属人化を解消!AI活用により実現する運用管理のDXとは
~ビジネスを止めないために「監視・分析・管理」の視点から
考える~
更新日:2022年6月9日
DX推進を加速させるためにITシステム改善が求められる一方で、運用管理者は日々の業務に追われ、なかなか前進しない現状があります。要因の一つとして、運用管理に必要な専門的な知識・技術や、慢性的な人手不足による属人化などが挙げられます。属人化の解決策として、AIの活用が進み、業務の自動化、AIによるインサイトの活用など、人とAIが共存することで運用管理のDX実現をめざすことができます。
本セミナーでは、運用管理のAI活用をテーマに、日立グループが考えるこれからの運用管理と、AI活用による効率化・省力化について「監視」「分析」「管理」の視点から具体的な業務を交えて紹介しました。
開催概要
日 時:2022年4月12日
会 場:WEBセミナー
主 催:株式会社日立ソリューションズ
日立グループが考えるこれからの運用管理
~AI活用により実現する運用管理のDX~
01
働き方改革やクラウドサービスの活用など、システム運用管理にもDX推進が求められるなか、運用管理へのAI活用が進んでいます。本セッションでは、AIによる自動化、AIにしかできないインサイト活用など、AIによる運用管理のDX実現について紹介されました。
株式会社日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部
クラウドマネージドサービス本部 運用管理プラットフォーム部
部長 吉田 雅年 氏
クラウドへのリフト、シフトやDXを推進するためのIT運用課題
従来のIT運用の対象がオンプレミスのシステムが中心であったのに対し、最近はクラウドにリフト、シフトするシステムや、DX系のシステムが増加してきています。クラウドやDX系のシステムにおいては、環境を動的にスケールできる点、開発のスピード感が違う点など、オンプレミスとは異なる特徴があります。
「ITを使ってビジネスの価値を生み出す、DXへの取り組みが広がってきています。アジャイル的につくるスピード感はもちろん、PoC(Proof of Concept=概念実証)のように価値を検証しながら、価値があるものをつくっていく、これまでと異なるシステムが数多く出てきています。従来のITシステムに加えて、クラウド・DX系システムなどの運用も必要となる中、DX推進のためには、多種多様なシステムの運用をどうやって楽にしていくのかを考える必要があります。」(吉田氏)。
IT運用に差し迫る変化
従来型運用の延長線上では破綻の可能性
また、DX・データ駆動型システムのアジャイル的開発のスピード感に対する対応が、運用面においても必要となります。それから「本番化するDX・データ駆動型システム」について、最初は検証から始まりますが、実際に効果が出そうになり本番システム化するときは、当然、信頼性や可用性、運用のガバナンスを求められ、それをどう実現するのかという課題が出てきます。今までの運用の延長線上でクラウドやDX系システムを対象に広げようとすると、破綻する可能性が大きく、何か考え方を変化させる必要があります。
IT運用現場のデータやノウハウにAIを活用して作業負担を軽減
「そのためにAIを活用して運用を楽にしてDXに力を注ぐ取り組みが進んでいます。運用の現場には、構成情報、性能情報、イベント情報、運用マニュアルやノウハウなど、さまざまなデータがあります。AIにこれらのデータを学習させて、パターンや規則性などの特徴を自動的に抽出、モデル化して判断を自動化し予測するのが、運用現場でのAI活用イメージです」(吉田氏)。
運用作業の手間を簡素化して、AIで属人化を解消、なおかつ障害を未然に防止することが効果として期待できます。運用コストの削減、運用品質の向上、夜間や休日の作業負担を改善して働き方改革を行い、作業を楽にすることがめざすところです。
AI活用イメージ
「異常の検知」「重要イベント特定」や「レポートの自動生成」にAI活用
AI活用のユースケースでは、性能の情報を学習させ異常を自動的に見つける「異常の検知」、対処が必要なイベントを自動で特定する「重要イベント特定」などがあります。さらに「将来予測」では、運用のメトリックのトレンドを見て、「将来このリソースが不足する」などの予測を行えます。また対処の側面では、「運用の適切な対処手順を自動的に引き当てる」「障害の原因を自動的にある程度推定する」などのユースケースがあります。
報告や情報共有の側面では、運用の月次レポートを自動作成する「レポートの自動生成」が挙げられます。システム状況を早く共有する意味で、チャットボット的なものを活用、ユーザー目線で「質問に対してナレッジを自動的に提案する」、AIの使い方が広がっています。
DXを支えるシステムの安定稼働で企業の競争力向上へ貢献
【日立ソリューションズセッション】
株式会社日立ソリューションズ
運用管理システム本部 クラウド運用管理ソリューション部
部長 疋田 哉
昨今、多様化、複雑化するシステムへの適用不足により問題対処が遅れ、めまぐるしく環境が変化して追従が困難になりがちです。システム運用ではこれら課題解決のため、人による作業の最適化や自動化を実施し、その効率化・省力化が必要になります。
「DXを支えるシステムの安定稼働から企業の競争力向上へ貢献するのが、日立ソリューションズのシステム運用管理です。長年、システム運用改善に携わってきた経験と、先端技術やユースケースの活用で、お客様とのDXの推進を協創。段階的にシステム運用の効率化・省力化を推進して、アナログからデジタルへの変化、運用管理の自動化、省力化、AIの活用など、状況に応じた提案が可能です」(疋田)。
日立ソリューションズが考えるシステム運用管理
全体最適化を支援するサービスでお客様のDXを実現へ
システム運用管理では、必要な管理や分析、監視、実行支援など、運用管理の要素を広くカバー。全体最適化を支援する多くのサービス、メニューを用意しています。
「日立製作所と日立ソリューションズは、今後もお客様のDXの実現に向けて支援いたします」と語り、セッションを締めくくりました。