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日立ソリューションズ新卒採用

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建設テックプロジェクト

ITの力で課題解決に挑戦する日立ソリューションズ。
ここでは、技術力と人を想う気持ちで、
社会に貢献しているプロジェクトを紹介します。

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建設業界の大転換期に発足した
「建設テックプロジェクト」。
ミッションは、
DXで働き方を
根本から変えること。

犬塚 武

犬塚 武

サステナブルシティビジネス事業部
スマート社会ソリューション本部
部長

齋藤 卓磨

齋藤 卓磨

サステナブルシティビジネス事業部
スマート社会ソリューション本部
グループマネージャ

浜村 憲

浜村 憲

サステナブルシティビジネス事業部
スマート社会ソリューション本部
技師

2024年4月に控える建設業界への「働き方改革関連法」の適用。「割増賃金率の増加」や「時間外労働の上限」などが法令に盛り込まれ、さらなる労働環境の改善が必要となります。そんな建設業界の働き方改革をITで支援するため2020年に発足したのが「建設テックプロジェクト」です。ここでは、プロジェクトの中核を担う3名が集まり、立ち上げの苦労や取り組みの進捗など、最前線のリアルを語ります。

建設業界と「協創」して、新たなソリューションを生み出す。

建設業界と「協創」して、
新たなソリューションを生み出す。

プロジェクトにおける皆さまの役割をお聞かせください

犬塚

私はプロジェクト立ち上げから参加しています。2024年問題を抱える建設業の支援のため発足したプロジェクトですが、当社にもともと建設業界向けのソリューションがあったわけではありません。そのため、まずは製造業や通信業界向けに提供していたものを、カスタマイズして実績をつくる傍らで、システムやサービス開発の依頼にも応えていきました。ただ、当時の建設業界は「職人の手作業」も多く、タブレットの活用やデータ管理の導入など基本的なDX(デジタルトランスフォーメーション)から始める企業も多かったですね。

齋藤

建設業界は、労働者の30%以上が55歳以上の方というデータもあり、ITへの苦手意識がある方も多いですよね。私は事業戦略立案を担っていますが、業界の風潮に合わせた新商品の立案や、企業へのアプローチ方法の考案が業務のメインです。また、海外での勤務経験を活かし、海外ベンダーからの商品購入やグループ会社への技術調査の依頼を行うこともあります。

浜村

お客さまの要望をヒアリングして最適な解決策を提案するマーケティング活動や、技術的な目線でお客さまへアドバイスを行うプレ活動が私の仕事です。日立ソリューションズには、お客さまとともにソリューションを開発していく「協創」という考え方があります。そのため、お客さまの課題解決のために製品を開発し、そこで生まれたものを自社製品としてご提供できるようチューニングしていきます。3人とも建設業界との「協創」には深く関わっていますね。

SEでも持っている「MY作業着」。現場でしか学べないことがある。

SEでも持っている「MY作業着」。
現場でしか学べないことがある。

建設業界のお客さまならではのエピソードはありますか?

齋藤

現場作業のDXをサポートするには、業務内容を熟知している必要があります。作業計画を見れば大まかな工程は掴めますが、実際の現場のフローはもっと複雑で専門用語も多く、理解するのにはかなり時間がかかりました。作業風景を見学し、わからない箇所は積極的に質問するなど、コミュニケーションをとりながら学んでいきましたね。Webで事前に入れた知識と現場の実態の違いで驚いたのは、「品質基準」についてです。多くの建設会社で、国が定めている基準よりもさらに厳しい基準を自社で定め守っていることを知ったときは、現場に触れる重要性を感じましたね。

