Microsoftソリューションの導入事例
A社(鉄道業)マイクロソフト社最新の技術と製品を活用した「コミュニケーションの基盤」となるシステムを短期間で構築。お客様のさらなる作業効率・生産性向上を実現し、利用環境改善からサーバの信頼性向上までを考慮したシステムの提供を実施。
この事例に関するソリューション・商品
導入前
A社の持続的成長に向けて、個々の従業員が協働意思を持ち、それらが結集、継続して、成果を創出できる力(組織力の強化)を推進するためのコミュニケーション支援基盤を整備するため、日立システムは以下の方針をもって、システム環境のリプレースを実施しました。
【システム導入前の環境】
メールシステム | Groupmax |
---|---|
認証基盤 | Active Directory(Windows2000環境) |
職員ポータル | Cosminexus |
【システム導入方針】
ユーザ利用環境の改善・向上
従業員の電子メール・スケジュール、ポータルなどを利用した情報活用/共有における日常業務の効率化を図るため、お客様が使い慣れたWord、Excel等Office製品との親和性が高いシステムを導入する。
ネットワークセキュリティの向上
A社では、ネットワークの認証基盤としてActive Directoryが全社的に導入済みだった。そのため、すでに導入済みであるActive Directoryを最新のものに置き換え、統一した認証基盤としてシステム全体のセキュリティを向上させることを目的とする。
サーバの信頼性・可用性の向上
既存システムは導入より4年が経過し、ハードウェアの老朽化とともにハード保守期間の終了が近づいてきていた。また、システムによっては、シングルサーバ構成になっており、サーバ障害がそのまま業務停止につながる可能性があった。そのため、今回のリプレースでは最新スペックのサーバを導入するだけでなく、可能な限り全てのサービスを冗長化構成とすることで、システムの信頼性・可用性の向上を図ることとする。
【システム導入後の環境】
●上記の方針を実現するために、以下のマイクロソフトソリューションを導入しました。
システム概要 | 製品名 | サーバ台数 |
---|---|---|
メールシステム | Microsoft Exchange Server 2007 | 7台 |
認証基盤 | Active Directory(Windows2003環境) | 6台 |
職員ポータル | Microsoft Office SharePoint Server 2007 | 7台 |
会議・コミュニケーションシステム | Microsoft Office Communications Server 2007 | 6台 |
文書セキュリティシステム | Microsoft Windows Rights Management Services | 4台 |
外部接続 | Microsoft Internet Security & Acceleration Server 2006 | 3台 |
導入時
お客様がやりたいことをより具体化するために…
提案や要件定義フェーズにおいて、お客様のやりたいことをいかにもれなく、より具体的に引き出すかを目的に、弊社独自のヒアリングシートを作成し、より詳細にお客様のご要望をヒアリングしました。また、頂いたご要望をより現実的にイメージしてもらうために、システムで提供できる機能とお客様のご要望をマッピングしたり、実機によるデモをご覧頂くなど、要望の実現に向けてのステップをお客様が明確にイメージできるようにしました。
スムーズなシステム移行のために…
クライアント数3000台もの大規模なシステムリプレースにもかかわらず、導入作業開始から本番リリースまでの期間が7ヶ月と短期間だったため、弊社SEとお客様担当者様にて、システムごとにチームを作り、要件定義~設計~導入作業にあたりました。特に要件定義や設計フェーズでは、毎週チームごとに定例会を開催し、チーム内のコミュニケーションを活発にするだけではなく、各チーム間のコミュニケ―ションを活発にするため、リーダ会議も毎週開催しました。また、エンドユーザ教育においても教育専門チームを作り、エンドユーザ教育、管理者教育を早くから実施し、リリース後のヘルプデスクへの問い合わせも非常に少なく、スムーズな移行を実現することができました。
よりお客様に信頼頂くために…
仕様や管理が既存システムと大きく変わってしまうことにより、お客様の担当者様や管理者様が戸惑わないよう、設計フェーズではマイクロソフト社コンサルタントと一緒に機能や仕様について、システム運用開始前に詳しく説明を実施しました。また、システムごとに構成されたチーム毎にお客様の管理者様も参画して頂き、本番リリース後の運用も考慮した体制としました。
導入後
ユーザ利用環境の改善・向上
導入前は、Active DirectoryとCosminexusに合計2回、ユーザ名とパスワードを入力していましたが、認証機能をActive Directoryに統一したことで、Windowsへのログオン1回でメールシステム、職員ポータルを使用することができ、ユーザの操作性が向上しました。
Microsoft Office SharePoint Serverを導入したことにより、エンドユーザへのスムーズな情報発信、ユーザ同士の情報共有、複数のファイルサーバを横断した文書検索を実現。情報活用/共有における日常業務を効率化できました。
Office Communications Server の導入により、インスタントメッセージ(IM)やプレゼンス(在席確認機能)、デスクトップ間のアプリケーション・ファイル共有など、リアルタイムコミュニケーションの有効活用が可能となり、ユーザの作業効率・生産性を向上することができました。また、Web会議機能活用で、自席にいたまま遠方のユーザとミーティングを行え、交通費や通信費など運用コストの削減を図ることができました。
ネットワークセキュリティの向上
認証機能をActive Directoryに統一したことで、外部からの接続にもMicrosoft Internet Security & Acceleration Serverによる ユーザ単位のアクセス制御を実装でき、ネットワークセキュリティを向上させることができました。また、「個人情報保護法」施行後も、企業の個人情報漏洩事故が後を絶たないなか、新たに導入したWindows Rights Management Servicesと、Exchange ServerやMicrosoft Office SharePoint Serverとの連携で、メールやOffice文書に対して漏洩対策を行うことが可能となりました。また情報セキュリティ基盤が一新されたことで、再度情報漏洩に対するユーザ教育の徹底と啓蒙を実施することができました。
サーバの信頼性・可用性の向上
最新のサーバを導入するだけではなく、マイクロソフト社の提供するサーバ冗長化技術「Microsoft Cluster Service (MSCS)」やネットワーク負荷分散の技術(NLB)を採用することで、障害回避や性能の確保といった、サーバ/システムの信頼性を向上させることができました。結果としてお客様の指針であったシステム稼働率「99.8%」に限りなく近づけたものと考えております。
お客様の感想
弊社では、約5000人がシステムを利用し、日々の業務を遂行しており、業務の更なる効率化が求められていました。今回、システムのリプレースを行なうにあたり、技術力及び適切なコンサルティングも期待し、日立システムアンドサービス様にシステム構築をお願い致しました。今回のシステムは、マイクロソフト社の最新技術・最新製品をシステムに適用し、短期間でシステムの構築を行う厳しい条件でありました。この状況の中、マイクロソフトソリューションを適用し、その高い技術力、コンサル力、リーダシップを発揮し、弊社の要求・要望を可能にして頂けたことは、大いに満足しております。また、システムが稼動してから約1年半が経過しておりますが、特に問題なく稼動しており、システムの品質及び信頼性においても十分に満足しております。
今回のシステムの重要なポイントであるコミュニケーションツールとして導入したOffice Communications Server は、システム構築当時、新製品ではありましたが、大きな問題もなくシステムへ適用することができ、現在、ユーザ間で積極的に活用しコミュニケーションをスムーズにとり、更なる作業効率・生産性を向上することができています。
御社には、弊社の更なる繁栄と発展のためのベストパートナーとして、積極かつ大胆な提案と力強い技術支援を大いに期待しています。
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本事例の内容は2009年11月13日公開当時のものです。
最終更新日:2009年11月13日