株式会社日本経済新聞社様 オンデマンドCRMソリューション Salesforceの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

オンデマンドCRMソリューション Salesforceの導入事例

株式会社日本経済新聞社様

※「WalkMe」は販売を終了しました。本事例内容は公開当時のものです。

広告代理店との情報共有デジタル広告の営業力を強化

「テクノロジー・メディアへの飛躍」をめざす株式会社日本経済新聞社は、自社ビジネスのデジタル化を急ピッチで進めています。その一環として、デジタル広告営業部門では、「Salesforce Sales Cloud」をベースに作られていた従来の案件・在庫管理システムを再構築し、広告代理店との情報共有基盤となる「Salesforce Community Cloud」を導入。広告営業の効率を高めるとともに、業務プロセスの見える化によって、営業力強化の基盤を完成させました。

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この事例に関するソリューション・商品

課題
導入後
広告枠の在庫状況を広告代理店と共有したい
「Salesforce Community Cloud」の導入で、在庫情報の共有を実現
広告営業の業務プロセスを見える化したい
情報が集約され、業務効率の向上と営業力強化の基盤が完成

背景と課題

業務効率化とプロセス変革でデジタル広告の営業力を強化

國友 氏株式会社日本経済新聞社 デジタル事業 メディアビジネスユニット ユニット長補佐
國友 康弘 氏
鈴木 氏株式会社日本経済新聞社 デジタル事業 メディアビジネスユニット マーケティングセンター
部次長
鈴木 朱音 氏

日本を代表する経済メディアといえば、日本経済新聞――。その歴史は、1876年に創刊された中外物価新報にさかのぼります。1946年には題号を現行の日本経済新聞に変更。2015年にはイギリスの経済紙、フィナンシャル・タイムズ(FT)もグループ傘下に収めました。

同社は「テクノロジー・メディアへの飛躍」という目標のもとで、デジタル化を積極的に進めています。2010年には日本経済新聞 電子版を創刊。ジャーナリズムを支える重要な収入源である広告においても、デジタルツールを活用したビジネスプロセスの改革が求められています。

「広告営業の成績は、結果としての数字で評価されがちです。かねてから問題意識としていたのは『その時々の業種トレンドや周年・上場などイベントによる影響を排除した活動内容を評価・改善できれば、営業組織は強くなれるはず』ということでした」(國友氏)

デジタル広告には、紙の新聞広告と異なる点がいくつかあります。第一に、デジタルメディアの広告在庫はユーザーが記事を読むことで作られ、在庫量はその日のニュースの大小によって変動するので、精緻な在庫予測が困難です。そのため、売り上げを伸ばすには、限られた在庫がどのように売られているかを分析・可視化できる仕組みが不可欠です。第二に、デジタル広告の仕様は非常に細かく、変更や追加も多いため、伝言ゲームによる抜け漏れが事故につながるリスクが高いのです。日本経済新聞社と広告代理店・メディアレップといった販売パートナーとの間でシームレスな情報共有が求められます。

「まずは、販売パートナー様が広告在庫の状況を管理画面上で確認できるようにし、さらに、入力された案件データを社内・社外の関係者全員が参照できる仕組みをつくりたいと考えました。そうすれば、電話やメールでの問い合わせも減り、発注などのメールの内容を当社側で再入力する必要がなくなり、業務効率が高まります。また、営業担当者やマネージャーに次にすべき営業活動を認識してもらうために、売り上げの見通しを精緻化し、広告営業においてプロセスを見える化することも急務と感じていました」(國友氏)

選定と導入

「Salesforce」に精通したエンジニアと、要件になかった「WalkMe」提案が決め手

日本経済新聞社にとって、デジタル広告営業用の業務システムを構築するのは、これが初めてではありませんでした。電子版創刊の2年後にあたる2012年には、クラウド型SFA/CRMアプリケーション「Salesforce Sales Cloud」を導入。在庫管理、売上管理、請求管理などの業務で利用していました。

「ただ、このときは『Salesforce』の標準機能は活用しておらず、在庫管理、売上管理などはすべてスクラッチ開発されたものでした。案件・在庫情報の共有や営業プロセス管理に役立つSFA/CRMの機能は使われていなかったのです」(鈴木氏)

金山 氏株式会社日本経済新聞社 デジタル事業 メディアビジネスユニット アカウントセールスグループ
金山 弦希 氏
長沢 氏株式会社サイバー・コミュニケーションズ テクノロジー・ディビジョン
エグゼクティブ・スタッフ
長沢 智 氏

そこで、デジタル広告営業のバックエンド業務を担当するマーケティングセンターでは、2016年に次期開発を見据えた課題の洗い出しと解決策の整理を始めました。

2017年の時点で「Salesforce」の画面インターフェースは「Lightning Experience(LEX)」が標準となりつつあったため、改修には、旧画面インターフェースの「Classic」を使用している部分をLEXに切り替える必要がありました。

