この記事は、CAST AI社により公開されたブログ記事を元に翻訳・作成したものです。
また、記載している製品比較の内容は、CAST AI社の評価によるものです。
元の記事については以下をご覧ください。
(記事最終更新日:2023年1月21日)
クラウドコスト管理ソフトウェア: 2023年のTop5ソリューション
公開日:2023年2月27日
更新日:2023年2月27日
クラウドベースのサービスのコストと利用状況を把握することは、たとえクラウドコスト管理ソフトウェアを使用していたとしても、なかなか難しいものです。特に、マイクロサービス、コンテナー、Kubernetesを運用しているチームには、この傾向が強いです。クラウドコストマネジメントソフトウェアのトップ5を紹介しましょう。
クラウド・ネイティブ技術が浸透してきましたが、その一方で、お金がどこに、なぜ流れているのかを正確に把握することが難しくなっています。
クラウドプロバイダーは通常、多くの場合、行間に重要な情報が隠されている請求書を提供しがちです。そのため、クラウドを使用するすべての企業は、どの製品や機能がクラウド支出を促進しているか、またはどの利用者が支出の増加を引き起こしているかを特定できる効果的なプラットフォームを必要としています。
このコスト・インテリジェンスを活用することで、製品の価格設定からコストを最適化したソフトウェアの設計まで、充分な情報に基づいたエンジニアリング、およびビジネスの意思決定ができます。
クラウドコストマネジメントツールに組み込まれた業界のベストプラクティスを利用することで、次のことが可能になります。
- クラウド支出の予測、計画、予算設定する
- エンジニアが自分の仕事がコストに与える影響を確認する
- 収益性を高めるために、再構築できるソフトウェアの領域を発見する
- クラウド内で収益性が低いテクノロジー、顧客、およびプロジェクトの特定をする
- 価格体系を調整するかどうかを決定する
- 運用コストを削減するために、機能を廃止する
- クラウドコスト最適化の有効性を計算する
Top5クラウドコスト管理ソフトウェアソリューション
クラウドコスト管理ソフトウェアは、企業のリソース使用量とコンピューティング需要を監視することで、企業がクラウド費用を管理することを支援します。これらのツールは、通常、従量課金モデルのコストを最小化するために、IaaS(Infrastructure as a Service)ソフトウェアと組み合わせて提供されます。
また、クラウドコスト管理ツールは、需要の減少を警告したり、使用量を最適な割合に自動的に調整したりすることで、企業の無駄を省くのに役立ちます。さらに、一部のソリューションでは、無駄や重複を説明するレポート機能を提供しています。
クラウドコスト管理ソフトウェア ー 2023年の比較
市販の5製品の機能カバー率を比較してみましょう。
CAST AI
Kubernetesコスト最適化と管理の全自動化
CAST AIは、Kubernetes環境を最適化するための包括的なクラウドオートメーションプラットフォームです。EKS、Kops、AKS、GKEでクラスター運用しているチームは、このプラットフォームを利用して、クラウド料金を50%から90%節約しています。スポットインスタンス、オートスケール、インスタンスタイプの選択、サイズ適正化など、自動化機能があります。さらに、このプラットフォームはKubernetesセキュリティの洞察を提供し、コスト監視モジュールを拡張し続けています。
CAST AIの長所
- CAST AIは、クラウド環境を自動的に分析、監視、最適化し、お金と時間を節約するためのクラウドネイティブプラットフォームです。
- クラウドコストをプロジェクト、クラスター、ネームスペース、ディプロイメントの各レベルに分割する無料のレポートモジュールを提供しています。チームは、個々のマイクロサービスまで費用を追跡し、クラスターコストの完全な見積もりを作成できます。
- コスト配分は、クラスターごと、およびノードごとに機能します。また、このソリューションにより、マルチクラウドを設定するコストの表示と配分が容易になります。
- AIを搭載したCAST AIは、アプリケーションの要件に最適なリソースを選択し、自動スケーリングとサイズ適正化によりコストを削減します。
- クラスターに追加のノードが必要な場合、自動化エンジンは、最も低いコストで最高のパフォーマンスを発揮するインスタンスを選択します。マルチシェイプクラスターの形成とサイズ適正化機能を自動化することで、オーバープロビジョニングを回避できます。
