株式会社ファミリーマート様 デジタルマーケティングソリューション ポイント管理システム PointInfinity・PointInfinity マルチポイントゲートウェイの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

デジタルマーケティングソリューション ポイント管理システム PointInfinity・PointInfinity マルチポイントゲートウェイの導入事例

株式会社ファミリーマート様

※2022年1月、「PointInfinity マルチ決済ゲートウェイ」は「PointInfinity マルチポイントゲートウェイ」として商品名称をリブランディングしました。本事例内容は公開当時のものです。

「PointInfinity」をベースに、ファミリーマートの新アプリ「ファミペイ」を短期間で構築

コンビニエンスストア大手の株式会社ファミリーマートは、DX戦略を実現するためスマートフォンアプリ「ファミペイ」を企画しました。システムに「PointInfinity」「PointInfinity マルチ決済ゲートウェイ」を利用することにより、短期間での構築を実現。2019年7月にサービスインしたファミペイは、スマホ決済「FamiPay」やクーポンなど多様なサービスをユーザーに提供しています。同年11月には他社のポイントサービスとの紐づけも可能にしました。

メインイメージ
課題
導入後
ファミペイ用のシステムを早期に構築・稼働
短期間でファミペイの基本機能をサービスイン、4カ月後にマルチポイント機能を追加
店舗業務の効率化・新規ビジネスの創出
レジでの接客時間を短縮するとともに、精密CRMに基づく販売促進やFinTechの基礎的枠組みを確立

背景と課題

クーポン・ポイント・決済の“お財布レス”アプリが登場

森 氏システム本部 デジタルソリューション部長
森 丈生 氏

コンビニエンスストア大手のファミリーマートは、スマートフォンアプリ「ファミペイ」を2019年7月にリリース。スマホ決済「FamiPay」を含むさまざまなサービスをスマートフォンで簡単に利用できるようにしました。

キャッシュレス決済への早期対応は、ファミリーマートが2018年に発表したデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の中でも重要度の高い施策の1つです。そのためのツールとなるファミペイに求められるのは、「お財布レス」のスマートフォンアプリとして、電子マネー・ポイントカード・クーポン・電子レシートなどへの対応です。来店者数を増やすには、他社のポイントサービスを紐づけるためのマルチポイント対応も欠かせません。

ファミペイを使ったキャッシュレス決済が増えれば、来店客にとってはレジでの待ち時間が短くなり、店舗側も接客の効率を上げることができるというメリットがあります。その上、ファミペイ利用者の属性と行動を分析すれば、金融・広告・マーケティングなどの新しい事業を創出できるという期待もありました。

それだけに、ファミペイを支えるシステムには多くの要件が求められていました。早期のサービスインを求める経営層の要請に応えるには、できるだけ短期に構築しなければなりません。一方、十分な拡張性とセキュリティ対策も重要です。

「拡張性が重要だと考えているのは、スマホアプリではしばしば、突発的なアクセス数増大が発生するからです。そのため、スケールアップやスケールアウトが柔軟に行えることが大前提でした。さらに、電子マネーを扱うシステムですから、セキュリティも極めて重要です。アプリケーションについてもインフラについても、クレジットカード業界のセキュリティ基準であるPCI DSS並みのセキュリティレベルをめざしました」(森氏)

そこで、ファミペイ用システム構築での方針は、インフラには柔軟に拡張できるクラウドを使い、アプリケーション機能はクラウド事業者が提供するマネージドサービスの組み合わせを使うことにしました。業界最高水準のセキュリティレベルを確保するために、2要素認証なども積極的に取り入れることにしました。

選定と導入

実績のある「PointInfinity」でファミペイ用システムを構築

ファミペイ用システムの企画がスタートしたのは2017年秋のことです。機能要件と非機能要件をまとめた上で、ファミリーマートは導入する製品とサービスの選定に取りかかりました。

「機能要件については、ユーザーインターフェースの分かりやすさが最優先事項と考えています。そこで、サービスインと同時に多くの機能を展開するのではなく、利用者がアプリに慣れてくるにつれて徐々に機能を追加していく進め方を採りました。非機能要件については、クラウドとマネージドサービスの利用を必須の条件とすることと、めざす『アプリ1,000万ダウンロード』に耐えられるミッションクリティカル型のインフラとすることがポイントでした」(森氏)

こうした要件を前提にした検討を経てファミリーマートがファミペイ用のパッケージソフトウェアとして選んだのは、日立ソリューションズのデジタルマーケティングソリューション「PointInfinity」でした。数カ月後にサービスインさせるマルチポイント機能には「PointInfinity マルチ決済ゲートウェイ」を利用することにしました。インフラとなるクラウドとして選ばれたのは、Amazon Web Services(AWS)です。