プロジェクトの目標達成に向けてのポイントは2つ。1つは「スクラッチで開発されていた在庫管理、売上管理などの画面をLEXへ移行する」こと。もう1つは「広告代理店と情報を共有するための『Salesforce Community Cloud』を導入・実装する」ことです。

ITベンダーに提案を要請したのは、2018年3月。数社の中から選ばれたのは、日立ソリューションズの提案でした。

「当社の意図を理解したうえで、標準機能を活用した『Salesforce』らしい使い方を提案してもらったことと、LEXに非常に詳しいエンジニアが担当するという点が採用の決め手でした。要件にはなかった、エンドユーザーの画面操作をガイダンスする『WalkMe』の提案も評価しました」(鈴木氏)

営業担当やメディアレップが加わった要件定義を約3カ月行った後、日立ソリューションズの開発チームが主体で開発作業(詳細設計~実装~テスト)を進めていきました。

「『Salesforce』を導入してから数年経っていましたので、実際の営業活動とシステム機能の間に、かい離が生じていました。そこで、使われていない機能と現場が必要とするのに実装されていない機能について、営業担当者の声を集約し、新システムに反映していきました」(金山氏)

「メディアレップ・広告代理店がどのように商談を進め、在庫確認や広告素材の入稿作業をしているのか、そのプロセスを日立ソリューションズに伝え、開発に取り入れてもらいました」(長沢氏)

「スクラッチの画面をどのように『Salesforce』の標準機能へ移行するか要件定義をした際に、在庫管理など一部の画面については、『開発工数も下がらないし、何よりUIが変わりすぎてユーザーが受け入れられない』という日立ソリューションズからの助言を受けて、見た目・機能を維持したままLEXベースに移植することにしました。使い手の立場に立ったアドバイスに感謝しています。また、『WalkMe』を使うことで、営業向け、代理店向けそれぞれに、標準へ移行する範囲を増やすことができました」(鈴木氏)

受け入れテストと前後して、案件支援を行うチームを中心に、日本経済新聞社と広告代理店のエンドユーザー向けに操作レクチャーを実施しました。

成果と今後

営業強化のための基盤が完成、定着化へ。オウンドメディアやMAと連携予定

新システムがサービスインしたのは、2019年8月ですが、すでに日々の営業活動で活用されています。また、販売パートナーに対するリリースも段階的に進められており、一部の代理店では利用を開始しています。

「販売パートナー様が商談を登録すると、当社ですぐに案件の内容を把握できるようになりました。当社で『Salesforce』へ入力する工数も減り、業務の効率化にもなっています。今後は、『Salesforce』に集約された情報から知見を引き出し、営業活動の高度化につなげていきたいと考えています」(金山氏)

「メディアレップの立場としても、新聞社に問い合わせをせずに在庫や入稿の状況を把握できるので、営業活動が効率化されています」(長沢氏)

「営業ユーザーには要件定義で『自分ごと』として当社のデジタル広告に必要な機能要件を考えてもらい、また要件定義から参画した日立ソリューションズも当社のデジタル広告営業の仕組みをよく理解してくれたので、ユーザビリティに配慮したシステムが作れたと考えています」(鈴木氏)

「デジタル広告営業を強化するための基盤整備はひとまず完了しました。定着し、営業部隊主導で活用してもらうにはこれからが本番だと考えています。新聞広告営業でもテスト運用を予定しています。今後は、自社のプロモーションサイトやマーケティングオートメーション(MA)との連携を深め、商談創出・営業支援ができるよう基盤を成長させていく予定です。本プロジェクトの成果を外部のコンテンツメディアの広告営業部門向けに、何らかのかたちで提供していきたいと考えています」(國友氏)

日立ソリューションズはこれからも、「テクノロジー・メディアへの飛躍」のために営業力強化を加速していく同社を支援していきます。

株式会社日本経済新聞社

日本を代表する経済メディア「日本経済新聞」を中核とする事業を展開。2010年3月には日本経済新聞 電子版を創刊。「テクノロジー・メディアへの飛躍」という目標のもと、商品・サービス開発だけでなく、業務プロセスのデジタル化もグループ全体で進めている。

本社所在地 東京本社:東京都千代田区大手町1-3-7
大阪本社:大阪市中央区高麗橋1-4-2
株式会社日本経済新聞社
設立 1876年12月2日
従業員数 3,069人(2018年12月末時点)
事業内容 新聞を中核とする事業持ち株会社。雑誌、書籍、デジタルメディア、データベースサービス、
速報、電波、映像、経済・文化事業などを展開
URL https://www.nikkei.com/

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本事例の内容は2020年2月26日公開当時のものです。

最終更新日:2022年3月29日