- CAST AIが提供する複数の自動スケーリング機能により、ユーザーはコスト削減を実現できます。必要なポッドインスタンスの最適な数を生成し、ポッドのレプリカ数を増減します。実行する作業がない場合は、すべてのポッドを削除します。
- また、CAST AIはノードを空にでき、使用しないリソースへの支払いを回避できます。このソリューションは、節約を最大化するために、自動ビンパッキングを採用しています。
CAST AIの短所
- 現在、CAST AIの監視、およびレポート機能は、コンピューティングコストに重点を置いています。ただし、近い将来により多くのカバレッジを追加することを計画しています。
- Kubernetes(EKS、Kops、AKS、GKE)でだけ動作します。
結論
CAST AIは、エンジニアの作業量を増加させずにクラウドコストを大幅に削減しようとしているチームに最適です。CAST AIのもう1つの適切な使用例は、インスタンスの選択、サイズの適正化、自動スケーリングなど、最も時間がかかるコスト最適化タスクを自動化したいチームです。 CAST AIのクライアントは、Kubernetesの請求書を平均63%節約できます。
Kubecost
Kubernetesコスト監視の可視性を向上
Kubecostは、Kubernetesユーザーがクラスターのコスト配分、監視、アラートに関する洞察を得るよう支援する、けんろうなコストレポートソリューションです。開発者にコストの可視性を提供するオープンソースツールとしてスタートしました。
Kubecostの長所
- Kubecostは、主要3社のクラウドサービスプロバイダーで、ネームスペース、ディプロイメント、サービスなどの指標をもとにコストを分割できるなど、柔軟でカスタマイズできるコスト内訳の機能を備えています。
- Kubecostの包括的なリソース配分により、ユーザーはより正確なショーバックとチャージバックを作成し、継続的なコスト管理できます。
- Kubecostは、複数のクラスターやマルチクラウド環境でのコストを、単一のビューまたは単一のAPIエンドポイントを通じて表示します。
- このソリューションでは、クラスター内のコスト(CPU、メモリー、ストレージ、ネットワーク)と、クラウドサービス(タグ付きRDSインスタンス、BigQueryウェアハウス、S3バケットなど)のクラスター外コストをリアルタイムでリンクさせます。ユーザーは、コンテキストに応じたクラスターレベルのレポートを受け取り、サービス要件に合致するコストとパフォーマンスの最適なバランスを見つけることができます。
- Kubecostはお客様のインフラ内に設置されるため、データをリモートサービスへ送信する必要がありません。お客様は、クラウドで使用するデータへのアクセスを常に保持し、コントロールできます。
Kubecostの短所
- Kubecostの詳細な洞察とコストレポート機能は、マルチクラウドインフラを管理する方法を探しているチームにとって素晴らしいツールです。ただし、クラウド最適化機能は搭載されていないため、手動で変更を加えるための作業工数が発生するうえ、自動的に節約はできません。
結論
Kubecostの豊富なクラウドコストレポートとモニタリング機能は、より深い洞察と改善提案を求めるチームにとって効果的な機能です。ただし、チームは変更を手動で適用する必要があります。
Spot by NetApp
スポットインスタンスによる最適化
Spot by NetAppは、スポットインスタンスの自動化により、クラウドインフラのコストを最適化するためのクラウドコスト管理ソリューションです。機械学習と分析アルゴリズムを用いて、ワークロードのスポット容量を自動的に取得し、コスト削減と高可用性の確保を実現するソリューションです。
Spot by NetAppの長所
- Spot by NetAppは、スポットインスタンスの自動化により、クラウドコストを最適化するクラウドコスト管理ツールです。Spot by NetAppは、クラスターのインフラコストを分割し、インフラの各レイヤーに対する洞察を提供します。
