面のマッピング、フロー図、オブジェクト間の関連を整理してCADにつなげる作業は複雑を極め、顧客の課題に対し的確な提案を行うためには、これまで以上の緊密なコミュニケーションが求められます。そんな中、新型コロナウイルス感染症の拡大によりホワイトボードを前に対面で議論する会議のあり方が一変。資料を投影しながらのWebミーティングでは、相手の考えが読み取りづらい状態で議論を進めるしかありません。コミュニケーション上の限界を感じ始めたときに出会ったのが、「Miro」でした。「Miro」は、対面のホワイトボードと同じように付箋や図を使ったブレインストーミング(ブレスト)をオンライン上で実現しました。

複雑化する設計プロセスを「Miro」のボード上で共有しながら議論

複雑化する設計プロセスを「Miro」のボード上で共有しながら議論

取り組み

円滑なコミュニケーションツールとしての「Miro」と日立ソリューションズのサポートを評価

稲石 氏技術本部 PI開発部 部長
稲石 浩通 氏

「Miro」と出会った同社は、無料版を使い始めてすぐにその効果を実感。技術本部 PI開発部において、コミュニケーションツールのデファクトスタンダードとなるのに時間はかかりませんでした。「Miro」に着目した理由は次の2点です。一つは、打ち合わせや議事録の作成、ブレストなど業務を円滑に行うためのコミュニケーションツールとしての活用。もう一つは、GENESYSと連携し、効率よく設計するためのツールとしてセットで提供していくという計画です。

稲石氏は、「『Miro』を見た瞬間、GENESYSが苦手なコミュニケーション部分を補完できれば、経験的に決まった流れが確立されていないMBSEの煩雑な設計プロセスに貢献する新しい価値を創出できると確信しました。『Miro』との連携を視野に他社製品も検討しましたが、当社のお客さまには『Miro』のユーザーが多く、メリットがすでに認知されていることも導入の決め手になりました」と言います。また、同社の意思決定を後押しした日立ソリューションズについて、秋元氏は、「当社の要求に柔軟に対応していただけただけでなく、その後のサポートではミロ・ジャパンと緊密に連携されている安心感があります」と語ります。

効果

アイデア出し、ブレスト会議を大幅に効率化

秋元 氏技術本部 PI開発部 パートナーセクション セクション責任者 シニアパートナー
秋元 雅人 氏

現在技術本部 PI開発部では、「Miro」と Microsoft Teams(以下、Teams)を連携して使用しています。WEBミーティングのツールとして Teams を使いつつ、メンバーは Teams から「Miro」のワークスペースにシームレスにアクセスでき、「Miro」で作成した資料の共有も効率良く行えます。関係者のアイデアを書き留める、エビデンスを残す、集合知を可視化することは「Miro」が得意とする領域です。

「『Miro』は、複数人の同時編集、リアルタイム反映に加えキャンバス上に散らばる参加者を話者が投影している画面上に呼び寄せられるので、意見の取りまとめが非常にしやすくブレストに最適です。無限大のキャンバスやマインドマップの機能も秀逸で、『Miro』を使わないとできない仕事が増えました。今となっては『Miro』を使用しないブレストは参加したくないですね」と稲石氏が語るように、対面のホワイトボードを超えるほどのメリットを感じており、場所を選ばない「Miro」のおかげで会議室の争奪戦から解放され、自席にいながらブレストを行うのが日常となっています。

「直感的に操作ができてすぐに使い始めることができますし、基本機能だけで十分に事足ります。隙間時間を有効活用できるので、会議の頻度を増やして緊密なコミュニケーションを取ることができるようになった一方で、会議時間の短縮、議事録作成の手間が省けるなど、会議が効率良く行えるようになりました。『Miro』上で膨大な数のボードが作成されている状況を見ると、もはや手放せないツールになっていることは明らかです」(秋元氏)

展望

黎明期のMBSE市場を支える新製品の誕生に期待

現在は特定部門での利用にとどまる「Miro」ですが、現場からのボトムアップで「Miro」ユーザーが増えていけば、やがて全社的なプラットフォームの一つになっていく可能性もあります。また、創立50周年の節目を控え、GENESYSと「Miro」を連携した新しいプロダクトの誕生も待たれます。現在、ミロ・ジャパンの技術資料をもとに着々と準備を進めている段階です。

MBSE市場はまだまだ黎明(れいめい)期。「完全にマッチするツールもなければ、全員が納得するような設計手法や手順もありません。だからこそ、この新しい提案に対し、どれほどの反響があるかが楽しみです」と稲石氏は期待に胸を膨らませています。

「未来のモノづくりを託せるパートナー」として世界から選ばれ続けることをめざす同社を、これからも日立ソリューションズは多種多彩なソリューションで支援していきます。

顧客と共通認識を持って議論・アイデア出しができる、顔を合わせた会議を超えるメリットを創出

  • 多数の構成部品の関連性、入り組んだ図面、複雑なフロー図などを見通し良く集約し、共通認識の早期確立と合意形成のスピードアップを実現
  • フローチャートやマインドマップなどの豊富なテンプレートを目的に応じて使い分けることで議論を円滑に進行
  • 議論した結果がボードに残るため、議事録作成が不要、必要に応じてPDFファイルに出力して関係者と共有
付箋や図形などのオブジェクトを使って設計情報を整理

付箋や図形などのオブジェクトを使って設計情報を整理

株式会社図研

所在地 神奈川県横浜市都筑区荏田東2-25-1 株式会社図研
設立 1976年12月17日
従業員数 単体434人 連結1,578人(2024年3月現在)
事業内容 製造業における製品設計・開発業務全体の高度化・最適化を支援する、各種ITシステムの開発・製造・販売や、コンサルティングサービスなど
URL https://www.zuken.co.jp/

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本事例の内容は2024年9月13日公開当時のものです。

最終更新日:2024年9月13日