犬塚

建設プロジェクトでは、SEであっても現場にいけるところが面白いですよね。ほとんどのメンバーが自前の安全靴や作業着を持っているくらいです。私が経験したところで言うと、橋の点検業務に用いるシステムのご提案の際に、「橋桁」と呼ばれる橋の内側の真っ暗な空洞に入りました。そこでタブレットを使用してみると、なんと電波が全く入らずシステムの導入を断念。机上の空論では成り立たないのが、難しさであり面白さですね。また、自分達が提供したソリューションが思わぬ形で利用されていることもあります。例えば、当社では現場の撮影用の360度カメラを利用したソリューションの提供をしています。本来、現場状況の共有や、作業の記録に用いるのですが、ある企業ではコロナ禍で現地に行けない新入社員に写真を見せ、「現場ツアー」を行なっていました。私たちにはない発想でしたので、非常に驚きましたね。

浜村

マーケティングの立場で見ると、決裁権が本社ではなく現場にあることも特徴の一つですね。建設業界では、本社主導ではなく案件単位で物事が決まっていく傾向があり、本社の情報システム部門にご提案して導入を検討いただいたものが、現場判断で「不要」と見送られることもあります。導入のメリットを感じてもらうため、地方の営業所に説明に伺うことも少なくありません。出張が多いことは大変な側面もありますが、職人さんたちと会話や食事をすることで、その地域の「あり方」を感じられる経験は、人生においても大きな財産になっています。

今後の課題は、「人」と「機械」の調和。そして、業界全体を変えていく。

今後の課題は、「人」と「機械」の調和。
そして、業界全体を変えていく。

建設テックプロジェクトにおけるやりがいをお聞かせください

齋藤

自分の仕事が、業務改善だけでなく採用の強化や地域産業の発展につながったときに、やりがいを感じます。建設業界は人手不足が叫ばれており、特に若い人財の採用が大きな課題になっています。若者の採用にはこれまでの「3K」のイメージを払拭し、働きやすさや先進性を感じてもらうことが必要です。そのような状況下で、私たちのソリューションで業務改善をする会社がテレビで紹介されていたときは、「少しでも若者に興味を持っていただける機会を増やせた」と嬉しい気持ちになりました。また、建設会社と協力して地域の小学生を対象に現場見学会を行うこともあります。建設業界におけるIT活用の実情を伝えることで、学生のうちから業界に興味を持ってもらえるよう、普及活動に取り組んでいます。業界のイメージの変化に寄与できることがこの仕事の醍醐味ですね。

犬塚

人の命を預かるからこそ1ミリ単位でも妥協しない職人さんたちの姿勢は大きな刺激になっており、「彼らをサポートしていきたい」という原動力になっています。また、建設現場へのIT導入で生産性向上をめざす「i-Construction(注1)」を国土交通省が推進しています。このような国の動きと連動した活動は建設業界のイノベーションに貢献していると実感でき、やりがいにつながっています。

浜村

日立ソリューションズが建設テックに取り組む意義として、総合的なサポートができることが挙げられます。現場の一部分の業務改善のみでなく、全社的なシステムの導入や本社も含めた働き方改革など、企業そのものを良い方向に進められることが大きなやりがいですね。

今後の目標をお聞かせください

齋藤

建設業界は「ピラミッド構造」と呼ばれています。上流のゼネコンではDX化が進んできていますが、作業を請け負う企業はまだまだアナログが多いのが実情です。業界全体のDXの推進のため、ロボットやAIなど先進的な分野に取り組みながら、データ管理やペーパーレス化など、基礎的なITの普及にも寄与していきたいです。

犬塚

DX化が進むと効率が向上する一方で、これまで需要があった仕事のニーズが減り、仕事を失ってしまう人も出てきます。例えば、現場の警備の仕事はロボットに変わっていくと考えられます。そのような人たちをいかにサポートしていくかが、国単位での大きな課題ですね。私たちは、お客さまとともに人と機械の調和を目指していきたいと考えています。

浜村

個人的な目標ですが、建設物が完成したときに、「日立ソリューションズさんのおかげで完成したよ」と言ってもらえるくらい深く入り込んでいきたいです。例えばそれが橋だったら、娘を車の助手席に乗せて、「これ、お父さんが関わった橋なんだよ」と自慢しながら渡りたいですね(笑)

本日はありがとうございました。

(注1)国土交通省による「ICTの全面的な活用(ICT土工)」などの施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上をはかり、魅力ある建設現場をめざす取組み