- このツールでは、費用をネームスペースと各ネームスペース内の個々のワークロードに分解し、さらにレイヤー(計算またはストレージ)ごとにフィルタリングできます。各ワークロードについて、ユーザーは計算コストとストレージコストの両方を得ることができます。Spot by NetAppのデータを使用して、アプリケーションのコストを分析し、大規模なリソースタグ付けを行わずにチャージバックし、将来のクラウド費用を見積もり、Spot by NetAppのクラウドコスト管理プラットフォームからのレコメンデーションを行い、リソースをその場で調整できます。
- このツールは、ワークロードの利用状況をリアルタイムに監視し、コンテナー単位とワークロード単位の両方で、リソース要件を手動で調整するためのレコメンデーションを提供します。アプリケーションを中断させることなく、より簡単にハイレベルな可視化と迅速な実装を実現への扉を開くことができます。
- Spot by NetAppは、スケジューリング不能なPodをチェックし、すべてのPodが実行できるようにインフラをスケールアップしています。
- さらに、Spot by NetAppは最も利用度が低いノードを優先的にダウンスケールし、そのノードの上で動作するすべてのポッドを移動させることが可能であれば、そのノードを削除します。
Spot by NetAppの短所
- このツールは、スポットインスタンスでワークロードすることに集中することで、コストを削減します。しかし、ほかのコスト削減の機会を逃すことになりかねません。たとえば、Spot by NetAppは現在、クラウド上の仮想マシンのサイズを管理するプロセスであるサイズ適正化をサポートしていません。
結論
Spot by NetAppは、スポットインスタンスをより効率的に使用したいチームにとってよい選択です。しかし、状況により、ほかの最適化手法の方が良い結果をもたらすことがすぐに分かるかもしれません。そのため、ワークロードの要件を自動的に分析し、最適なクラウドリソースとマッチングさせることができるプラットフォームを利用した方が良いと考えることができます。
Harness
透明性とガバナンスを実現するクラウドコスト管理の自動化
Harnessは、DevOpsチーム向けに継続的インテグレーションとデリバリーを提供します。このプラットフォームには、Kubernetesのコスト削減をサポートするコスト管理モジュールが含まれており、クラウドのコストを分析するためのビジネスインテリジェンスツールを提供しています。
Harnessの長所
- Harnessは、継続的デリバリーと統合モジュールを備えたクラウドコスト管理プラットフォームで、すべてのクラウド費用の透明性、最適化、およびガバナンスを向上させるビジネスインテリジェンスツールを備えています。
- この製品は、ワークロードやクラスターごとの利用リソース、アイドルリソース、未割り当てリソースを表示することで、Kubernetesの詳細な可視性を実現します。プロジェクト、チーム、ビジネスユニット、部門などの単位でコスト情報を表示します。
- さらに、Harnessでは、最も重要なコストと使用状況に関する定期的なレポートを作成できます。Harnessでは、カスタム予算、予測、コストのショーバックとチャージバックのアカウントにより、クラウドのコストを管理することが容易になります。
- Harnessは、予算を設定し、その予算からの差異を測定することで、コスト管理を支援します。また、使用状況を継続的に監視し、使用状況が想定と異なる場合は警告を発します。これにより、複数のクラウドリソースでのコストと使用状況を常に把握できます。
- このプラットフォームは、データ駆動型のカスタムダッシュボードを提供し、チームが使用するすべてのパブリッククラウドプロバイダーのリソースを追跡するのに役立ちます。
- スポットインスタンスのパワーを利用しています。Harnessのユーザーは、オーケストレーションされたスポットインスタンス上でワークロードするとき、中断を心配することなく、プラットフォームがこの部分をスムーズに処理します。
- 最後に、Harnessは自動化されたクラウドコスト管理、および最適化機能を提供します。たとえば、AutoStoppingは、非プロダクションのリソースが使用されていないときに、いつでもオフにする機能です。
- Harnessは、アプリケーションやサービス、環境のコスト情報を共有することで、人によるタグ付けを必要とせず、この作業にかける労力を削減します。
Harnessの短所
- Harnessのコストに関する洞察は貴重です。しかし、このプラットフォームは完全なコスト最適化をサポートしていないため、手動で実施する必要があります。また、自動スケーリングやインスタンスのスポット利用など、クラウドの最適化や自動化の重要な機能も欠けています。