「『PointInfinity』については、日本最大級のポイントサービスで使われているという実績があることと、外部システムとAPI経由で連携できることが決め手になりました。複数のポイント事業者との連携については、手作りだと複雑なシステムをいくつも開発しなければならず、通信に障害が発生したときの対処が困難になります。そこで、中継用のゲートウェイを設置することにし、『PointInfinity』との親和性が高い『PointInfinity マルチ決済ゲートウェイ』を通じて連携することにしました」(森氏)

「PointInfinity」を核とするファミペイ用システムの開発は、2018年冬にスタート。開発プロジェクトには複数のIT企業が参画していたので、毎日のように各社間で話し合って調整することにより、進行の遅れの防止に努めました。その結果、基本機能(キャッシュレス決済・クーポン・電子レシートなど)は、予定通り2019年7月1日にサービスイン。他社ポイントサービス(dポイント・楽天ポイント・Tポイント)との紐づけも、2019年11月から可能になりました。

「正味の開発期間があまり取れなかったので、テスト工程もできるだけ短くしなければなりません。また、出来上がったものが実際の店舗で使えるかどうかを早く試したいという思いもありました。そこで、開発の終盤では、本社の近くにあるファミリーマートの実店舗を使って当社側でもテストを行いました。本番環境を動かしてクーポンを発行し、お店でスマートフォンを使って実際に買い物をしてみるといった作業を繰り返し行いました」(森氏)

成果と今後

他社ポイント紐づけを実現。ストアスタッフの接客時間も短縮

「PointInfinity」をベースにしたことで、ファミペイ用システムは短期間で構築・稼働開始することができました。これにより、ファミリーマートは、ポイントやクーポンなどの仕組みを使った顧客管理(CRM)データを高度に利用できるようにもなりました。

「ファミペイ会員はこれからも増やしていかなければなりませんが、すでに利用されている会員の皆様からは高い評価を得られていると思います。『使えば使うほどお得で便利なスマホ決済付きスマホアプリ』というのがファミペイの位置づけと見ています。引換券や割引券のクーポンを定期的に発行するなどお得なサービスをお客様に提供しており、アプリを起動してバーコードをストアスタッフに見せるだけでキャッシュレス決済やクーポン使用ができることで便利さを体感していただけていると自負しています」(森氏)

また、「PointInfinity マルチ決済ゲートウェイ」の利用によって、ポイント事業者とのオンライン連携も実現。顧客がすでに持っている他社ポイントサービスとの紐づけが可能になり、これまで「自分が持っているポイントカードが使えない」という理由でファミリーマートを利用してこなかった層にもリーチできるようになりました。

さらに、ファミリーマートの店舗で働くストアスタッフにもファミペイは好評です。これまでの現金決済に比べて、FamiPayによるキャッシュレス決済なら来店客1人当たりのレジでの接客時間を短くできるというのが、多くのスタッフが感じている効果です。

「当社が『PointInfinity』について満足している一番の理由は、安定感があるということです。『PointInfinity』はトランザクションを処理する内部機構がしっかり作り込まれています。日立ソリューションズの製品とサービスは品質が高く、対応スピードにも満足しています」(森氏)

ファミペイのサービススタートを機に、ファミリーマートは事業のさらなるデジタル化に踏み出しています。ファミペイについて今後予定されている拡張機能は、ターゲットをさらに絞った形でクーポンを発行できるようにしたり、小口ファイナンスのような金融系サービスを付加するというものです。

流通・小売ビジネスのDXを支えるために、日立ソリューションズはこれからも多様な製品とサービスを提供していきます。

株式会社ファミリーマート

コンビニエンスストア(CVS)業界大手の1社として、フランチャイズシステムによるコンビニエンスストア事業を展開。2020年2月末現在の店舗数は国内外エリアフランチャイズを含んで2万4,563と多い。2019年7月には、バーコード決済「FamiPay」を含む多様なサービスが利用できるスマートフォンアプリ「ファミペイ」の運用をスタート。顧客とのコミュニケーションを深めるとともに、キャッシュレス化による店舗作業の省力化をめざしている。

本社所在地 東京都港区芝浦3丁目1番21号 株式会社ファミリーマート
設立 1981年9月1日
従業員数 1万3,955人(2020年2月末)
事業内容 フランチャイズシステムによるコンビニエンスストア事業
URL https://www.family.co.jp/

導入事例ダウンロード

本事例の内容は2021年3月25日公開当時のものです。

最終更新日:2022年5月30日