この記事は、CAST AI社により公開されたブログ記事を元に翻訳・作成したものです。元の記事については以下をご覧ください。また、記載している価格は、CAST AI社のオリジナル記事の投稿時点のものであり、実際の価格とは異なる場合があります。

(記事最終更新日:2023年9月19日)

CAST AIを使ってエグレスコスト(通信コスト)を70%削減する方法

公開日:2023年11月30日

更新日:2023年11月30日

CAST AIのネットワークコストレポートをドッグフーディング(自社利用)したことで、2つのサービス間の、ゾーン間トラフィックが高くなっていることを特定できました。これらのサービスを同じゾーンに移動したことで、データエグレス料金が約70%節約されました。

クラウド料金で陥りがちな問題としてデータエグレス料金(データ通信料金)のわなというものがあります。これはクラウド料金の中でも、最も卑劣で隠されたコスト項目の1つといってよいでしょう。サブスクリプションとは異なり、エグレス料金は固定価格ではありません。多くの場合、新しいコンポーネントや機能の導入、買収、新しい市場への参入など、データの移動が必要とされる要素に影響を受けて増加します。

データ通信にかかる費用は、評価して見積もることが非常に困難です。その発生元を把握することが、それらを制御し、最小限に抑える試みのための第一歩になります。

私たちCAST AIは、自らが開発したプラットフォームを使って自分たちのクラスターを管理していることを誇りに思っています。私たちが自身のソリューションを使用する(いわゆるドッグフーディング)ことは理にかなっていると考えます。

この記事は、CAST AIプラットフォームのネットワークコストレポートを使用して、データ通信料金を70%削減した方法を示すケーススタディです。

Step1:日次クラウドコストレポートを分析

ネットワークコストレポートを導入する以前から、私たちはデータ通信にいくら支払ったかを明確に把握していました。つまり、クラウドプロバイダの請求レポートをチェックすることで、このデータを取得できました。

2023年8月末までの、日次クラウドコストレポートを確認したところ、データ通信コストが非常に大きく、増加しているように見ることができることがわかりました。

料金は、以下の図内のオレンジ色でマークされています(ネタバレ:8月31日には状況が大幅に改善されたことがわかります・・・)。

Step2:クラスタレベルでのコストの確認

ネットワークコストレポートの導入後は、クラウド請求額に私たちのクラスターのトラフィック(通信量)が反映されていることが確認できます。

データ通信コストが最も高いのはどのサービスなのか?これらのサービスを同じゾーンに移動させ、クロスゾーン料金を回避することは可能なのか?

これらの疑問を解決するために、私たちはネットワークコストレポートに目を向けました。

Step3:ワークロードレベルでのネットワークコストレポートの確認

発生コスト合計順にサービスを並べ替えると、データ通信コストが高い原因がすぐに判明しました。

distributorサービスがネットワーク通信の大部分を占めていることがわかりました。次に、データがどこに転送されたかを調査する必要がありました。

Step4:受信トラフィックと送信トラフィックのソースを特定する

合計トラフィック順にサービスを並べ替えることで、トラフィックが非常に多いが、トータルコストが比較的低い別のサービスが特定できました。

これはつまり、このサービスのトラフィックは(イングレス[受信方向]のため無料で通信しているという事実が判明します。また、この通信量(イングレス[受信])はdistributorサービスの通信量(エグレス[送信])と似ていることもわかりました。

Solution:2つのサービスを同じAZに移動

通信料を削減するために、これら2つのサービスを同じアベイラビリティゾーンに配置しました。その結果、これらサービス間のクロスゾーントラフィックはゼロに減少しました。なぜなら、ゾーン内のトラフィックであれば無料だからです。

Result:70%のコスト削減(2,000ドル/月)

サービスを同じアベイラビリティゾーンに移動したことで、データ転送料金が約70%削減され始めました。これは月額約2,000ドルに相当します。

あなたのクラスターをCAST AIに接続して、ネットワークトラフィックコストを確認してみませんか?この記事と同じような異常値を発見して、簡単な修正によってすぐに削減に成功するかもしれません。

Žilvinas Urbonas
Darius Piekus
Dariusは、CAST AI のシニア ソフトウェア開発エンジニアです。
キャリアを通じて、発電所のスマートメーターや主要なスポーツリーグのスポーツデータ配信などのプロジェクトで、組み込みからクラウドネイティブまでのソフトウェアに携わってきました。
Darius は、スケーラビリティ、最適化、および監視に関連する問題の解決に関心があります。
趣味は、自転車に乗ること、ドローンを飛ばすこと、旅行です。

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