Salesforce Sales Cloud&Tableauの活用促進事例
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社様より効果的なCRMの運用を推進し、トップライン向上に向けた全社的戦略活用に挑む
オムロン ソーシアルソリューションズは2021年に「Sales Cloud」を導入し、各事業部にチャンピオンと呼ばれる推進リーダーを選任して定着化に取り組んできました。それから2年経過したのち、CRM活用の目標を再確認し、運用面・システム面のさらなる改善活動に着手。各部門の声を拾い上げることで課題をあぶり出し、ユーザーが効果を実感しやすい設計を考案し、トップライン向上に向けた実効性のあるCRM活用を推進しています。
※写真:右側2名は日立ソリューションズ 営業担当とSE担当
この事例に関するソリューション・商品
この事例に関するソリューション・商品
背景
次の成長に向けてCRM活用改善に取り組む
中野 公太 氏
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社は、人々の安心・安全・快適な暮らしを支える、さまざまな社会システムを提供している企業です。オムロンの社内カンパニーが2011年に分社化して誕生し、太陽光発電・蓄電システムを提供するエネルギー、駅業務のオートメーション技術に強みを持つ公共輸送のほか、商材・商流を異にする8つの領域で社会の安心・安全・快適に貢献しています。
従来、営業部門では属人的な営業活動が行われており、多岐にわたる顧客・商談の有効活用ができていませんでした。そこで2021年4月、顧客情報をデータで共有、データ起点でより適切な提案ができる営業手法の確立をめざし、「Sales Cloud」を導入。その後、グループ全体においてワンストップで価値を提供する顧客管理・営業支援システムを構築。各事業部ではチャンピオンと呼ばれる推進リーダーを選任して、CRM活用に取り組んできました。
そして「Sales Cloud」導入から2年が経過した2023年、これまでの状況を振り返り、CRMの活用目的をトップライン向上と再定義。運用面・システム面の改善活動を、日立ソリューションズと一緒に推進することにしました。
取り組み
トップライン向上を意識したCRM活用をめざす
2023年までは同社のグループ企画室が中心となって、CRM活用を進めてきました。
しかし、現場では、データ入力にかけた時間に見合う効果を実感できていませんでした。
そこで、中野氏は課題解決に向けて幅広く情報収集を行う中、2021年度の「第9回Salesforce全国活用チャンピオン大会」で優勝した日立ソリューションズの講演動画を目にしました。
「それまでは、『Sales Cloud』の使い方ばかりに目を向けていたのですが、この講演を聞いて、CRMで何を実現したいかが重要だと気づきました。これが、CRMの活用目的を再考し、活用範囲を見直すきっかけとなりました」(中野氏)
日立ソリューションズでは、現場がメリットを享受できる制度設計を構築し、売上向上に向けてCRMを主体的に活用する文化が定着していました。その実現のため、「Sales Cloud」だけにこだわらず、BIツールである「Tableau」の活用や、顧客マスタ整備のための「ユーソナー」を取り入れており、システム面の知見にも共感できたと言います。
「ベンダー目線ではなく、ユーザー目線で一緒に考えてもらえると感じました。日立ソリューションズが自社での活用で取り組んだ順序や内容を参考にすることで、現状の課題を克服していけると期待が持てました」(中野氏)
同社は2023年2月に日立ソリューションズをパートナーに選定し、CRM活用拡大の新たなフェーズに突入します。
まずは事業部門代表者とのKPIダッシュボード要件検討のためのワークショップを実施。事業部門がCRMに求めるKPI管理の要件を確認しました。6月には各事業部に対してアセスメントを実施。これらのモニタリングを経て、トップライン向上のためには、ビジネスデータを視覚的に認識できることが重要であると考え、「Tableau」上でヒートマップを構築しました。また全社で重点市場に対して事業部門を跨った複数ソリューションのクロスセル戦略を強化していたことから、その後、クロスセルとN倍化を取り入れたダッシュボード*を追加し、営業担当向けの有効ツールを拡充しました。同時にマスタデータ整備の重要性も認識し、夏にはクラウド型の顧客データ統合ソリューション「ユーソナー」を導入することで、顧客マスタの全社統一を実施。以前は事業部ごとに市場分析手法や顧客マスタが独自運用となっていましたが、より事業部同士が協力しやすい運用へと変化しました。このようなデータ活用、データ強化により、トップライン向上に貢献するCRMの土台が整いました。
*「クロスセル」のダッシュボードでは担当顧客を選択すると担当顧客の購入済み商品リストが、「N倍化」では担当商品を選択すると担当商品と相性の良い商品が表示される。それぞれ表示された商品のうち1つを選択すると、選択した商品との相性が良くなおかつまだ購入されていない商品がレコメンド表示される。
効果
データ可視化の利点を浸透させ、活用を促進
ヒートマップを最初に見たときの印象を中野氏はこう語ります。
「バラバラだったデータが1つのマップで可視化され、営業担当が欲しかった情報にクリックのみで辿り着ける。これこそが自分たちがやりたかったことだとうれしくなりました。われわれがまだアプローチできていない領域の顧客が一目でわかるのもヒートマップの利点です」
営業担当は顧客訪問の前にその企業の情報を素早く確認でき、トップライン向上の確率を高められます。経営層・管理職・現場が1つのダッシュボードを見ながら作戦会議を行う、というユースケースを広めていくことで、さらなる効果が期待できます。
データ入力項目が多く手間がかかっていたという課題に対しても、「『ユーソナー』の導入もあって、マスタはIT部門が整備するので、営業担当は商談の経緯だけ反映すればよいという仕組みにしました。営業担当には積み上げてきた豊富な知見がありますから、『Sales Cloud』に対する負荷を減らし、効果を感じてもらうことで、CRM活用を促進し、知見の蓄積や共有につなげていけると考えています」(中野氏)
展望
データドリブン経営に向けて、CRMの経営プラットフォーム化を推進
中野氏らは2024年以降、CRMの経営プラットフォーム化に向けて段階的な計画を立てています。まずは1stステップで、商談データの入力レベルの均一化を図ります。誰が入力しても同じ粒度の情報がデータベースに格納されていることが重要だからです。2ndステップでは、売上見込み精度アップをめざします。
「各事業部それぞれの軸で売上見込みを作るのではなくて、『Sales Cloud』のパイプライン管理で積み上げた根拠に基づいて、業績見込みを立てていくといった文化を生み出します。経営分析、事業分析のファクトの精度を引き上げることで、経営層の意思決定の迅速化につながると期待できます。この計画が進んだ暁には、データドリブン経営のノウハウを身につけた人材が各部門で育っていると思います」(中野氏)
CRM活用を事業に生かす同社を、日立ソリューションズはこれからも支援してまいります。
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社
所在地 | 東京都港区港南2-3-13 品川フロントビル7F | |
---|---|---|
設立 | 2011年4月1日 | |
従業員数 | 単体:865名 グループ全体:3,355名(2024年4月1日現在) | |
事業内容 | エネルギー・鉄道・道路交通などに関連したシステム開発 | |
URL | https://socialsolution.omron.com/jp/ja/ |
この事例に関するソリューション・商品
この事例に関するソリューション・商品
導入事例ダウンロード
本事例の内容は2024年11月28日公開当時のものです。
最終更新日:2024年11月28日