Workatoの導入事例
大成建設株式会社様・株式会社大成情報システム様低コスト・短期間で建設DXの推進を加速。レガシーシステムデータのリアルタイム活用をAPI連携で実現
大手建設会社の大成建設は、約7,000社7万人が利用するSaaSベースの基幹システム「作業所Net」を刷新。Azure上に新たなデータ管理基盤「X-grab」を構築するにあたり、クラウドサービスやオンプレミスシステムのスピーディーな統合を可能にするiPaaS製品「Workato」を採用。最小限の工数と人員でレガシーシステムとの連携を速やかに実現したほか、「Workato」が提供するレシピを活用して業務フローの自動化を進めていく計画です。
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背景
建設DXを加速させる新たなデータ管理基盤へ移行
松田 豊道 氏
日本屈指の建設会社である大成建設は、150年という長い歴史の中で、日本はもちろん、世界中で数多くの「地図に残る仕事。」を手がけてきました。その実績を基盤に建設業界のリーディングカンパニーとして革新を続けながら、国内外における建築・土木の設計・施工、環境、エンジニアリング、原子力、都市開発、不動産など幅広い分野で事業を展開しています。
デジタル化の潮流を受け、建設業が大きな変革の時期を迎えつつある今、最新のデジタル技術をいち早く活用して建設現場や業界の課題を解決してきた大成建設グループでは、その取り組みをさらに加速する「建設DX」の推進に向けて、さまざまな施策を実施しています。その中核をなす大規模なプロジェクトが、2003年より使い続けてきたSaaSベースの基幹システム「作業所Net」の刷新でした。同社は、協力会社を含む約7,000社7万人が図面や3Dモデル・写真などの工事情報の共有に利用してきた「作業所Net」を手離し、「X-grab(エックスグラブ)」と呼ばれるデータ管理基盤をAzure上に新たに構築することを決定。その理由を松田氏は、「組織が今後変化に俊敏に対応しながらしなやかに成長していくためには、保管されている大量の工事情報をファイルという単位ではなく、ビッグデータとして活用できる環境を整える必要がありました」と説明します。
X-grabへの移行にあたり、当然ながら、作業所Netと連携していたレガシーシステムもX-grabと接続し直すことになります。そこで、APIを持たないレガシーシステムとX-grabをどのように連携させるか、検討が行われました。
取り組み
「Workato」でレガシーシステムとのAPI連携を容易に
池田 恭平 氏
連携の手法には、バッチ処理などの個別開発を行う方法や、ETLなどの連携ツールを利用する方法もありますが、いずれもリアルタイムな連携が行えません。スピーディーなビジネスにはリアルタイムのデータ連携が必須であることや、データの信頼性という観点からもAPI連携が最も望ましいのは明らかでしたが、API開発には時間もコストもかかります。さらに、1年後に本稼働を控えて、X-grabの開発業務には依然として多くのリソースが必要とされ、開発要員の確保も難しい状況にありました。
そんな折、社内の建築部門から紹介されたのが、データ連携や業務プロセスの自動化を実現するiPaaS製品「Workato(ワーカート)」でした。松田氏は、「API接続するためのコネクタが豊富に用意されている点が一番の決め手となり『Workato』の選択に至りました。社内で所有しているデータ連携ツールや、Azure側で提供しているサービスを活用することも検討しましたが、APIを提供できるのは『Workato』だけで、さらに操作性が抜群によいため開発業務を内製化できます。手を動かせる人員が限られている中で、非常に魅力的に感じました」と評価します。
「Workato」は、“レシピ”と呼ばれる単位でデータ連携や業務プロセスの自動化を設計できるのも大きな特徴です。池田氏はその印象を、「レシピを使うことで、かなり複雑な処理も容易に設計・実装できるので驚きました。しかも、操作が直感的で、見よう見まねでもすぐに使えました」と語ります。
効果
開発要員を増やすことなくスピーディーな内製化を実現
江上 裕哉 氏
現在、同社は「Workato」が提供するAPIを使って、X-grabと4つのレガシーシステムをAPIで連携。「『Workato』はさまざまなサービスを容易に連携でき、設計者がそのまま開発者になれるのが大きな強みです」と池田氏が語るように、開発要員を増やすことなく内製化できる環境が実現しました。実際、従来なら業務フローの設計とAPI開発に数カ月かかっていたところを、「Workato」では1週間から2週間でのスピード開発が可能となっています。
「他社のノーコード・ローコード開発のツールと比較して、『Workato』はやりたいと思ったことを簡単なアクションで速やかに実現できて非常に使いやすいですね。フロー図さえ描けてしまえば、単純なプロセスで簡単にレシピが作れるので効率的に設計作業を行えます。実装方法に関しては、日立ソリューションズの技術力やノウハウに加え、必要な解決策を素早く提示してくれる対応力にも助けられました」(江上氏)
また、「Workato」を味方につけたことで、作業所NetからX-grabへの刷新プロジェクトは遅延なく進み、当初の予定どおり2022年5月には全サービスの運用を開始。松田氏は、「さまざまなデータをリアルタイムかつ柔軟に扱える環境が整いました」と語ります。
展望
「データ活用による業務改革」へのシフトを加速
システム連携の先にある次のステップとして、業務フローの自動化に着手し始めている同社。
「これから描く未来に向けて“作りながら考える”アジャイル開発の手法を取り入れるためには、開発業務を内製化できないと始まりません。『Workato』は、やりたいことを吸収してカタチにしてくれます」(松田氏)
今後はレシピの利用範囲を広げていくと同時に、グループ全体でビジネススピードを加速させるため、社員から協力会社へ、レシピの利用規模を拡大していくことも検討されています。
X-grabを核に「データを活用した業務」へのシフトが進む大成建設にとって、さまざまなシステムをリアルタイムで連携させ、システム間をまたいだプロセスの自動化を容易に実現する「Workato」は、まさに縁の下の力持ち。さらに使い方を発展させていくにあたり、「Workato」の進化が待たれるとともに、日立ソリューションズの提案力に期待が寄せられています。
システム統合プラットフォームとしてビジネススピードを加速する豊富な機能を提供
- 標準装備された1,000以上のコネクタを活用してローコード、ノーコードで複数のアプリケーションと連携
- 25万以上のサンプルレシピの活用により業務フロー開発の自由度が向上
- リアルタイムでのデータ連携を実現しシステム統合された業務フローの制御を可能に
- 短期間でのスピード実装を可能にすることで開発コストを大幅に削減
大成建設株式会社
所在地 | 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 新宿センタービル | |
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創業 | 1873年10月 | |
従業員数 | 8,579名(2022年3月末現在) | |
事業内容 | 国内外における建築・土木の設計・施工、環境、エンジニアリング、原子力、都市開発、不動産など幅広い分野で事業展開 | |
URL | https://www.taisei.co.jp/ |
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本事例の内容は2023年5月22日公開当時のものです。
最終更新日:2024年9月26日