Workatoの導入事例
株式会社ナビタイムジャパン様Workatoによるシステム連携で全社の業務プロセス自動化が大きく前進。システムへの入出力をSlackに集約し、経費精算業務で数百時間を削減
ナビゲーションサービス「NAVITIME」で知られるナビタイムジャパンは、「Workato」の導入を機に、社内に残る手動の業務プロセスについて自動化を積極的に進めています。社員と経理部門の双方に負荷がかかっていた経費精算業務では、複数存在していた提出方法をSlackに統一。さらに、提出に伴うチェックや保存、データ入力といった作業を自動化することで、年間数百時間の業務時間を削減できています。
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背景
全社規模で業務プロセスの自動化に着手
天野 剛志 氏
独自の経路検索エンジン技術を主軸に据え、トータルナビゲーションサービス「NAVITIME」やカーナビゲーションアプリ「ドライブサポーター」など、個人および法人向けに多彩なサービスを提供する株式会社ナビタイムジャパン。2001年のサービス開始以降、順調に利用者を獲得し続け、現在の月間ユニークユーザー数は5,100万人以上、有料会員数も480万人に上ります。
「経路検索エンジンの技術で世界の産業に奉仕する」を経営理念に掲げ、全社員の約8割をエンジニアが占める同社には、開発系部門の有志が集まり、エンジニアの開発業務を支援する開発サポート部門があります。現在は6名のメンバーが本来の業務と兼任しながら、社内の開発環境の整備にあたっています。
開発サポート部門では、手動で実施している業務プロセスを全社規模で自動化していくため、2021年にiPaaS製品の「Workato」を導入。資料請求されたお客さまのアカウント発行や、社外からアクセスできない環境に置かれたオンプレミスシステムとSaaSとの連携、Slack経由で勤怠システムに対して打刻や工数入力する機能など、さまざまな業務の自動化や効率化を進めてきました。そして、さらに社内のヒアリングを行い、全社的に負荷が高いとされた経費精算業務の改善に乗り出しました。天野氏はこう振り返ります。
「月間数百枚に及ぶ請求書や領収書の提出方法は紙・PDF・オンラインシステムと複数存在し、それぞれが異なる手順に従って提出されていました。中には経理担当者にSlackのダイレクトメッセージで提出する社員がいて対応に困る場面もありましたし、紙やPDFで提出された分は経理部門でのチェック作業やシステムへの入力作業に多くのリソースを要していました。業務フローが煩雑なうえに手動の作業が多く、社員と経理部門の双方に大きな負荷がかかっていたと言えます。社員旅行後などは、社員が個別に提出する紙の領収書が山積みになることもありました」
また、2024年に改正される電子帳簿保存法を見据え、帳簿類の電子データ保管を前提とした体制に移行する必要があったことも、課題解決への動きを後押ししました。
取り組み
Slackを起点に経費精算業務プロセス全体を効率化
小橋 俊也 氏
低コストかつ短期間で一気に全社の自動化を進めるためにiPaaS製品の導入を検討していた段階から、「Workato」の優れた機能には多くの期待を寄せていました。「その実用性についてはいくつかのレシピ作成を通じて検証済みでしたし、解決手段は、『Workato』以外に考えられませんでした」と天野氏。
評価のポイントは、①セキュリティ面や権限管理機能が優れていること、②連携先のサービスに会社として契約しているSaaSサービスのみを選定できること、③豊富なアプリケーションカタログが用意されており、社内のSaaSサービスと容易に連携できること、④「Workato」のチャットボット機能であるWorkbot for Slackを使ってSlackを業務のトリガーにできることの4点です。
「当社が知る限り、この4点すべてを満たす製品は『Workato』だけでした。特にWorkbot for Slackにより、社内のコミュニケーションツールとして利用しているSlack経由で業務の自動化を実現できる点や、オンプレミスエージェントにより社内に閉じたシステムを自動化の対象にできる点は幅広い業務の自動化を検討する際のアドバンテージになると感じていました」と小橋氏。
たとえば、Workbot for Slackを活用して請求書や領収書の提出ルートをSlackに統一したことで、社員にとってシンプルでわかりやすいだけでなく、これまで原本提出していた領収書のオンライン提出が可能になり、利便性が飛躍的に高まりました。さらに、申請者からSlackで提出された請求書や領収書を経理部門がSlack上で自動的に正誤チェックし、完了したらGoogleドライブへの保存とオンプレミスの経理システムへの登録を自動で行うレシピを実行。これまで経理部門が行っていた手動でのファイル保存や転記作業までをすべて自動化しました。
効果
年間で数百時間にも及ぶ業務時間を削減
同社では、「Workato」の活用により、経費精算業務に関して年間で数百時間に及ぶ業務時間の削減に成功。天野氏はその手応えについて、「特に経理部門の負荷が大きく軽減されました。まず、記載ミスやファイルの添付忘れ、ファイル形式の間違いといった提出時の不備を確実に回避できます。また、従来は手間がかかっていた未提出者のチェックも、デジタル化により検索性が向上したおかげで速やかに行えます。紙での処理が排除され、領収書の山にストレスを感じることもなくなりました」と語ります。
同社では、さらなる業務効率化に向けて、このほかにも複数のレシピ作成に取り組んでいます。
「『Workato』はコミュニティライブラリーが充実しており、ヒントになるようなレシピが豊富に見つかるので非常に助かっています」と語る小橋氏は、日立ソリューションズの支援について、「Workato社を含めた定期ミーティングで新機能をキャッチアップできましたし、サポートセンターには初歩的な質問にも丁寧に回答いただき、レシピ作成の困りごとはスムーズに解決できました。また、事業部門向け説明会を通じて『Workato』活用の可能性を社内に共有してもらい、さらなる活用の定着化に向けたアイデア出しでも貢献してくれました」と評価します。
展望
自動化やシステム間連携をさらに全社へ拡大
現在、同社の開発サポート部門では5つのレシピが稼働中で、今後も「Workato」を軸に自動化の範囲を拡大し、社内全体の業務効率化を推進していく考えです。具体的には、Slackをインターフェイスにして社内申請業務を一元化していくほか、勤怠システムとの連携による工数管理の効率化や、オンプレミスシステムとSaaS間の連携による自動化にも意欲を覗かせています。
業務をシステムに任せるという選択肢によって多くの社員が本来業務に注力できる環境を作り出している「Workato」は、業務変革を自社のビジネス成長につなげる重要な鍵を握っています。
最小限の手間とコストで社内に点在するシステム間を連携し効率化に向けた業務プロセスの自動化を加速
- 業務プロセスの自動化をローコードで速やかに実現
- コミュニティライブラリーに公開された豊富なレシピをテンプレートとして活用することで開発期間を短縮
- 1,000種類以上ものアプリケーションと接続するコネクタを標準提供し、クラウド、オンプレミスを問わず、複数のシステムや組織にまたがる業務フローを制御・自動化
- ボット機能の活用で、使い慣れたSlackを起点とする自動化フローを実現
株式会社ナビタイムジャパン
所在地 | 東京都港区南青山3-8-38 | |
---|---|---|
設立 | 2000年3月1日 | |
従業員数 | 520名(2023年4月現在) | |
事業内容 | ナビゲーションサイト・アプリの運営・開発、経路検索エンジンのライセンス事業ほか | |
URL | https://corporate.navitime.co.jp/ |
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本事例の内容は2024年3月6日公開当時のものです。
最終更新日:2024年9月26日