- このプラットフォームは、パフォーマンス最適化とコスト最適化という2つの異なる推奨セットを提供します。前者は費用が増加する可能性があり、後者はシステムパフォーマンスの問題につながる可能性があるため、難しい選択をする可能性があります。
結論
Harnessは、複数のクラウドにまたがるクラウドの使用と費用に関する詳細なレコメンデーションを提供しますが、このプラットフォームは自動化機能が限られており、ユーザーはインフラを手動で最適化する必要があります。
Zesty
EC2リザーブドインスタンスの限定的なコスト最適化と自動化機能
もともとストレージ最適化ツールとして構築されたZestyは、適切なサイジングの要素が追加された、予約済みクラウド容量の買い戻しソリューションに成長しました。
この製品は、AIと自動化を使用して、迅速な結果を約束し、Amazon EC2リザーブドインスタンスを使用するチームの予約容量管理の負担を軽減します。
Zestyの長所
- Zestyは、クラウドインフラストラクチャのニーズをリアルタイムでスキャンし、ニーズに応じてRIコミットメントを調整します。
- このツールは、Amazon EC2の使用パターンに関するデータを収集して、予測モデルをトレーニングします。市場でのRIの価格を同時に分析して、ワークロードのニーズに最も適した取引を選択します。
- Zestyのフリーミアムバージョンでは、追加のソフトウェアをインストールすることなく、数分でEC2消費の潜在的な節約を確認できます。
- このツールは、オンデマンドコンピューティングコスト、有効なEC2コスト、毎日のコンピューティングコストなど、RIの使用状況に関連するメトリクスを提供します。また、支出が時間の経過とともに、どのように変化するか、および将来の予測を表示もできます。
Zestyの短所
- プラットフォームはAmazon EC2リザーブドインスタンスだけをサポートするため、ほかのクラウドを使用する場合は、追加のツールが必要になります。
- このツールには、クラウドコストの可視性と制御を管理するためのより包括的なアプローチが欠けています。
結論
ZestyはAWSユーザーの請求額を削減するのに役立ちますが、クラウドの費用を管理、および削減するためのより包括的なアプローチが欠けています。その結果、根本原因を同時に解決するのではなく、主に症状に対処します。
まとめ:クラウドコスト管理ソフトウェアのTop5ソリューション
2023年のトップクラウドコスト管理および最適化ツールは次のとおりです。
-
CAST AI - インサイトが豊富なコストレポートと自動化された最適化機能を提供する完全なクラウド最適化ソリューション
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Spot by NetApp - スポットインスタンスと予約を自動化することで節約を実現するソリューション
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Harness - 自動化は限定的だが、コストの透明性とガバナンスを実現するクラウド管理とBIツールを含むCI/CD ソリューション
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Kubecost - チームの支出、割り当てオプション、およびリアルタイムアラートを可視化するKubernetes環境向けの包括的なコスト管理ソリューション
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Zesty - Amazon EC2 リザーブドインスタンスを使用するチーム向けのクラウドコストの最適化と容量管理への限定的なアプローチ
サマリー:ビジネスに最適なクラウドコストマネジメントソフトウェアの選択
ビジネスに適したクラウドコスト管理ソフトウェアを選択するのは簡単ではありませんが、その選択ができれば、正しい軌道にのり、何百万ドルも節約できる可能性があります。
ほかの企業がどのようにクラウドの利用料を大幅に節約し、クラウドコストを手動で管理することで失われるエンジニアの時間を削減したかを参考にしてください。
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